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「お金について勉強できる」資格となると、簿記やFPが思い浮かぶ方も多いと思います。ただ、FP試験は合格率が比較的高いことから、「役にたたない」と言われることも多いようです。実際、日本FP協会の2024年4~9月実績(CBT試験)では、FP3級の合格率は学科、実技とも80%を超えています。
- FP資格は金融業界以外では役に立たない?
- FPは取得者も多く独占業務がないから資格に価値がない?
- FPの知識は実務には使えない?
僕は、FP試験の勉強から得られる知識は非常に有用だと考えています。実際、経理業務、特に資金管理・税務管理業務において、FP試験の勉強で得られた知識の重要性を強く実感しており、FP3級に続き、FP2級まで取得しました。
この記事では、FP資格が「役に立たない」と言われる理由、そしてその誤解を解くための具体的な方法について掘り下げていきます。読者の皆様には、資格取得の意義を再評価し、自身のキャリアにどう生かすかについて、新たな視点を提供します。
読むことで、、FP資格の持つ真の価値と、それを活用する方法を理解できます。
FP資格が「役に立たない」と言われる主な理由
FPには独占業務がない
ファイナンシャルプランナー(FP)資格が「役に立たない」と言われる一つの大きな理由は、「独占業務がない」という点です。
ここで言う「独占業務」とは、その資格を持つ人だけが行える特定の仕事のことを指します。例えば、弁護士なら法律相談や裁判での代理、会計士なら監査業務などが独占業務です。しかし、FP資格にはこのような独占業務が存在しないため、資格を持っているからといって特定の仕事に就けるわけではありません。
たとえば、誰でもお金の相談や家計のアドバイスはできますが、FP資格を持っているからといって、それだけでお金に関する相談業務を独占することはできません。このため、資格を持っていても、他の人との差別化を図るのが難しいと言われます。
以上のように、FP資格が「役に立たない」と言われる原因の一つに、この独占業務の不在が挙げられます。
FPの専門性が低い
FP資格は、他の専門資格と比べて「専門性が低い」と言われることもあります。
FP資格は、お金に関する広範囲の知識をカバーしますが、どれも深く専門的なレベルまで掘り下げるわけではありません。このため、特定の分野での専門的な知識や技能が求められる場面では、FP資格だけでは対応が難しい場合があります。
例えば、税務の専門家である税理士や、保険の専門家である保険代理店と比較すると、FP資格保持者はこれら特定の分野において同じ深い知識や専門性を持つとは限りません。このため、FP資格があるとしても、これら特化した分野での競争では不利になる可能性があります。
したがって、FP資格が他の専門資格と比べて専門性が低いとされるのは、その広範囲ながら浅い知識範囲に原因があります。
FP試験が取得しやすい資格であること
FP資格は比較的取得しやすい資格と言われています。
FP資格の試験は、他の専門資格に比べて合格率が高く、試験範囲も比較的広く浅い内容です。このため、試験勉強にそれほど多くの時間を割かなくても合格することが可能です。
- (簿記と比べると)特有の専門用語が少ない
- 合格率が比較的高い
例えば、国家資格である税理士試験や公認会計士試験は非常に難易度が高く、合格するためには長期間の専門的な学習が必要です。しかし、FP資格は比較的短期間の学習で合格可能であり、そのため「誰でも取れる資格」という印象が強まっています。
このように、FP資格が比較的取得しやすいことは、その価値を低く見られがちな理由の一つです。
FP資格が提供する価値は金融知識
金融知識の習得
FP資格は、個人の資産管理や金融計画において非常に有用な金融知識を提供します。この資格を取得する過程で、投資、保険、税金、年金など、お金に関わる幅広いトピックについて学びます。これにより、個人的な資産管理や将来の財務計画を立てる際に役立つ知識が身につきます。
たとえば、ある家庭が住宅ローンを組む場合、どのローンが最も適しているかを理解するのにFPの知識が役立ちます。また、退職後の生活資金をどのように計画するか、どの保険が家族にとって最適かなど、具体的な決定を下す際にも有用です。
したがって、金融知識の習得は、FP資格が提供する大きな価値の一つです。
FP3級はお金に関する広い知識が得られる「取りやすく」「役に立つ」資格です
キャリア構築における利点
FP資格は、特に金融関連の職種においてキャリア構築のための重要なステップとなり得ます。金融業界では、FP資格が広範な金融知識の証明として認識されています。そのため、資格を持っていることで、金融関連の職に就く際や昇進を目指す際に有利になります。
例えば、銀行や保険会社で働く際、FP資格を持っていると顧客からの信頼を得やすくなり、より複雑な金融商品の販売や資産運用のアドバイスが可能になります。これは、キャリアの向上や収入アップに直結することがあります。
従って、キャリア構築においてFP資格は大きな利点を提供します。
自己啓発としての価値
FP資格は、個人的な金融リテラシーを向上させるための強力なツールとなります。その理由は、金融リテラシーとは、お金に関する知識や判断力のことを指し、日常生活での意思決定において非常に重要だからです。FP資格を通じてこのリテラシーが高まると、より賢明な金融判断が可能になります。
例えば、投資を始める際に、どのような投資がリスクとリターンのバランスに適しているかを理解することができます。また、日々の消費や節約に関する知識も深まり、賢いお金の使い方ができるようになります。
このように、FP資格は自己啓発の手段としても大いに価値があります。
FP資格のメリットについては、FP資格のメリットを徹底解説!知らなきゃ損でも解説しています。
FP資格を活用する方法は学習×実務経験
継続学習
FP資格取得後の継続学習は、専門知識を拡張し、資格の価値を最大限に活かす鍵です。というのも、資格取得はゴールではなく、学びのスタート地点だからです。金融市場は常に変化しているため、最新の情報や知識を常に更新することが重要になります。
たとえば、新しい税制の変更や新しい投資商品の登場について学ぶことで、顧客に対して最新かつ適切なアドバイスを提供できるようになります。また、定期的に開催されるセミナーや研修に参加することで、業界のトレンドや新しい知見を得ることができます。
このように継続学習は、FP資格を持つ者にとって、知識を更新し、専門性を深めるために不可欠です。
FP試験は広い知識を得られるため、各分野の学習の入り口になります
実務経験の積み重ね
実務経験の積み重ねは、FP資格を実際の職場で活かすために非常に重要です。理由として、資格だけでは、実際の顧客の問題を解決するための実践的なスキルや経験は得られないためです。実際の職場での経験を通じて、理論を実践に落とし込み、顧客に対して具体的かつ有効なアドバイスを提供できるようになります。
例えば、保険会社や銀行での勤務経験を積むことで、様々な顧客の資産管理やライフプランニングに関する実際の案件に取り組む機会が増え、理論だけでは学べない現場のノウハウが身につきます。
- 資金管理
- 投資管理(固定資産等)
- 税務管理
したがって、実務経験の積み重ねは、FP資格を実際の職場で生かすために欠かせない要素です。
関連資格との併用
FP資格と他の資格の併用は、より専門的なキャリア構築のための有効な戦略です。
理由は、FP資格だけではカバーできない専門分野が多く存在するからです。他の資格を併用することで、これらの専門分野での知識やスキルを補完し、より幅広いキャリアの機会を得ることができます。
たとえば、税務や不動産の資格を持つことで、FP資格と組み合わせでより専門的なアドバイスを提供できるようになります。これにより、顧客からの信頼や専門性が高まり、キャリアの幅が広がります。
- FP+簿記→お金の専門家
- FP+宅建→不動産の専門家
- FP×税法能力検定→税金の専門家
従って、関連資格との併用は、FP資格をより効果的に活用し、キャリアを発展させるための重要な手段です。
簿記とFPの取得については、【簿記1級・FP2級保有の経理部員が解説】簿記とFPの比較:どちらが必要か?の記事で紹介しています。
FP資格に関する一般的な認識と実際の価値
FP資格に関する一般的な誤解と実際の価値のバランス
FP資格に関する一般的な誤解と、その実際の価値との間には重要なバランスが存在します。
一般に、FP資格は「役に立たない」「専門性が低い」という誤解を受けがちですが、これは資格の実際の価値を十分に理解していないことによるものです。実際には、FP資格は金融知識の基礎を提供し、個人的な資産管理やキャリア構築に役立つ知識とスキルを持つことができます。
- 幅広い金融知識の基礎が得られる
- 仕事、実生活の両方で役立つ知識
たとえば、FP資格を持っている人は、家計の管理や投資計画の策定において、資格がない人よりも優れた判断を下すことができます。また、金融関連の職種においては、FP資格が専門知識の証明として有効に働くこともあります。
このように、FP資格に関する一般的な誤解と、その実際の価値を正しく理解することが重要です。
FP資格に関して持つべき現実的な期待とその活用方法
読者は、FP資格に対して現実的な期待を持ち、それを効果的に活用する方法を理解する必要があります。
なぜならFP資格は万能ではなく、その価値はどのように活用するかによって異なるからです。現実的な期待を持つことで、資格の取得と活用をより戦略的に進めることができます。
例えば、FP資格を活用して、個人の財務計画のコンサルティングを行うことができます。また、関連する他の資格を取得し、FP資格と組み合わせることで、専門性を高めることもできます。
このように、読者は、FP資格に対して現実的な期待を持ち、資格の活用方法を適切に理解することが大切です。
FP資格は、他のスキルと組み合わせることで効果を発揮する資格です
まとめ
ファイナンシャルプランナー(FP)資格が「役に立たない」とされることは、一部の誤解や不完全な情報に基づく場合が多いです。実際、FP資格は金融知識の基礎を提供し、個人の資産管理やキャリア構築に役立ちます。特に、経理のプロにとっては、財務計画の策定や資金繰り等のリスク管理に関する知識が活かせる重要な資格です。
しかし、この資格は独占業務がなく、専門性も比較的低いため、実務経験や継続学習、関連資格との組み合わせが重要です。FP資格を活用するためには、現実的な期待を持ち、資格の価値を最大限に引き出す方法を探求することが必要です。
FP資格取得を考えている方は、まずは資格の内容をよく理解し、自身のキャリアプランにどのように組み込めるか検討してみましょう。
重要なポイントは以下の通りです。
- 金融知識の基礎提供: FP資格は個人の資産管理やキャリア構築に役立つ。
- 実務経験と継続学習が重要: 独占業務がなく、専門性が比較的低いため。
- 関連資格との組み合わせ: より専門的なキャリア構築に有効。
- 現実的な期待と計画的な活用: 資格の価値を最大限に引き出すために必要。
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