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「簿記2級に合格したいけれど、仕事と勉強の両立が難しい」「スキマ時間で効率的に学習する方法はないだろうか」──そんな悩みに、実体験からお答えします。
先に僕の失敗談から。簿記の学習を始めて1ヶ月後に受けた簿記3級の試験では、30点しか取れずに不合格でした。自分は簿記に向いていないと本気で思いました。しかしその後、専門学校の講義+「問題集をコツコツ学習→テキストで不足を補填」という方法に切り替え、約半年で簿記2級に合格。さらに簿記1級を取得したことで、東証プライム企業(当時は東証1部上場企業)2社から内定をいただき、以来18年間経理として働いています。
この記事でわかることは次の3点です。
- 簿記2級の全体像と合格に必要な勉強時間(250〜350時間)
- 働きながらでも続けられる学習戦略(商業簿記と工業簿記で戦い方を変える)
- スキマ時間の活用法と、試験本番で解く順番
結論から言うと、合格の鍵は「過去問でゴールを知り、逆算して勉強する」×「スキマ時間をインプットに充てる」の2つです。
日商簿記2級の基礎知識
日商簿記2級は、商業簿記(企業外部との取引の記録・計算)と工業簿記(企業内部の原価計算)の2科目で構成される試験です。多くの中小企業で経理担当者に求められるレベルであり、転職・キャリアアップに直結します。
合格率は20〜30%
合格率は受験回により変動しますが、おおよそ20〜30%程度で推移しています。CBT方式のほうが統一試験より合格率が高い傾向があります。決して簡単ではありませんが、きちんと対策をすれば合格できる試験です。
必要な勉強時間は250〜350時間
| 学習方法 | 勉強時間の目安 |
|---|---|
| 独学 | 300〜400時間 |
| 通信講座 | 250〜350時間 |
| 予備校 | 200〜300時間 |
※スタディング公式HPの目安をもとに作成
300時間となると、1日1.5時間勉強しても6ヶ月以上かかる計算です。経験上、6ヶ月以上モチベーションを保ち続けるのは、よほど必要に迫られていないと難しい。だからこそ、働きながら目指す方は学習期間をいかに短縮するかが勝負になります。
学習の基本方針──過去問でゴールを知り、逆算する
まず過去問を確認する
教材の1ページ目から積み上げ式に勉強すると、ゴールが見えずに挫折しやすくなります。合格=過去問レベルの問題で合格点(70点)が取れること。最初に過去問を見て、次の点を確認しましょう。
- 問題のページ数(商業簿記/工業簿記の配分)
- 解答形式・問題数の配分
- 解答を読んで意味がわかるか
ゴールから逆算して学習内容を決める──これが最大の効率化です。
過去問題集や予想問題集は市販でも手に入ります。ネットスクールは日商簿記の教材を書籍とWEB講座の両方で出しているので、公式ショップならテキストと問題集をまとめて選べます。
\テキストも問題集もまとめて/
働きながらなら通信講座の活用が近道
僕が働きながらの学習に専門学校の通信講座をおすすめする理由は3つです。
- 通勤中などのスキマ時間に講義視聴(インプット)ができる
- アウトプット教材が厳選されており、反復演習を効率的に行える
- 過去問を研究した教材により、独学より短期間で合格できる可能性が高い
市販の問題集でも合格は可能です。ただ、最初がわかりづらい簿記の学習を独学で継続できる人は多くないうえ、限られた時間を「教材選び」に使うより、問題演習に回すほうが効率的です。通信講座の詳細はスタディングで簿記2級に合格した方法にまとめています。
商業簿記の勉強法──「苦手を作らない」
商業簿記は、まず仕訳の徹底理解が出発点です。テキストで概念理解→仕訳練習→総合問題演習の順で進めます。
戦略の核は「苦手を作らない」こと。連結会計などの個別論点は難しいため、時間を使いすぎるのも、まったく手を付けないのも危険です。僕は1〜2週間に1回、自分の学習履歴を確認し、その期間に未着手の分野を次の2週間で優先的に消化するようにしていました。
苦手を作らなければ、試験本番で見たことのない問題が出たときに「捨て問かどうかを見極められる」ようになります。これが合否を分けます。
工業簿記の勉強法──「満点を取るつもり」で
工業簿記は、満点を取るつもりで学習する必要があります。特に総合原価計算は一連の計算がつながっているため、序盤で間違えるとその後が全部不正解になり得るからです。
学習の順序は、費目別計算→部門別計算→個別原価計算→総合原価計算。ポイントは「ボックス図を手を動かして書く」ことです。最初は解答を見ながらで構いません。書くことで原価計算の構成要素がわかり、問題文から必要な情報を効率的に抜き出せるようになります。
商業簿記より計算プロセスが複雑に見えますが、パターンを掴めば得点源にしやすい分野です。
スキマ時間の活用が働きながら合格の鍵
- 通勤中: 講義動画の視聴(インプット)
- 昼休み: 短時間の問題演習(アウトプット)
- 寝る前: その日の学習内容の復習
計算対策としては、毎日短時間でも電卓を叩いて指の動きをスムーズにすること、計算過程をメモする習慣、間違えた問題の解き直しが効きます。時間を計った演習で「1問あたりのスピード」も意識しましょう。
試験問題を解く順序
簿記2級は120分の時間との勝負です。自信を持って解ける問題から着手し、時間配分の余裕を作りましょう。
| おすすめの解答順序 | 理由 |
|---|---|
| 第3問(商業簿記) | 計算量が少なく仕訳知識で解けるため、短時間で得点しやすい |
| 第2問(商業簿記) | 個別論点が多いため、得意な論点から確実に得点する |
| 第4問・第5問(工業簿記) | 計算問題が多いため、集中力のあるうちに解いて配点を確保する |
| 第1問(商業簿記) | 基本的な仕訳問題。最後に落ち着いて解いてケアレスミスを防ぐ |
難しすぎる問題は深追いせず、潔く次へ進む判断も必要です。
学習を継続するコツ
- 目標の具体化: 「いつまでに合格するか」期日を切る
- 習慣化: 毎日10分でも学習時間を確保する
- 進捗の可視化: 学習時間・達成度を記録して成長を実感する
- 完璧主義を手放す: 全部理解しようとせず、まず全体像を把握する
焦りや不安を感じたら、他人ではなく過去の自分と比較すること。集中が切れたら短時間でも外に出て歩くと頭がすっきりします。
よくある質問(FAQ)
Q. 簿記2級の勉強で一番重要なポイントは?
「仕訳の徹底理解」と「過去問演習」の2つです。仕訳はすべての取引の出発点で、ここがあやふやだと応用問題で必ずつまずきます。過去問の反復で試験の傾向と時間配分を体に入れましょう。
Q. 3級を飛ばして2級から受けられますか?
受験資格はないため可能です。ただし簿記が初めてなら、3級の内容(仕訳の基礎)を先に固めたほうが結果的に近道です。僕自身、3級でつまずいた経験から言うと、基礎を飛ばすと2級の商業簿記で苦労します。
Q. 独学と通信講座、どちらがいいですか?
時間に余裕があれば独学でも合格可能です。ただ働きながら短期間で合格したいなら、スキマ時間でインプットできる通信講座が効率的です。費用を抑えたい方には、スキマ時間に講義を見られるスタディングが選択肢になります(受講料は改定されることがあるので、金額は公式サイトで確認してください)。
まとめ: 過去問逆算×スキマ時間で、働きながら一発合格へ
- 合格に必要な勉強時間は250〜350時間。6ヶ月以上の長期戦はモチベーション維持が難しいため、短縮の工夫が重要
- 最初に過去問でゴールを確認し、逆算して学習計画を立てる
- 商業簿記は「苦手を作らない」、工業簿記は「満点を取るつもり」で戦い方を変える
- 本番は解きやすい問題(第3問)から着手し、確実に70点を積み上げる
簿記2級は、経理としての思考のベースになる一生モノの資格です。今日、過去問を1回分眺めるところから始めてみてください。
あわせて読みたい: 挫折しない「簿記の勉強法」コツと注意点 / 簿記2級とビジネス会計検定2級、先に取るならどっち? / 簿記1級は税理士試験にどこまで通用する?
追伸
試験で切る仕訳と、実務で数字が合わないときに探す仕訳は、見る順番が少し違います。差異が2倍なら貸借を逆に切っている、9で割り切れるなら桁の入れ替え——現場で最初に当てる4つの型を、noteに書きました。
まだ2級を勉強中の方には先の話なので、合格してから読んでも遅くありません。