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経理業務において、Excelは欠かせないツールです。ただ、毎日の大量の集計・分析作業に追われていると、ちょっとした作業の時間が積もって大きなロスになります。例えばExcelの作業について、このような点で悩んでいませんか。
- キーボード⇔マウスの往復が面倒
- よく使う関数の一回一回入力が大変
- セル間の移動に時間がかかる
実は、Excelにはあなたの経理業務での作業を格段に効率化するためのショートカットキーが満載です。想像してみてください。1つのキー操作で、普段何回もクリックしていた作業が一瞬で完了する瞬間を。
僕も、ショートカットキーを覚える前はすべての作業をマウスで行っていたことで、上司から「仕事が遅い」とよく注意を受けていました。そこで、Excelの書籍でショートカットキーを覚えることで、従来の仕事にかかる時間は格段に減少し、できる仕事量は格段に増えました。
時間は有限だからこそ、その貴重な時間をもっと有効に使いましょう。
本記事では、経理業務で特に役立つExcelのショートカットキーを厳選してご紹介します。この記事に記載のショートカットキーを習得することで、あなたの経理作業がもっとスムーズになるはずです。
ショートカットキーはスピードと正確性の両立に必要
経理業務におけるエクセルの効率的な使用は、業務のスピードや精度を飛躍的に向上させる鍵となります。エクセルのショートカットキーの習得は、その効率化をさらに進めるための最も簡単かつ効果的な手段です。理由は以下の通りです。
- 作業スピードの向上
- ミスの軽減が図れる
ショートカットキーの活用による作業スピードの向上
経理業務では大量の数字を取り扱うため、データ入力や集計の速度は業務の効率に直結します。ショートカットキーは、マウスを使用するよりも高速に作業を行うことができます。習得にはそれほど長い期間はかかりませんが、作業スピードの向上効果はずっと継続できます。
作業の所要時間短縮によるミスの軽減
ショートカットキーの使用により、誤って間違ったボタンをクリックするリスクが減少します。また、一連の作業を短縮して行うことで、見直しに時間を使えるようになり、操作の一貫性とミスを発見、是正することにより正確性が向上します。
経理業務は、正確性と効率性が求められます。エクセルはその業務をサポートする主要なツールであり、ショートカットキーはエクセルを最大限に活用する手段となります。しかも、習得に必要な時間に対して作業時間短縮効果は非常に大きく、ずっと使えるため、早く覚えるほど差が付きます。
経理のプロとして、ショートカットキーの活用は絶対的なスキルと言えます。
経理業務でよく使うショートカットキー27選
経理業務において、エクセルは非常に頻繁に使用されます。以下に、経理が日常的に役立てるエクセルのショートカットキーを厳選して列挙しました。
ショートカットキー | 機能 |
---|---|
Ctrl+C | コピー |
Ctrl+X | カット |
Ctrl+V | 貼り付け |
Alt+Ctrl+V | 形式を選択して貼り付け |
Ctrl+Z | 元に戻す |
Ctrl+P | 印刷プレビュー |
Ctrl+S | 上書き保存 |
Ctrl+F | 検索 |
Ctrl+H | 置き換え |
Ctrl+A | 全て選択 |
Ctrl+Shift++ | 新しい行を挿入 |
Shift+Space | 行を選択 |
Ctrl+Space | 列を選択 |
Ctrl+↑→↓← | セルの端に移動 |
Ctrl+”-“ | 行や列の削除 |
Ctrl+Shift+L | フィルターのオン/オフ |
F2 | セルの編集 |
F4 | 直前の操作の繰り返し |
Alt+Enter | セル内で改行 |
Alt+Tab | アクティブな画面の切り替え |
Alt+F4 | ファイルを閉じる |
Ctrl+Shift+1 | カンマを付ける |
Ctrl+P | 印刷 |
Ctrl+PageUp/Down | シート間を移動 |
Ctrl+T | タブを開く(Windows) |
Ctrl+W | タブを閉じる(Windows) |
Windowsキー+D | 開いているすべてのファイルの表示を最小化(Windows) |
これらのショートカットキーを覚えることで、経理の作業が効率的に、また迅速に行えるようになります。
僕自身の感覚では、1日に5回以上行う操作は、ショートカットキーを覚えた方が、今後の仕事を考えると効率的だと考えます。僕は、上記のショートカットキーのほとんどを1日に10回以上使うため、最初のころはPCの横に一覧表を貼って、一覧表を見ないでショートカットキーを押せるようになるまで使用し続けました。
間違えた操作を一瞬で戻せる「Ctrl + Z」は最初に覚えるべきです。
ショートカットキーの経理実務への活用例
僕が日々の業務でよく使うショートカットキーのための組み合わせ例を紹介します。
- Shift+Space⇒Ctrl+「+」:行の挿入
- Ctrl+C⇒Alt+Tab⇒Ctrl+Vセルの値をコピー:ファイル切り替え→貼り付け
- Shift+「→」⇒Shift+↓⇒Alt+P+R+S⇒Ctrl+P:印刷範囲設定して印刷プレビュー
ショートカットキーは、組み合わせ次第で他にもさまざまなことができます。自分の業務でよく使う作業を思い出して、どんなショートカットキーの組み合わせでその作業が短縮可能か考えてみてください。
組み合わせは、「知っているか、知らないか」です。
よく使う操作にショートカットキーがないか、試しに検索してみましょう。
クイックアクセスツールバーに機能追加でさらにスピードアップ
クイックアクセスツールバーは、Excelの上部に位置する小さなツールバーで、頻繁に使用するコマンドを簡単にアクセスするためのものです。ショートカットキーを補完する使い方を行うことで、作業短縮に貢献できます。
設定しておくと経理業務で特に役立つ使い方を、以下に列挙します。
機能 | 内容 |
---|---|
グループ化・解除 | 参照データの必要な部分のみを表示して見やすくする |
印刷プレビュー | 印刷する前に、印刷のレイアウトを確認が頻繁に必要となる |
シートの挿入 | 新しい月や四半期ごとに新しいシートを追加する |
データのフィルタリング | データの分析や確認の際に必要となる |
罫線の追加/削除ボタン | 表形式のデータが多く、その表に罫線を引いたり、不要な罫線を消したりする作業が頻繁に行われます |
セルの書式設定ボタンの追加 | 金額や日付の書式を設定する際 |
数式の挿入ボタン | さまざまな計算が必要になるため |
固定(フリーズ)ボタン | 大量のデータを扱う際、上部のヘッダーや左側のインデックスを固定しておく |
クイックアクセスツールバーは、各ユーザーの作業スタイルや頻繁に使用する機能に合わせてカスタマイズできるため、経理業務で特に役立つ機能を選んで追加することで、作業効率を大幅に向上させることが可能です。
「Alt+数字キー」に機能を設定してみましょう。僕は値貼付けやグループ化がおすすめです。
ショートカットキーの勉強におすすめの書籍:「外資系投資銀行のエクセル仕事術」
僕がショートカットキーの必要性を認識したのは、自分のエクセル作業の遅さを克服したいと考えた時に、「外資系投資銀行のエクセル仕事術」という書籍を読んでからです。著者は熊野整さんです。
投資銀行という、エクセル資料のアウトプット量が成果となる企業に勤めていた熊野整さんが、どのように作業を効率化していたかを知ったことで、まずショートカットを使いこなそうという気になりました。(さすがに著者のように、「F1を抜き取る」ようなことはしませんでしたが・・。)
- 作業を早くするショートカットキー
- ミスを防ぐためのエクセル表の作成ルール
- 複雑な表を作成するための手順
Excelを毎日のように使う方は、ショートカットキーを覚えることで、年間で丸1日分ほどの時間の節約ができるはずです。ぜひ一読して、使えそうなテクニックから実務に落とし込んでください。
主なショートカットキー一覧
上記に紹介した以外にも、ExcelのCtrlキーを用いたショートカットキーは非常に多数存在します。以下は、Excelでよく使われる一部のCtrlキーショートカットのリストです。特に太字としたショートカットは、僕の日常の業務でもなくてはならないショートカットキーとなっています。
Ctrlキーのショートカットキー一覧
上記と一部重複しますが、参考にCtrl関連のショートカットキーを紹介しておきます。
Ctrlショートカットキー | 機能 |
---|---|
Ctrl+A | 全選択 |
Ctrl+B | 太字 |
Ctrl+C | コピー |
Ctrl+D | 下にあるセルの内容を選択したセルにコピー |
Ctrl+E | フラッシュフィル |
Ctrl+F | 検索と置換 |
Ctrl+G | 移動 |
Ctrl+H | 置換 |
Ctrl+I | 斜体 |
Ctrl+J | 選択したセルを次のセルに分割 |
Ctrl+K | ハイパーリンクの挿入 |
Ctrl+L | テーブルの作成 |
Ctrl+M | 新しいワークシートを挿入 |
Ctrl+N | 新しいワークブックの作成 |
Ctrl+O | ファイルを開く |
Ctrl+P | 印刷 |
Ctrl+Q | クイック解析 |
Ctrl+R | 右にあるセルの内容を選択したセルにコピー |
Ctrl+S | 保存 |
Ctrl+T | テーブルの作成 |
Ctrl+U | 下線 |
Ctrl+V | 貼り付け |
Ctrl+W | ワークシートまたはワークブックを閉じる |
Ctrl+X | カット |
Ctrl+Y | 元に戻す操作のやり直し |
Ctrl+Z | 元に戻す |
Ctrl+S(上書き保存)は、押すことを習慣化しましょう。
Shiftキーのショートカットキー一覧
経理業務では、データ入力、集計、分析などの多岐にわたるタスクが行われます。このため、Excelの効率的な操作が求められることが多いです。以下は、Shiftキーを用いたショートカットの一部です。
Shiftショートカットキー | 機能 |
---|---|
Shift+Space | 現在の行を選択 |
Shift+Ctrl+Space | シート内の全セルを選択 |
Shift+Ctrl+K | 新しい行を挿入 |
Shift+Enter | 上のセルに移動 |
Shift+Tab | 左のセルに移動 |
Shift+Arrow (↑, ↓, ←, →) | 選択範囲を矢印の方向に拡大 |
Shift+Ctrl+Arrow (↑, ↓, ←, →) | データ範囲の端までセルを選択 |
Shift+Page Up | 画面分上のセルに移動 |
Shift+Page Down | 画面分下のセルに移動 |
Shift+Ctrl+Z | 名前の定義や範囲の名前の使用 |
Shift+F2 | 選択したセルにコメントを追加 |
Shift+F3 | 関数のウィザードを開く |
Shift+F8 | 矩形選択モード(連続していない複数のセルや範囲を選択) |
Shift+F11 | 新しいワークシートを挿入 |
上記のショートカットキーにも、上記の経理へのおすすめショートカットキー28選と同様、セルの範囲選択やデータ入力、関数の挿入など、経理業務でのExcel操作を効率化するためのショートカットキーが含まれています。ただし、具体的な業務内容や個人の作業スタイルによって、これらのショートカットの有用性は異なる場合があります。
ファンクションキー(Fキー)のショートカットキー一覧
ファンクションキー(Fキー)は、コンピュータのキーボード上部に並ぶF1からF12までのキーです。これらのキーは、多くのアプリケーションやシステムで特定の機能を実行するために使用されます。以下は一般的なファンクションキーの機能を列挙したものですが、使用しているアプリケーションや状況によって、その機能が変わることもあります。
ファンクションキー | 機能 |
---|---|
F1 | ヘルプを開く |
F2 | 選択したアイテムの名前を変更/セルを編集状態にする |
F3 | 検索機能を開く |
F4 | アドレスバーを開いたり、現在のウィンドウを閉じたりする |
F5 | ウェブページやドキュメントのリフレッシュや再読み込み |
F6 | 画面内の次のフレームやペインに移動 |
F7 | 一部のソフトウェアでスペルチェックや文法チェックを実行 |
F8 | コンピュータの起動時にセーフモードで起動する |
F9 | ドキュメントの更新を行う |
F10 | ウィンドウのメニューバーに焦点を移動する |
F11 | フルスクリーンモードのオン/オフを切り替える |
F12 | 一部のソフトウェアでは開発者向けのツールを開くために使用 |
これらの機能はアプリケーションやオペレーティングシステムによって異なることがあるので、具体的な使用シーンやソフトウェアに応じて適切な機能を確認することが重要です。
よくある質問
Q1. 経理業務で、Excelのショートカットキーを学ぶメリットは何ですか?
A1. Excelのショートカットキーを学ぶことで、経理業務の効率が大幅にアップします。数字を扱う作業が多い経理では、少しの操作の手間が積み重なり時間のロスとなるため、ショートカットキーでスムーズに操作できると作業時間の短縮やミスの防止につながります。
Q2. ショートカットキーの中で、経理初心者が最初に覚えるべきキー?
A2. 基本的なものとしては、「Ctrl + C」(コピー)、「Ctrl + V」(貼り付け)、「Ctrl + Z」(元に戻す)などの基本操作を覚えると良いでしょう。これらは経理業務だけでなく、Excel全般で頻繁に使用する操作です。
Q3. Excelのショートカットキーを効率的に覚える方法はありますか?
A3. 一度にすべてを覚えるのは難しいので、まずは日常の業務でよく使用する作業を置き換えられるキーから順番に覚えていくと良いでしょう。また、ショートカットキーのリストを印刷して、デスクの側に貼っておくなど、常に目に入るようにして繰り返し確認することで記憶を定着させることができます。僕も縮小コピーしたショートカット一覧を会社のPC画面の下に貼り、都度確認して覚えていきました。
Q4. ショートカットキーを間違えてしまったときの対処法は?
A4. 間違って操作をしてしまった場合、ほとんどの場合「Ctrl + Z」を使用することで、直前の操作を元に戻すことができます。これは何度でも繰り返すことが可能なので、何度も戻したい場合は連続して押してください。(Ctrl+Sで上書き保存した後は、元に戻りませんので注意してください。)
Q5. Excel以外のソフトでも、ショートカットキーは共通して使えるのですか?
A5. 多くのショートカットキーはMicrosoft Office全体、あるいはWindows全体で共通して使用できるものが多いです。しかし、特定のソフトウェア固有の機能に対応するショートカットキーも存在するため、全てが共通とは限りません。ただ、基本的なショートカットキーは他のソフトウェアでも役立つことが多いので、積極的に習得することをおすすめします。
まとめ
経理業務とExcelのショートカットキーは切っても切れない関係にあります。日々の業務の中で、経理担当者は無数の数字と向き合い、正確性を求められる一方で、スピードも求められます。この両立を実現するための鍵として、Excelのショートカットキーが存在します。
Excelは経理の頼りになるツールの一つで、ショートカットキーを駆使することで、複雑な操作もスムーズに、そして高速に行えます。データ入力、集計、分析といった一連の流れが一つのキー操作で実行可能となり、その効果は経理業務の効率化に大きく寄与します。
経理のプロとして、これらのショートカットキーは日常業務において欠かせないものとなります。習得すればするほど、日々の作業が劇的にスピードアップします。また、正確性も向上し、ミスのリスクを低減する助けとなります。
経理業務におけるExcelの使いこなしは、ショートカットキーの習得から始めるのが効果がすぐ実感できるのでおすすめです。その後に、関数やExcel全般の機能を学習し、自分の業務とあったものの練度を上げるのが効率的です。
エクセルの基礎を勉強するならば、Mos試験の学習するのが目標も立てやすく効率的です。おすすめの教材は以下の記事で解説しています。
>>【経理にExcelは必須】Mos試験合格にはUdemyのエクセル兄さんの講座が最適!
すでに実務でExcelを利用している人は、過去問を解いたうえで上記のようなMos試験対策の教材を補助的に使うと理解が深まり、実務にも活用できるはずです。
また、経理業務でよく使う関数については、以下の記事で解説しています。この記事に記載の関数を使いこなせれば、経理業務の効率化を図れます。