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会計基準や税法が毎年のように改訂される現在、経理は常にキャリアアップを図る必要があります。資格取得を通じて経理の専門知識を身につけることで、経営管理の視点や財務管理、税務申告に必要なスキルを習得できます。
ただ、経理の資格は種類が多すぎてどれがいいのかわからない、と考えられている方もいると思います。目的に合った資格の学習を行わないと、時間をかけて得た資格と知識が無駄に終わってしまう可能性があります。
- 資格が多すぎて選べない(簿記・FP・税法?)
- 資格がどのように経理の実務に役立つかわからない
- 働きながら取得できる資格でどれが有効かわからない
僕自身、複数の資格を取得しましたが、結果的に実務に役立てられずに知識が陳腐化してしまった苦い経験があります。(例:知的財産検定、メンタルヘルスマネジメント検定。)
この記事では、経理歴15年のメーカー社員(簿記1級保有)である僕が、経理資格をレベル別に紹介したうえで、実務に活かせるおすすめの経理資格5選を解説しています。読むことで、経理資格への理解を深め、目的に合った資格を見つけることができます。

僕自身、簿記の知識が、経理業務で判断に迷ったときの指針となっています。
業務ごとの資格取得の優先順位は、別記事で解説しています。
>>【未経験~経理担当必見】実務に役立つ経理資格取得のおすすめ優先順位を現役経理が紹介します!
経理資格の必要性とは?経理職に資格が必要な理由

経理の仕事は、企業のお金の動きを管理し、正確な財務状況を把握する重要な役割を担います。この責任ある仕事を遂行するためには、専門的な知識と技能が求められます。経理資格は、その知識と技能を証明する手段となります。
経理が資格を取得するメリット・デメリット
経理資格を取得するメリットは以下の通りです。
- 専門知識の証明: 経理資格は、経理業務に必要な知識を持っていることを証明します。これにより、採用時や昇進時に有利に働くことがあります。
- 信頼性の向上: 資格を持っていることで、職場内外での信頼性が高まります。正確な会計処理は、企業運営において不可欠であるため、この信頼は非常に重要です。
- 実務での活用:簿記や税法などは、経理業務に直結するため、業務をスムーズに進めるのに活用できます
デメリットは以下の通りです。
- 取得の難易度: 経理資格は、専門性から、取得するのが難しいものもあります。難易度の高い資格の取得には、多くの時間と労力が必要であり、繁忙期の業務を行いながらの学習は困難な場合があります。
- 継続的な学習の必要性: 経理に関わる基準や法律は毎年変わるため、資格取得後も最新の知識を維持するために継続的な学習が求められます。必ずしも業務中に学習時間を取れるわけではないです。
経理の資格がキャリアに与える影響
経理資格は、キャリアに大きな影響を与える可能性があります。資格を持つことで、より高度な職務に就くチャンスが増え、結果として給与アップや昇進につながることがあります。また、資格は経理の専門知識だけでなく、問題解決能力や分析力などの重要なスキルの習得を促すため、キャリアの発展に大きく貢献します。
例えば「日商簿記2級」は経理関係では最もメジャーな資格ですが、資格保有事態が昇進や転職時の応募要件となる場合があります。
- 昇進の要件
- 転職の応募要件(経理)
経理資格の取得は、一朝一夕には行えない努力が必要です。ただ、その努力は正しく取得資格を選択すれば、確実に実務に結び付くものです。
おすすめ経理関連資格5選

ここでは、知名度や実用性を考慮した上で、僕のおすすめ経理資格5選を順番に解説していきます。
簿記3級 簿記2級 | FP3級 FP2級 | Mos(Excel) | ビジネス会計検定2級 | 消費税能力検定2級 | |
---|---|---|---|---|---|
取得難易度 | (1.5 / 5.0) (3 / 5.0) | (1.5 / 5.0) (3 / 5.0) | (2 / 5.0) | (2.5 / 5.0) | (3 / 5.0) |
経理実務直結度 | 10 | 8 | 10 | 7 | 7 |
活用できる業務 | 全般 | 全般 (特に資金/申告) | 全般 | 全般 (特に経営管理) | 全般 (特に財務・税務申告) |
学習期間 | 3級:3ヶ月 2級:6ヶ月 | 3級:3ヶ月 2級:6ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 | 6ヶ月 |
受験料 | 3級:2,850円 2級:4,720円 | 3級:8,000円 2級:11,700円 | 10,780円 (一般) | 7,480円 | 2,700円 |
合格率 | 3級:約40% 2級:約30% | 3級:約60% 2級:約30% | 約80%(推定) | 2級:約50% | 2級:約85% |
備考 | 年3回(6、11、2月) +随時試験 | 年3回(5、9、1月) FP協会/きんざい試験で学科は共通 | 全国一斉(月1~2回) +随時試験 | 試験:年2回 (10、3月) | 試験:年3回 (5、10、2月) |
参照(公式HP) | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
(※FP試験は、金融財政事情研究会(きんざい)の試験内容を記載)
簿記検定 (日商簿記検定)
難易度(10段階):3~6(簿記3級~2級)
経理実務直結度 :9
学習期間 :2~3ヶ月(3級)、3~6ヶ月(2級)
簿記検定は、資格自体の知名度の高さもあり、経理未経験者~経理初心者が最初に取り組むのにおすすめの資格です。理由は以下の通りです。
- 経理の共通言語といえる簿記の用語理解が進む
- 多くの経理担当が関わる、財務諸表作成の流れを理解できる
簿記検定で有名なのは日商簿記検定です。特に日商簿記3級は、初心者向けの試験範囲となっています。簿記特有の用語やルールに慣れるまで少し時間はかかりますが、約3ヶ月程度の学習で合格可能な試験範囲です。
簿記は経理業務全般に活用できる資格ですが、特に財務分野の業務には前提知識として必須の資格と言えます。また、経理の転職求人の中には、簿記2級保有を必須としている企業もあるほど、資格自体が経理への適性の指標として評価されている資格です。この数年で、簿記3級・2級ともネット試験が行われるようになったことから、受験時期もある程度自由に選べるようになり、格段に受験しやすくなりました。
簿記3級~簿記1級は、試験科目や難易度に大きく違いがあり、1級は各科目で一定以上の点数が必要になります。2018年以降、簿記2級の試験範囲に連結会計が加わり試験範囲が広がったことから、合格率は回によってばらつきが大きくなってきました。
- 簿記3級(勉強期間:3ヶ月 合格率:約50%)商業簿記
- 簿記2級(勉強期間:6ヶ月 合格率:約30%)商業簿記および工業簿記
経理未経験者や初心者は、まず簿記3級、できれば簿記2級まで取得することで、基本的な簿記の知識を身につけ、経理としての活躍の幅を広げることができます。

例えば僕の働いているメーカー経理では、「簿記2級」取得が管理職昇格の要件の一つです。
簿記の勉強方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
>>【口コミ有】スタディングで簿記2級に合格!初心者でも短期間で合格できる方法を解説
ファイナンシャルプラニング技能検定(FP)
難易度 :3~6 (3~2級)
経理実務直結度 :7
学習期間 :2~3ヶ月(3級)、3~6ヶ月(2級)
ファイナンシャルプラニング技能検定は、簿記の次に学習するのにおすすめの資格です。理由は以下の通りです。
- お金に関する幅広い知識を身に着けることで、担当できる経理業務の幅が広がる
- 簿記とのダブルライセンスで経理処理の理解が深まり、突発的な事態にもスムーズに対応できる
FP試験は、日本FP協会およびきんざい(金融財政事情研究会)主催の検定があり、どちらかを選んで申し込むこととなります。FP2級を受験するにはFP3級を合格する必要がありますが、どちらで受講してもFP2級で再度、どちらの団体で受験するか選びなおすこともできます。
FP試験の学習内容は、経理業務のうち、特に資金繰りや税務申告の業務を行う際にベースの知識となります。
FP試験の試験範囲は以下の6分野に分かれており、学科・実技試験に分かれています。それぞれ6割以上の得点で合格となります。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理(保険等含む)
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
以上のように、FP試験の学習を通じて、年金・保険・投資・金利・税金 等、お金についての広い分野の知識を身に着けられ、そのことが経理業務での業務の幅を広げることにつながります。
試験学習は独学でも可能ですが、時間がない社会人は通信講座を受講し、スキマ時間で学習しながら効率的に合格するのがおすすめです。以下の別記事で、おすすめの学習教材や学習法等の詳細を解説しています。
※FP3級試験
>>【5千円以下】スタディングFP3級講座は最安でスキマ時間に受講できる(口コミ9選紹介)
※FP2級試験
>>【3万円以下】スタディングFP2級講座を活用してスキマ時間で合格する方法(口コミ7選紹介)!
>>【厳選】きんざい FP2級対策におすすめの問題集を徹底比較!
>>【FP2級合格者が紹介!】きんざいFP試験対策でおすすめテキストと使い方
MOS (Microsoft Office Specialist) (Excel)
難易度(10段階) :4
経理実務直結度 :10
学習期間 :2~3ヶ月
MOS(Excel)は、簿記と並んで経理未経験者~初心者に優先して取得をおすすめする資格です。
なぜなら、Excelは、あらゆる経理業務で活用する機会が多く、早々にスキルを磨く必要があるためです。また、Microsoft Officeの使い方を認定する公認資格であることから資格の知名度も高く、資格としての価値もあります。
経理業務全般に関わる資格ですが、特に経営管理系の、Excelでの資料作成や分析がメインとなる業務の効率化に活用できます。
Mosを取得することで、Excelの一般的な機能を使いこなせることが証明できるため、簿記と合わせれば経理としての就職や転職の際に有利になることがあります。また、Mos(Excel)試験の学習によって経理職には必須なExcelの操作について習熟できるため、業務の効率化にもつながります。
Mos試験は7割程度の点数を取ると合格と言われています。3ヶ月程度の学習で合格できますが、それによって得た知識はその後の業務で大きく活用できます。
また、ExcelについてはMos試験と合わせて、ショートカットキーの習得もおすすめします。Mos試験の学習によって得た知識をショートカットキーで効率的に運用できるからです。

経理では、システムからDLしたデータの加工・集計、社内報告資料の作成等、あらゆる業務でExcelを活用します。そのためExcelの作業スピードは業務スピードに直結します。
Mos試験対策のおすすめ教材については、Mos試験合格にはUdemyのエクセル兄さんExcel講座が最適!で解説しています。
その他のExcelの知識については、経理に必須!Excel効率アップの関数を紹介、および経理の時間短縮!Excelショートカットキー活用のコツを伝授を参照ください。
ビジネス会計検定
難易度(10段階):6 (2級)
経理実務直結度 :7
学習期間 :3~6ヶ月
ビジネス会計検定も、経理未経験者~経理初心者におすすめの資格です。
ビジネス会計検定は、会計の基礎的な知識と実務に必要なスキルを身につけるための資格であり、ビジネスの現場で実践的な会計スキルを身につけたい方に適しているからです。会計処理がメインの簿記検定の、試算表等の処理に苦手意識を持った方は、ビジネス会計検定で幅広く会計の学習を始めるという手もあります。
ビジネス会計検定は、全国の商工会議所を通じて受験することができます。試験内容は、会計基礎、簿記、財務諸表、財務分析などで構成されており、実務に必要な知識とスキルを幅広くカバーしています。
また、ビジネス会計検定は、ビジネスパーソンが抱える問題解決力を身につけることを目的としており、問題解決能力の高い人材を育成するための試験でもあります。
経理業務全般に役立つ資格ですが、試験範囲に財務分析も含む分、経理処理がメインの簿記検定よりも経営管理業務に向いている資格と言えます。ただし、経理部門へのアピールポイントとしては知名度が低いため、未経験から経理業務に転職する等の場合は、簿記を習得することをおすすめします。
ビジネス会計検定の学習方法については、【合格者が解説】ビジネス会計検定2級挑戦者必見!難易度と勉強法!を参照ください。

簿記とは違う視点で、財務諸表を「読む」基礎知識が身に付きます。
ビジネス会計検定については、【どっちがおすすめ?】簿記2級とビジネス会計検定2級の選ぶポイントを現役経理部員が比較でも詳細解説しています。
税法能力検定(消費税・法人税)
難易度(10段階):6 (2級)
経理実務直結度 :7
学習期間 :3~6ヶ月
税法能力検定のうち、最初は消費税法能力検定をおすすめします。なぜなら、経理として仕訳を切るにも、消費税の知識は必須だからです。
消費税法能力検定は、消費税を扱う職種や業種に従事している人にとって非常に役立つ資格といえます。なぜなら、消費税に関する法律や制度を理解し、その適用に関する基本的な知識を身につけることができるためです。これは、会計処理を行う際はもちろん、申告業務を行う際にも必須の知識となります。
消費税法能力検定は、公益社団法人全国経理教育協会(全経)が実施している消費税に関する資格です。消費税はビジネスにとって非常に重要な税金であり、今年度から適用されるインボイス制度も含め、税制改正も頻繁に行われるため、消費税に関する正確な知識を持っていることが求められます。
消費税法能力検定は、個別論点の問題、および簡易的な書式で消費税の申告計算を行う問題が出題されます。試験に向けて学習を行うことで、消費税の基礎的な知識から最新の制度までを網羅的に学ぶことができます。
特に財務会計での伝票処理業務、および税務申告業務での活用ができます。2023年10月から強制適用となるインボイス制度に対応するためにも、消費税の申告についての知識は不可欠です。
このように、消費税法能力検定は、消費税に関する基礎的な知識を身につけられる資格であり、消費税を扱う職種や業種に従事している人にとって役立つ資格と言えます。また、消費税は税率改定だけではなく、2023年度から始まるインボイス制度も含め、税制変更が頻繁に行われるため、消費税に関する知識を深めたい人にはおすすめの資格と言えます。

過去問をしっかり学習すれば、1級でも3ヶ月~半年程度で合格できる試験です。
いきなり1級受験も可能ですが、初心者向けの本と併用しましょう。
消費税法能力検定については、【合格者が解説!】消費税法能力検定1級の効率的勉強法を参照ください。
法人税法能力検定については、【1級合格者が解説】経理に役立つ法人税法1級勉強法を参照ください。
経理資格取得のための勉強方法とコツ

さて、取得したい資格の目標が見えてきたら、次に考えるべきは「どうやって勉強するか」ですよね。
やみくもに始めても、途中で挫折してしまっては元も子もありません。
ここでは、経理の資格取得というゴールに向かって、着実に、そして効率的に進むための勉強方法と、計画を立てる上でのコツをお伝えします。
あなたのライフスタイルや性格に合った方法を見つけることが、合格への一番の近道です。
- 独学での勉強方法
- 通学・通信講座の活用
- 勉強計画の立て方
自分に最適な学習スタイルを確立し、夢への第一歩を踏み出しましょう。
独学での勉強方法
独学は、自分のペースで学習を進められ、費用を最も安く抑えられるという大きなメリットがあります。
市販のテキストや問題集が充実している簿記検定などは、独学で合格を目指す方も少なくありません。
しかし、自分を律する強い意志と、計画的な学習管理能力が求められます。
独学のメリット:
- 費用が安い(教材費のみ)。
- 時間や場所に縛られず、好きな時に勉強できる。
- 自分の理解度に合わせて学習ペースを調整できる。
独学のデメリット:
- モチベーションの維持が難しい。
- 疑問点が出てきたときに、すぐに質問できる相手がいない。
- 法改正などの最新情報を見逃す可能性がある。
まずは市販のテキストを手に取ってみて、「これなら続けられそう」と感じるかどうかで判断するのも良い方法です。
通学、通信講座の活用
専門のスクールが提供する通学・通信講座は、合格への最短ルートを走りたい方に適した選択肢です。
経験豊富な講師陣が、試験のポイントを押さえた分かりやすい講義を提供してくれます。
費用は独学に比べて高くなりますが、その分、学習の質や効率は格段に上がると言えるでしょう。
特に、働きながら難関資格を目指す場合や、一人では学習を続ける自信がない場合には、強力なサポートとなります。
通学講座 | 通信講座 | |
メリット | ・講師に直接質問できる<br>・学習仲間と切磋琢磨できる<br>・学習リズムを強制的に作れる | ・時間や場所を選ばない<br>・講義を繰り返し視聴できる<br>・通学講座より費用が安い傾向 |
デメリット | ・費用が高い<br>・通学時間がかかる<br>・講義のスケジュールに合わせる必要がある | ・モチベーション維持が課題<br>・質問への回答に時間がかかる場合がある |
無料の体験講座などを利用して、自分に合った講座形式や講師を探してみることをお勧めします。
勉強計画の立て方
資格試験の合格というゴールにたどり着くためには、精巧な地図、つまり「勉強計画」が不可欠です。
無理な計画は挫折のもとですが、計画がなければ日々の学習に追われてしまいます。
まずは、試験日から逆算して、全体の学習期間と、1日あたりに確保できる勉強時間を現実的に見積もることから始めましょう。
計画立案のステップ:
- ゴール設定: 「〇月〇日の試験に合格する」という明確な目標を立てる。
- 情報収集: 合格に必要な総学習時間の目安や、試験範囲を把握する。
- タスクの洗い出し: テキストを読む、問題集を解く、過去問をやるなど、やるべきことを全てリストアップする。
- スケジューリング: 長期(月単位)、中期(週単位)、短期(日単位)でタスクを割り振る。
計画を継続するコツ:
- 予備日を設ける(急な予定が入っても調整できるように)。
- 小さな目標を立て、達成感を得る。
- 進捗を可視化する(カレンダーに印をつけるなど)。
計画はあくまで目安です。
進捗に合わせて柔軟に見直しながら、着実に前進していきましょう。
上位難関資格の概要

ここからは、働きながら取得するのはかなり難しく、少なくとも数年単位で時間を要する資格を参考に紹介します。合格する為には、資格学習を生活のメインに据える必要があるため、それなりの時間を投資できる環境の準備と心構えを持ったうえで学習を開始することをおすすめします。
ただ、難関である分、合格後に高収入を目指せる独立の可能性があり、目的によっては挑戦する価値のある資格です。
税理士試験
難易度(10段階) :10
経理実務直結度 :8
学習期間 :3年~
税理士は、税に関する専門家として、納税者に代わって税務申告を行ったり、税務相談に応じたりすることを独占業務とする国家資格です。
企業のタックスプランニングや個人の相続対策など、税務のスペシャリストとして社会に貢献できます。
科目合格制が採用されており、一度に全ての科目に合格する必要はなく、働きながら数年かけて合格を目指せるのが特徴です。
税理士という職種は、税金に関することはもちろん、企業の財務諸表の作成や監査、経営支援など、幅広い業務に対応する必要があります。税理士に必要な知識やスキルは非常に高く、税制や法律の改正にも常に対応しなければなりません。そのため、税理士試験は難易度が高く、合格率も低いのが特徴です。
税理士試験は、簿記・財務諸表論および税法3科目の計5科目を合格することで合格(官報合格)となります。
科目合格制が採用されており、一度に全ての科目に合格する必要はなく、働きながら数年かけて合格を目指せるのが特徴です。
- 必須科目: 簿記論、財務諸表論
- 選択科目: 所得税法、法人税法、相続税法、消費税法などから3科目を選択。
- キャリアパス:税理士事務所・会計事務所・一般企業の経理・財務部
税務という専門分野を極め、クライアントから深く信頼される専門家を目指したい方にとって、魅力的な資格です。科目の組み合わせ例は以下の通りです。
- 簿記論
- 財務諸表論
- 法人税または所得税(どちらかは必須)←ボリューム大
- 消費税または酒税(どちらか1科目のみ選択可能)
- 相続税・国税徴収法・固定資産税・住民税・事業税のいずれか
1度合格した科目の権利は生涯継続するため、例えば1年に1科目、というような戦略を取ることも可能です。また、特定の分野の大学院(修士課程)卒業による一部科目免除も存在します。
税理士は、高いスキルを持つ専門家として高い報酬を得ることができるため、多くの人々から尊敬される職業ともいえます。また、税理士法に基づいた許認可制度があるため、税理士が提供するサービスには一定の信頼性が求められます。
税理士試験受験におすすめ教材と活用方法については、【スキマ時間で合格!】スタディング活用法:税理士試験簿財科目合格のコツで解説しています。
公認会計士試験
難易度(10段階) :10
経理実務直結度 :9
学習期間 :3年~
公認会計士は、会計法や税法、会計監査の知識が求められる国家資格の一つです。公認会計士は、企業の財務諸表の監査や税務相談など、高度な専門知識が必要な業務に従事することができます。経理職にとどまらず、さらに高度な職種に就くことも可能です。
こちらの資格も、働きながら学習するのにはかなりの覚悟が必要です。理由は以下の通りです。
- 学生や、受験に専念している人がかなりの割合いるため、その人たちを上回る必要がある(相対評価)
- 一定期間内に全科目合格しないと、再度受験する必要が出てくる(論文式試験)
難易度が高い分、合格後のキャリアの選択肢は多いです。
主な業務: 監査証明業務、コンサルティング業務、税務業務など。
キャリアパスの例:
- 監査法人
- コンサルティングファーム
- 一般企業の経営幹部
- 独立開業
求められる資質: 高度な会計知識はもちろん、論理的思考力、倫理観、コミュニケーション能力が不可欠です。
企業の経営を根幹から支える、非常にやりがいの大きな仕事を目指すことができます。
公認会計士は、企業の財務諸表の監査や税務相談など、高度な専門知識が必要な業務に従事することができるため、高い専門性が求められます。
また、公認会計士は、経理職にとどまらず、経営幹部として企業の方向性を決定する場にも参加できます。公認会計士が企業の経営幹部に就く例も多く、資格取得後のキャリアアップの可能性も広がります。
会計士試験についての詳細は、公認会計士と税理士、あなたに合うのは?違いを解説!を参照ください。
米国公認会計士試験(USCPA)
難易度(10段階):8
実務直結度 :5(国内企業の場合)
学習期間 :1年~
米国公認会計士(USCPA)は、米国での公認会計士の資格であり、国際的に高い信頼性がある資格のひとつです。ただ、国内企業で勤める方の場合、知識の習得をメイン目的に据えることをおすすめします。
理由は以下の通りです。
- 受験資格証明および受験料が高額(日本で受験する場合、受験料は約7万円/科目×4科目)
- 資格取得の難易度の割に評価されない企業が多い(特に伝統的な日本企業)
- 国内企業では、知識を活用できる場面が限られる(英語+米国会計基準の知識が必要となる企業は別)
USCPAは、総合的な会計知識、監査、税務、ビジネス環境に関する能力を測定するためのものであり、合格難易度が高いことで知られています。以下の4科目を1年半以内に合格することが求められます(2023年度より一部変更)。
また、受験資格として会計系の科目の大学の単位を一定数履修していることが求められるため、経理や会計を学習してこなかった方は受験資格を満たすために追加の時間と費用がかかります。
- 財務会計(FAR(FinancialAccounting&Reporting))
- 企業経営環境・経営概念(BEC(BusinessEnvironment&Concepts))
- 諸法規(REG(Regulation))
- 監査および諸手続き(AUD(Auditing&Attestation))
米国公認会計士試験は、アメリカ公認会計士協会(AICPA)が実施しており、その難易度は比較的高く、合格率は約50%以下とされています。ただ、英語の試験という点を差し引くと、日本の会計士試験と比べると試験問題の難易度は低いです。
日本でも米国公認会計士を保有している人材は、外資系企業や大手コンサルティングファームなどで活躍しています。また、米国での公認会計士試験を受験し合格した日本人も少なくありません。彼らは、日米間のビジネスや金融取引において、その高い知識や能力を活かしています。

受験週ごとに受験のための単位要件が異なるため、よく調べてから出願しましょう。
業界特化型の経理資格

経理の知識は万能ですが、特定の業界では特化した知識が求められることがあります。ここでは、特定の業界に特化した経理資格について紹介します。
銀行業務検定試験
銀行業務検定試験は、銀行やその他の金融機関で働く上で必要となる実務知識や応用能力を測るための試験です。
財務、税務、法務など、非常に幅広い分野の試験が用意されており、経理担当者であれば「財務」や「税務」の科目が直接的に役立ちます。
金融業界特有の会計処理や法規制に関する知識を深めることができ、業界内でのキャリアアップや転職に有利に働く可能性があります。
- 経理に関連する主な試験種目: 財務2級・3級、税務2級・3級、法人ソリューション支援3級など。
- 取得のメリット:金融業界における経理の専門家としての信頼性/融資判断に関わる財務分析など、より高度な業務への理解。
金融機関で経理として働く、または目指す方にとっては、自身のスキルを証明する上で重要な資格となります。
建築業経理事務士検定/建築業経理士検定
建設業界は、工事の期間が長期にわたるため、「工事進行基準」や「工事完成基準」といった独自の会計処理が存在します。
建設業経理士検定(旧:建設業経理事務士検定)は、この特殊な会計ルールを正しく理解し、処理できる能力を証明する資格です。
この資格は、建設業者が公共工事の入札に参加する際に必要な「経営事項審査」において、企業の評価点を上げる要素となるため、業界内での需要が非常に高いのが特徴です。
級の構成とレベル:
- 4級・3級(事務士): 建設業経理の基本的な知識。
- 2級・1級(経理士): より専門的で実践的な知識。特に1級は評価が高い。
資格の重要性: 資格保有者がいることで会社の評価が上がるため、建設業界での就職・転職において強力なアピールポイントになります。
建設業界で経理として長く活躍したいと考えるなら、ぜひ取得しておきたい資格です。
社会福祉会計簿記検定試験
社会福祉法人やNPO法人は、営利企業とは異なる「社会福祉会計基準」という独自の会計ルールに基づいて経理処理を行う必要があります。
この社会福祉会計簿記認定試験は、その専門的な会計知識と実務能力を証明するための資格です。
福祉や介護といった社会貢献性の高い分野で、経理の専門家として貢献したいと考える方に適しています。
試験の対象: 社会福祉法人の会計担当者、NPO法人のスタッフ、公認会計士や税理士など。
学習内容:
- 社会福祉法人会計の基本的な仕組み
- 計算書類(資金収支計算書、事業活動計算書など)の作成
- 注記の作成や財産目録の理解
キャリア: 専門性が高いため、この分野での経験と資格を持つ人材は非常に貴重な存在となります。
社会を支える仕事に、経理という側面から関わりたい方におすすめです。
農業簿記検定
農業経営もまた、特有の勘定科目や会計処理が存在する専門分野です。
農業簿記検定は、日本農業法人協会が主催する、農業に特化した簿記の知識と技能を測るための検定です。
作物の育成や家畜の飼育に関わる原価計算など、一般的な商業簿記では学ばない知識を習得できます。
学習のメリット:
- 農業経営の状況を数字で正確に把握し、経営改善に役立てることができる。
- 農業法人への就職や、実家が農家で経営に携わる場合に知識を活かせる。
- 税務申告をスムーズに行うための基礎知識が身につく。
級の構成: 3級から1級まであり、段階的にスキルアップを目指せます。
農業の発展を会計面からサポートしたい、という志を持つ方にとって、非常に価値のある資格と言えるでしょう。
経理以外にも有用なスキル

経理のプロフェッショナルとして活躍するためには、会計や税務の専門知識だけでは不十分な場合があります。
実は、日々の業務を円滑に進め、あなたの価値をさらに高めるためには、一見経理とは関係なさそうに見える「ソフトスキル」が非常に重要になってくるのです。
この章では、経理担当者が身につけるべき、専門知識以外の重要なスキルについて解説します。
これらのスキルは、あなたの業務を効率化し、社内でのコミュニケーションを円滑にする潤滑油のような役割を果たしてくれます。
- コミュニケーション能力が経理にもたらす効果
- 分析力向上で経理業務を効率化
- 平易な言葉で説明するスキル
専門スキルとソフトスキル、この両輪をバランスよく育んでいきましょう。
コミュニケーション能力が経理にもたらす効果
「経理は一日中パソコンと向き合っている仕事」というイメージは、もはや過去のものです。
実際には、他部署の社員や経営層、場合によっては税理士や監査法人など、多くの人と連携しながら仕事を進める必要があります。
高いコミュニケーション能力は、円滑な業務遂行と、社内での信頼獲得に不可欠です。
- 経費精算のやり取り: 不備があった際に、相手を不快にさせずに修正を依頼する能力。
- 予算管理: 各部署の担当者と協力し、予算の実績や見通しについて分かりやすく説明する能力。
- 経営層への報告: 専門的な会計の内容を、専門外の人にも理解できるようにかみ砕いて伝える能力。
相手の立場を理解し、的確かつ丁寧に情報を伝える力は、あなたの評価を大きく高めるでしょう。
分析力向上で経理業務を効率化
日々の経理業務で扱う数字は、単なる記録ではありません。
それは、会社の経営状態を映し出す「鏡」であり、未来を予測するための貴重な「データ」の宝庫です。
数字の裏にある意味を読み解き、経営に役立つ情報を見つけ出す分析力は、これからの経理担当者に強く求められるスキルです。
分析力の活用例:
- コスト削減の提案: 勘定科目の内訳を詳細に分析し、無駄な経費がないかを発見・提言する。
- 売上データの分析: どの商品やサービスが収益に貢献しているかを分析し、営業戦略の立案に役立つ情報を提供する。
- 異常値の発見: 前月や前年同月との比較から異常な数値を見つけ出し、不正やミスの早期発見につなげる。
ただ数字を集計するだけでなく、その数字を「活かす」視点を持つことで、あなたの仕事はより創造的で価値のあるものに変わります。
平易な言葉で説明するスキル
経理は専門職であるため、つい専門用語で話してしまいがちです。これらの専門用語を平易な言葉で現場部門にに説明できるスキルがあれば、経理部員として重宝されます。
経理資格取得による経理キャリアの道
資格を取得したその先に、どのような未来が待っているのか。
それは、あなたがこれから航海に出る大海原の海図を手に入れるようなものです。
資格という武器を手にすることで、これまで見えなかったキャリアの選択肢が、いくつも目の前に現れるでしょう。
この章では、資格取得があなたの経理キャリアにどのような素晴らしい変化をもたらすのか、具体的な可能性を探っていきます。
- 資格取得がもたらすキャリアアップの可能性
- 資格があると転職市場で有利になる?
- 資格を活かした職場での活躍例
あなたの努力が、未来のあなた自身をどれだけ輝かせることになるか、一緒に見ていきましょう。
資格取得がもたらすキャリアアップの可能性
資格取得は、現在の職場であなたの評価を高め、キャリアアップを実現するための力強い追い風となります。
専門知識を身につけたことで、より責任のある、やりがいの大きな仕事を任される機会が増える可能性があります。
例えば、日々の伝票処理がメインだった方が、簿記2級を取得したことをきっかけに、月次決算の主担当を任されるようになる、といったケースは決して珍しくありません。
- 昇進・昇格: 専門性が評価され、主任や係長、さらには管理職への道が開けることがあります。
- 担当業務の拡大: 決算業務、税務申告、予算管理、資金繰りなど、より専門的で高度な業務に携われるようになります。
- 資格手当による給与アップ: 企業によっては、特定の資格保有者に対して月々の給与に手当が上乗せされる制度があります。
資格は、あなた自身の成長意欲を会社に示す、何よりの証となるのです。
資格があると転職市場で有利になる?
答えは、イエスと言えるでしょう。
特に経理未経験からの転職や、異業種へのキャリアチェンジを目指す場合、資格はあなたの知識と熱意を客観的に証明してくれる、最も分かりやすい指標となります。
多くの企業の募集要項に「日商簿記2級以上」といった記載があることからも、資格が選考の重要な判断材料になっていることがわかります。
- 書類選考の通過率向上: 多くの応募者の中から、採用担当者の目に留まりやすくなります。
- 面接でのアピール材料: 資格取得のために努力した過程を語ることで、計画性や継続力をアピールできます。
- より良い条件の企業への挑戦: 専門性の高い資格があれば、大手企業や上場企業など、これまで視野に入れていなかった企業への転職も可能になるかもしれません。
資格は、あなたが新しいステージへ挑戦するための、強力な推薦状の役割を果たしてくれます。
資格を活かした職場での活用例
資格で得た知識は、日々の業務の中で実践してこそ、真の価値を発揮します。
例えば、こんな場面であなたの活躍が期待できるでしょう。
- 業務改善の提案:MOSで学んだExcelスキルを活かし、手作業で行っていた集計作業を関数やマクロで自動化する。これにより、部署全体の作業時間を大幅に削減し、高く評価される。
- 後輩への指導:簿記の知識を活かして、経理部に新しく配属された後輩に、仕訳の基本や経費精算のルールを分かりやすく指導する。部署全体のレベルアップに貢献する。
- 経営分析レポートの作成:ビジネス会計検定で学んだ知識を使い、月次の業績データを分析。「どの分野のコストが増加傾向にあるか」などを分かりやすくグラフ化し、経営会議で報告する。
資格は、あなたを単なる「作業者」から、価値を生み出す「提案者」へと変貌させる力を持っています。
経理資格の取得は、単なる試験合格以上の意味を持ちます。キャリアの発展、転職市場での競争力の向上、そして日々の業務における専門性の発揮など、経理職における多面的な成長に貢献することでしょう。
(参考)リベ大 両学長が紹介しているお金の資格10選
リベ大両学長も「お金の資格完全解説」動画で、お金にまつわる10個の資格を紹介しています。
- FP
- 簿記
- ビジネス会計検定
- 証券外務員
- 証券アナリスト
- 宅建士
- 中小企業診断士
- 社会保険労務士
- 税理士
- 公認会計士
この動画の中でも、簿記3級、FP3級は全員取得をおすすめしていました。今回の記事で紹介していない証券アナリスト等の資格も紹介しているので、気になる方は参照ください。
経理資格を取得するためのサポート制度
資格取得を目指す決意を固めたとき、気になるのが学習にかかる費用や、仕事との両立ではないでしょうか。
幸いなことに、あなたの学習意欲を後押ししてくれる公的なサポート制度や、企業の支援体制が存在します。
これらの制度を賢く活用することで、経済的な負担を軽減し、より学習に集中できる環境を整えることが可能です。
あなたの挑戦を、社会全体が応援してくれているのです。
- 教育訓練給付制度
- 助成金や補助金の活用
- 企業のバックアップ体制
利用できる制度は積極的に活用し、夢の実現への道のりを少しでも軽やかにしましょう。
教育訓練給付制度
教育訓練給付制度は、働く人の主体的な能力開発の取り組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする、国(ハローワーク)の制度です。
厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を受講し修了した場合、受講費用の一部が支給されます。
簿記検定や税理士、U.S.CPAなど、多くの経理関連資格の対策講座が対象となっています。
制度の種類:
- 一般教育訓練給付: 受講費用の20%(上限10万円)が支給されます。
- 特定一般教育訓練給付: 受講費用の40%(上限20万円)が支給されます。
- 専門実践教育訓練給付: 受講費用の最大70%(年間上限56万円)が支給されます。
利用の注意点: 利用には雇用保険の加入期間など、一定の条件があります。まずはご自身が対象となるか、ハローワークで確認してみましょう。
これは国があなたのスキルアップを応援してくれる、非常に心強い制度です。
助成金や補助金の活用
国だけでなく、地方自治体によっては、地域住民の資格取得やスキルアップを支援するための独自の助成金・補助金制度を設けている場合があります。
例えば、「中小企業人材スキルアップ支援事業」といった名称で、従業員の資格取得にかかる費用の一部を自治体が補助してくれるケースなどです。
情報収集の方法:
- お住まいの市区町村のウェブサイトで「資格取得 補助金」などのキーワードで検索する。
- 自治体の産業振興課や労働政策課などに問い合わせてみる。
制度の例: 受験料の一部補助、資格取得奨励金の支給など、自治体によって支援内容は様々です。
お住まいの地域に、あなたの学びをサポートしてくれる制度がないか、一度調べてみる価値は十分にあります。
企業のバックアップ体制
社員のスキルアップは、会社の成長に直結します。
そのため、従業員の資格取得を積極的に支援する制度を設けている企業も増えています。
会社の制度をうまく活用できれば、費用負担を抑えながら、仕事へのモチベーションも高めることができるでしょう。
就職・転職活動の際には、こうした福利厚生が充実しているかも、企業選びの一つの重要な視点になります。
企業の支援制度の例:
- 資格取得奨励金(お祝い金): 合格すると一時金が支給される。
- 受験料・講座受講料の補助: 会社が費用の一部または全額を負担してくれる。
- 資格手当: 毎月の給与に手当が上乗せされる。
- 勉強時間の確保: 試験前に特別休暇を取得できる制度がある。
まずは、あなたの会社の就業規則や人事制度を確認してみることをお勧めします。
よくある質問
Q: 経理資格を取得するためには、スクールに通う必要がありますか?
A: スクールに通うことで、効率的な勉強方法やアドバイスを得られるなどのメリットがありますが、必ずしも通う必要はありません。自己学習での取得も可能です。ただし、自己学習では勉強の計画を立てたり、自己管理する能力が必要となります。僕は、忙しい社会人は、スクールを利用して最短で効率的に合格するのをおすすめします。
Q:簿記検定は何級まであるのですか?
A:1級から3級まであります。
目安として、主な出題内容は以下のようになっています。ただ、2級は連結決算が出題されるようになってから難化傾向があります。
- 1級:大企業の経理処理
- 2級:中小企業の経理処理
- 3級:個人事業主の経理処理
Q:経理資格を持っていると給料が上がるのでしょうか?
A:企業によっては資格取得手当が出るところもあります。また、経理の管理職昇進のために簿記2級が条件、という企業もありますので、長期的にみると給与アップに寄与します。短期的には転職により、給与のアップを狙う際のアピール材料にもなります。
Q:経理資格を持っていない人でもビジネス会計検定は受けられる?
A:ビジネス会計検定に経理資格の要件はありませんので、問題なく受験できます。簿記検定や、消費税法/法人税法能力検定も同様です。
まとめ:経理資格の取得でキャリアアップを図ろう
この記事では、経理資格について紹介した上で、僕がお勧めする経理資格5つについて、それぞれのメリットや取得方法、勉強費用、勉強時間の目安を解説しました。以下、重要なポイントをまとめます。
- 簿記検定:3級は初心者におすすめ。経理未経験の転職では2級が必須条件の場合有。1級は難関資格。
- ファイナンシャルプラニング技能検定(FP):お金の知識全般の他、FP業界での就職にも役立つ
- MOS(Excel):経理職の必須スキルであるExcel知識を網羅的に学習するのに最適。
- ビジネス会計検定:会計の基礎知識を広く学びたい人におすすめ
以上から、経理資格の取得は、専門のスキルアップにつながることがわかります。働きながらの資格取得には時間の制限があることから、自己流の勉強ではなく、スクールや書籍の活用で、効率的に資格取得に取り組んでみてはいかがでしょうか。
おすすめの資格取得順については、【未経験~経理担当必見】実務に役立つ経理資格取得のおすすめ優先順位を現役経理が紹介します!で解説しています。
この記事でご紹介した、特に経理未経験・初学者の方におすすめの資格を一覧にまとめました。
自分に合った資格を見つけるための参考にしてください。
資格名 | 特徴 | こんな人におすすめ |
日商簿記検定3級 | 経理の基礎知識。「共通言語」を学べる。 | まず何から始めるべきか迷っている方 |
日商簿記検定2級 | 実務レベルの知識証明。転職で有利に。 | 経理として本格的にキャリアを築きたい方 |
MOS | ExcelなどのPCスキルを証明。業務効率化に直結。 | PC操作に自信がなく、実務スキルを上げたい方 |
ビジネス会計検定 | 財務諸表を「読む力」「分析する力」を養う。 | 数字の裏側を理解し、経営に役立つ視点を持ちたい方 |
各資格の取得のためにおすすめする教材や学習方法については、別記事でまとめています。
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