【簿記3級不合格】簿記に向いていない人の5つの共通点とは?挫折しないための逆転合格戦略

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【簿記3級不合格】簿記に向いていない人の5つの共通点とは?挫折しないための逆転合格戦略

簿記の学習を始めたものの、「自分には向かない」と感じた経験をお持ちの方々へ、簿記は専門的な用語やルールが多くあるため、特に学習を始めたころ、苦手に感じるのはよくわかります。

  • 簿記3級の勉強を始めたけど仕訳やルールが難しすぎる
  • 過去問をやってみても全然解けない
  • 「簿記3級は簡単」のようなネットの声があるのにそう感じない

しかし、向かないと感じるからこそ、その壁を克服し、新たな道を切り拓くことができるかもしれません。この記事では、簿記を克服するための具体的なステップと方法について考えてみましょう。

僕自身、簿記を初めて学んで最初の簿記検定では合格点の半分も取れず不合格となり、「向いていない」と感じていました。

簿記3級の不合格後、問題演習→テキストをできる限り早く復習を繰り返すことで、その1年後に簿記2級まで取得できました。のちに簿記1級を取得した上で、大手メーカーに経理として就職し、すでに経理歴は16年以上です。経理としても、学生時代に取得した簿記の知識は業務での基本となっています。

この記事では、簿記が苦手な人々が克服するために必要な要点に焦点を当てます。具体的には、基本的なスキルの習得、学習計画の立て方、勉強のコツ、モチベーションの維持方法などについて詳しく説明します。記事を読むことで、簿記を克服するための実用的なアドバイスを得ることができます。

簿記3級の勉強を始めた当初、簿記が向かないと感じたとしても、初めての勉強なので、できなくて当然です。この記事が、あなたの簿記の壁を克服し、新たなキャリアの扉を開く一助となれば幸いです。向かないと感じるものを習得することで、成長することができるのです。

簿記の基本を押さえよう!

簿記は財務情報を管理し、経済活動を追跡するための不可欠なツールです。この記事では、簿記の基本についてわかりやすく説明します。知識がない初心者でも、簿記の世界に足を踏み入れる準備ができるでしょう。

簿記については、簿記とは何?スキルアップへの第一歩で詳しく解説しています。

簿記の基礎知識

簿記とは、ひと言で言えば「会社のお金の流れを記録するための技術」です。これは、企業の日々の経済活動を帳簿に記録し、整理することを指します。

その最終的な目的は、企業の経営成績や財政状態を明らかにするための「決算書(財務諸表)」を作成することにあります。まるで、会社の健康診断書を作成するようなものだとイメージすると分かりやすいかもしれません。

簿記の基礎を理解するためには、まず重要な用語を知ることから始めましょう。

  • 資産: 会社や個人が所有する財産、現金、車両、不動産などの価値があるものです。
  • 負債: 資産に対する借金や債務のことで、他人に返済しなければならない金額です。
  • 収入: 商品やサービスの売上、投資の利益など、お金を受け取ることを意味します。
  • 費用: 事業や個人の運営にかかる経費や支出です。

最も基本的な区分ですが、簿記には独自のルールがあり、まずは言葉になじむことから始めるのが重要です。

これらのうち、資産および負債を表記するのが貸借対照表です。

簿記を学ぶことで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 企業の財政状態の把握: 会社の財産や借金がどれくらいあるのかが分かります。
  • 経営成績の理解: 一定期間にどれだけ儲けたか、あるいは損したかが明確になります。
  • ビジネスの共通言語: 職種を問わず、ビジネスの世界で広く使われる共通の知識が身につきます。

簿記は、単なる数字の記録ではなく、企業の活動を映し出す鏡のような存在なのです。

簿記で学ぶこと

簿記を学ぶと、経済的な出来事を正確に記録し、財務の健全性を確保する手助けができます。以下に、初心者向けの簿記の基本を説明します。

  • 複式簿記:すべての取引には借方と貸方があり、バランスを取る必要があります。たとえば、現金を銀行に預ける場合、現金(借方)が減少し、銀行預金(貸方)が増加します。
  • 勘定科目: 取引を記録するためのアカウントで、資産、負債、収入、費用などのカテゴリーに分けられます。たとえば、現金アカウント、売上アカウント、給与費用アカウントなどがあります。
  • 仕訳帳と元帳: 取引を記録するための手法で、仕訳帳は取引の要約を提供し、元帳は各アカウントの詳細を示します。
  • 財務諸表: 簿記の情報は、財務諸表としてまとめられます。主要な財務諸表には、貸借対照表と損益計算書が含まれます。これらの諸表は財政状況と経営成績を示すために使用されます。

簿記の学習は、最終的に決算書を作成するまでの一連の手続きを学ぶことから成り立っています。この一連の流れは「簿記一巡の手続き」と呼ばれ、主に以下のステップで構成されています。

  • 仕訳(しわけ):
    日々の取引を「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」という左右の箱に振り分ける作業です。全ての取引が、この仕訳から始まります。
  • 総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)への転記:
    仕訳した内容を、勘定科目ごとに集計するノートに書き写します。これにより、例えば「現金」や「売上」といった項目ごとの増減が一目で分かるようになります。
  • 試算表(しさんひょう)の作成:
    転記が正しく行われているかを確認するための一覧表を作成します。ここで左右の合計金額が一致すれば、計算が合っていることの証明になります。
  • 決算整理仕訳(けっさんせいりしわけ):
    期末に、帳簿の数字を現状に合わせて修正するための特別な仕訳を行います。
  • 決算書(財務諸表)の作成:
    最後に、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)といった会社の成績表を完成させます。

これらの手続きを一つひとつマスターしていくことが、簿記学習の道筋となります。最初は複雑に感じるかもしれませんが、一つ一つの作業はパズルのピースのようなものです。

簿記の基本は、誰でも学ぶことができます。難しい用語や概念に立ち向かう際には、たとえ話や具体的な例を活用し、簿記の理解を深めていきましょう。簿記はお金の流れを把握し、賢い経済的判断を下すのに役立つスキルです。そして、このスキルはどんな分野でも役立つものです。

簿記に向いている人の特徴とは?

簿記は財務情報を記録し、分析する重要なスキルですが、誰に向いているのでしょうか?以下では、簿記に向いている人の特徴について説明します。

論理的思考力がある人

簿記は論理的思考が必要なスキルです。なぜなら、すべての取引を正確に記録し、バランスをとる必要があるからです。例えば、あるアカウントからお金を引き出すと、別のアカウントでお金を受け取る必要があります。論理的思考力がある人は、このようなプロセスを迅速かつ正確に実行できます。

  • 因果関係を捉えるのが得意: 「なぜこの勘定科目が増えるのか」「その結果どの勘定科目が減るのか」を自然に考えられる人。
  • パズルを解くのが好き: 借方と貸方の金額を一致させるプロセスを、パズルを解くように楽しめる人
  • 物事を体系的に理解しようとする: 個々の仕訳だけでなく、それが財務諸表全体にどう影響するのか、大きな視点で捉えようとする人

といっても、AならばB、のような、順番に物事を理解できれば十分です。

細部に注意を払える人

簿記の世界では、1円の誤差も許されません。数字や日付の誤りが財務情報に大きな影響を及ぼすことがあります。したがって、細部に注意を払える人は、簿記のミスを最小限に抑えるのに適しています。特に試験では、1円単位で金額を合わせる必要があるため、細部への注意は必須です。

  • 数字のチェックが得意: 帳簿の数字や計算結果を丁寧に確認し、間違いを見つけるのが苦にならない人。
  • 丁寧な作業を心がけられる: 勘定科目や金額の記入を正確に行い、後から見返しても分かりやすい記録を残せる人。
  • まめに家計簿をつけられる: 日々のお金の出入りを記録する習慣がある人は、そのスキルをそのまま簿記学習に活かせます。

体系的な学習が得意な人

簿記は、仕訳、転記、試算表、決算書といった一連の流れ(簿記一巡の手続き)で成り立っています。個々の論点をバラバラに覚えるのではなく、全体像を把握し、それぞれの論点がどの部分に位置するのかを理解することが重要です。

そのため、物事を体系的に捉え、知識を整理しながら学習を進めるのが得意な人は、簿記の理解が深まりやすいでしょう。
以下のような学習スタイルの方は、簿記に向いていると考えられます。

  • 目次や全体像から学習を始める人: まず教科書の目次を読み込み、学習内容の全体像を掴んでから詳細に入るタイプ。
  • 知識を関連付けて覚えるのが得意な人: 新しい勘定科目が出てきたときに、すでにある知識(資産・負債など)と結びつけて理解しようとする人。
  • 自分でノートや図を作成して整理する人: 学習した内容を自分なりにまとめ、知識の地図を作るのが好きな人。

このような学習法は、複雑に見える簿記の知識を、整理された引き出しに収める手助けとなるでしょう。

ルールに基づいて作業を進めることができる人

簿記には、「会計基準」という明確なルールが存在します。このルールに則って、すべての同一の取引は同じ基準で記録・処理することが求められます(継続性の原則)。

したがって、決められたルールやマニュアルに従って、着実に作業を進めることができる人は、簿記学習において強みを発揮するでしょう。
以下のような特徴を持つ人は、簿記の適性があると言えます。

  • 規則や手順を守ることが得意な人: 決められた手順を基本に忠実に作業できる人。
  • マニュアル化された作業が苦にならない人: 繰り返し同じルールを適用する作業にも、正確性を保ちながら取り組める人。
  • 法律や語学の学習経験がある人: 法律の条文解釈や、英文法のルールのように、決められた枠組みの中で思考することに慣れている人。

簿記のルールは、企業の経済活動を公平に映し出すための羅針盤のようなものです。その羅針盤を正しく使いこなせる能力が、簿記学習では非常に重要になります。

持続的に勉強できる人

簿記のスキルは、一朝一夕で身につくものではありません。特に初学者のうちは、簿記特有の新しい概念や専門用語に戸惑うことも多いでしょう。そのため、すぐに結果が出なくても諦めずに、コツコツと学習を続けることができる持続力は、簿記をマスターする上で最も重要な資質の一つと言えるかもしれません。

以下のような人は、簿記学習の長い道のりを乗り越えられる可能性が高いです。

  • 目標達成のために努力を継続できる人: 例えば資格取得という明確なゴールに向かって、日々の学習を積み重ねられる人。
  • 小さな成功体験をモチベーションに変えられる人: 昨日分からなかった問題が今日解けた、といった小さな喜びを力に変えて前進できる人。
  • 語学学習のように根気強く取り組める人: 単語や文法を覚えるように、勘定科目や仕訳のルールを地道にインプットし続けられる人。

簿記の学習は、まさに「継続は力なり」を体現するプロセスです。粘り強く取り組む姿勢こそが、合格への一番の近道となるでしょう。

クロマル
クロマル

簿記に必要なのは先天的な能力ではありません。時間をかければ身に着けられるスキルです

簿記が苦手な人の共通点とは?

簿記が苦手な人にはいくつか共通した特徴があります。以下では、その共通点について説明します。

数学や計算が苦手な人

「簿記は数字を扱うから、数学が苦手だと向いていない」と思われがちです。しかし、実際の簿記で求められる計算は、四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)が中心で、高度な数学の知識は必要ありません。

むしろ、問題なのは計算能力そのものよりも「数字に対する苦手意識」です。

  • 数字を見るだけで嫌悪感を抱いてしまう:
    数字が並んでいるだけで、内容を理解する前に思考が停止してしまう傾向があります。
  • 計算ミスが多いという思い込み:
    過去の経験から「自分は計算が苦手だ」と思い込み、自信を失っている状態。
  • 電卓の使用に慣れていない:
    簿記試験では電卓の使用が認められていますが、その操作自体に不慣れで時間を要してしまう。

大切なのは、簿記は数学ではなく「算数」の世界に近いと理解することです。
電卓という強力な味方を使いこなし、まずは数字に慣れることから始めましょう。

単調な作業が苦痛な人

簿記の学習、特に初期段階では、仕訳の練習問題を繰り返し解くといった反復作業が多くなります。この地道な作業が、簿記の基礎体力を養う上で非常に重要です。

しかし、変化や刺激を求めるタイプの人にとっては、こうした単調な作業が苦痛に感じられ、モチベーションの低下につながることがあります。

  • 同じことの繰り返しに飽きてしまう:
    仕訳のパターンを覚えるための反復練習に、意味を見出せず飽きてしまう。
  • すぐに新しいことを学びたがる:
    基礎が固まる前に、次々と新しい論点に進みたがり、結果的に知識が定着しない。
  • クリエイティブな作業を好む:
    決められたルールに沿って作業するよりも、自分で何かを生み出す活動に喜びを感じるタイプ。

対策としては、ゲーム感覚でタイムを計ったり、異なる問題集でバリエーションをつけたりと、単調な作業の中に楽しみを見出す工夫が有効です。

簡単にあきらめてしまう人

簿記の学習では、新しい勘定科目や複雑な処理方法など、理解に時間がかかる壁に何度もぶつかります。その壁に直面したとき、「自分には無理だ」とすぐにあきらめてしまう人は、学習を継続することが難しくなります。

特に、独学で学習している場合、疑問点をすぐに解決できずに挫折してしまうケースが多く見られます。

  • 完璧主義の傾向がある:
    一度で完璧に理解できないと、先に進めなくなり、そこで学習がストップしてしまう。[10]
  • 分からないことを放置してしまう:
    疑問点をそのままにして先に進み、後でさらに大きな壁にぶつかってしまう。
  • モチベーションが長続きしない:
    学習を始めた当初の意欲が、少しのつまずきで急激に低下してしまう。[10]

簿記学習はマラソンのようなものです。
完璧を目指さず、まずは全体像を掴むことを意識し、分からないことは後で戻ってくれば良い、というくらいの気持ちで進めることが大切です。

抽象的な概念に抵抗がある人

簿記では、「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」といった、目に見えない抽象的な概念を用いて取引を記録します。これらの概念を正しく理解し、具体的な取引に当てはめていく作業に、難しさを感じる人がいます。

特に、日常生活では馴染みのない勘定科目(例:繰延資産、引当金など)が登場すると、混乱してしまうことがあります。

  • 言葉の定義を覚えるのが苦手:
    勘定科目の名前と、それが意味する内容を結びつけるのに苦労する。
  • 具体例がないとイメージできない:
    抽象的な説明だけでは理解が難しく、具体的な取引の場面を想像できない。
  • なぜそうなるのか、理由が分からないと納得できない:
    「売上原価」のような、目に見えない費用の概念を直感的に理解しにくい。[14]

このような場合は、図解身近な例え話を使ってくれる教材を選んだり、日常の買い物を仕訳に置き換えて考えてみたりするなど、抽象的な概念を具体的なイメージに変換する工夫が効果的です。

自分で学習計画が立てられない人

簿記検定は、出題範囲が広く、合格までには一定の学習時間が必要です。そのため、ゴールから逆算して、いつまでに何をどのくらい勉強するのか、という学習計画を立てることが非常に重要になります。

しかし、計画を立てるのが苦手で、行き当たりばったりで学習を進めてしまうと、試験日までに範囲を終えられない、知識が定着しない、などとなる可能性があります。

  • 目標設定が曖昧:
    「いつか簿記3級に合格したい」という漠然とした目標しかなく、具体的な行動計画がない。
  • 学習の優先順位がつけられない:
    どの論点が重要で、どこに時間をかけるべきかが分からず、非効率な学習になりがち。
  • 進捗管理ができない:
    計画通りに進んでいるか、遅れているかを把握できず、軌道修正ができない。

もし自分で計画を立てるのが難しいと感じる場合は、資格予備校のカリキュラムを利用したり、学習管理アプリを活用したりするのも一つの有効な手段です。

以上のような点に当てはまり、簿記が苦手と感じる人でも、諦めることはありません。反復練習を通じて、簿記のスキルを向上させることができます。専門用語や難しい概念に立ち向かう際には、具体例を活用し、理解を深めていくことが大切です。簿記は学び続ける価値のあるスキルであり、克服すれば財務管理の能力が向上します。

簿記が向いている人簿記が苦手な人
思考スタイル論理的思考抽象的な概念に抵抗
細部へのこだわり細部に注意が払える単純作業が苦手
計画性体系的な学習が得意学習計画を立てるのが苦手
持続性継続が得意あきらめやすい
規則性ルールに沿って進める数字や計算が苦手

簿記初心者が陥りやすい落とし穴とは?

簿記を学ぶ初心者にとって、いくつかの落とし穴が待ち構えています。

  • 勉強方法の誤解
  • 会計基準や原則の覚え間違い
  • 実務と勉強の乖離による混乱

これらの落とし穴を知り、避けることが成功への第一歩です。以下では、簿記初心者が陥りやすい落とし穴について説明します。

勉強方法の誤解

多くの初心者が陥る最大の落とし穴は、「簿記は暗記科目だ」という誤解です。もちろん、勘定科目や仕訳のルールなど、覚えるべきことはたくさんあります。

しかし、それらを意味も分からず丸暗記しようとすると、すぐに行き詰まってしまいます。特に注意すべき誤解は以下の通りです。

  • 最初から完璧を目指す:
    テキストを隅々まで完璧に理解しないと次に進めない、と考えてしまう。
    結果として、全体の学習が遅々として進まなくなります。
  • 理解よりも暗記を優先する:
    なぜその仕訳になるのかという理屈を理解せず、ただパターンを暗記しようとする。これでは応用問題に対応できません。
  • テキストを読むだけで満足する:
    インプット学習に偏り、問題を解くアウトプット学習をおろそかにする。知識が定着せず、試験で使えるレベルになりません。

簿記学習の理想的なサイクルは、「テキストで概要を理解 → 問題を解く → 分からなかった部分をテキストで復習」という反復です。暗記ではなく、理解を伴った知識の定着を目指しましょう。

会計基準や原則の覚え間違い

簿記には、すべての企業が従うべき共通のルールである「会計基準」や、その根底にある「会計原則」が存在します。これらのルールは、なぜそのような処理をするのかという理論的な背景を持っており、それを無視して表面的な処理方法だけを覚えようとすると、間違いや混乱の原因となります。

初心者が特に間違えやすいポイントには、以下のようなものがあります。

  • ルールの背景を考えない:
    例えば、「なぜ減価償却が必要なのか」といった背景を理解せずに、ただ計算方法だけを覚えようとする。
  • 似たような勘定科目を混同する:
    「売掛金」と「未収入金」、「買掛金」と「未払金」など、似ているようで意味が異なる勘定科目の使い分けを間違える。
  • 例外的な処理に振り回される:
    まずは基本的な原則をしっかり押さえるべきなのに、細かい例外処理に気を取られ、基本が疎かになる。

ルールの背景にある「考え方」を学ぶことで、知識が体系的に整理され、記憶にも定着しやすくなります。
急がば回れで、原則の理解を大切にしましょう。

実務と勉強の乖離による混乱

簿記検定の学習は、あくまで標準化されたルールに基づいて行われます。しかし、実際の会社の経理(実務)では、その会社特有のルールや、試験ではあまり触れられない細かい処理が存在します。

すでに経理の仕事をしている人が簿記を学び始めると、この「勉強」と「実務」の違いに戸惑い、混乱してしまうことがあります。

  • 試験問題の意図が読み取れない:
    実務の複雑さを知っているがゆえに、試験問題のシンプルな設定を深読みしすぎてしまい、かえって間違えてしまう。
  • 会社独自の勘定科目に慣れている:
    自社で使っている勘定科目が、簿記検定で使われる標準的な科目と異なり、戸惑ってしまう。
  • 会計ソフトの自動処理に頼っている:
    普段は会計ソフトが自動で行ってくれる仕訳の背景にある、簿記の原則を理解していない。
項目簿記検定の学習経理実務(企業経理)
目的体系的な知識の習得と証明自社の財務・経営・税務管理
ルール標準化された会計基準会計基準に加え・独自のルールや税法が絡む
勘定科目標準的な科目会社独自で設定した科目も存在
会計処理手書きや電卓計算が中心会計ソフトによる自動処理が中心

簿記の学習中は、「今は検定に合格するための知識を学んでいる」と割り切り、実務との違いを意識的に区別することも大切です。

以上のように落とし穴に陥らないためには、正しい勉強方法を選択し、会計基準や原則を正確に理解し、理論と実務の違いを認識することが不可欠です。また、質問や疑問があれば、専門家や教育者に相談することもおすすめです。簿記の学習はステップバイステップで進め、地道な努力が実力向上につながります。

クロマル
クロマル

苦手な人の特徴と同じく、継続した学習で克服できます

簿記は文系・理系どちらが向いている?

「簿記は数字を扱うから理系のイメージ」「でも、法律みたいなルールを覚えるから文系?」こんな疑問を抱く方は少なくありません。結論から言うと、簿記は文系・理系どちらの強みも活かせる、非常にバランスの取れた学問です。
大切なのは、自分が文系か理系かということではなく、それぞれの特性を理解し、自分に合ったアプローチで学習を進めることです。
このセクションでは、文系出身者と理系出身者、それぞれの視点から見た簿記へのアプローチ方法をご紹介します。自分の得意分野を活かして、簿記学習を有利に進めましょう。

  • 文系出身者の簿記へのアプローチ
  • 理系出身者の簿記へのアプローチ

どちらのタイプであっても、簿記に習熟する道は開かれています。

クロマル
クロマル

僕自身は文系出身の為、前者に近いアプローチを行っていました。

文系出身者の簿記へのアプローチ

文系出身者の方は、法律や歴史、語学の学習で培った能力を簿記学習に大いに活かすことができます。数字への苦手意識さえ克服すれば、むしろ簿記の本質的な理解は早いかもしれません。

簿記は、単なる計算技術ではなく、「会計」という分野の社会的なルールを学ぶ学問だからです。文系出身者が強みを発揮できるポイントは以下の通りです。

  • 体系的な知識の整理:バラバラに見える会計基準を、一つの法律体系のように整理し、全体像を掴むのが得意
  • 読解力と暗記力:問題文を正確に読み解き、取引の内容を把握する能力や、多くの勘定科目やルールを覚える能力
  • ルールの背景理解:なぜそのような会計処理が求められるのか、その背景にある社会的な要請や歴史的な経緯を理解することに長けている傾向

文系出身者の強みと学習のポイント

強み学習のポイント
読解力、文章理解力問題文の意図を正確に読み取り、取引の状況をイメージ
暗記力、知識の整理能力勘定科目を覚え、会計基準を体系的に理解
物事の背景を理解する力会計ルールの「なぜ?」を考え、理論的な背景と結びつけて学習する

数字への抵抗感をなくすため、まずは電卓操作に慣れ、計算は機械に任せるという割り切りを持つことが大切です。

理系出身者の簿記へのアプローチ

理系出身者の方は、数学や物理などで鍛えられた論理的思考力や、数字に対する親和性を武器にすることができます。簿記の貸借一致の原則(左右の金額が必ず一致する)は、理系の方にとって非常に馴染みやすい概念かもしれません。

また、複雑に見える取引も、数式を解くような感覚で整理できるでしょう。理系出身者が強みを発揮できるポイントは以下の通りです。

  • 数字・データへの強さ:数字を見ることへの抵抗がなく、計算も得意なため、試算表や精算表の作成で力を発揮
  • 論理的思考力:「Aという取引が起きたから(原因)、BとCの勘定科目が動く(結果)」という因果関係を、パズルのように組み立てるのが得意
  • 構造的な理解:簿記全体の仕組みを、一つのシステムや構造体として捉え、各要素の関係性を把握する能力に長けている

理系出身者の強みと学習のポイント

強み学習のポイント
数字や計算への耐性試算表や精算表など、計算量の多い問題を積極的に解く
論理的思考力仕訳の因果関係(なぜ借方で、なぜ貸方なのか)を意識
構造把握能力勘定科目間のつながりや、簿記一巡の流れを図で理解

簿記を学ぶ際に文系出身者と理系出身者はそれぞれ異なる強みを持っていますが、どちらも簿記のスキルを習得することは可能です。簿記は実務での実践が鍵となるため、理論だけでなく実務的なアプローチも取り入れることが成功への道です。無理せず、着実にスキルを向上させていきましょう。

クロマル
クロマル

文系は実務(背景)→原則、理系は数値→原則の流れが理解しやすいです

簿記が苦手な人も成功する勉強法

「自分は簿記に向いていないかもしれない…」そう感じているあなたにこそ、知ってほしいことがあります。簿記の習得は、向き不向き以上に「正しい学習戦略」で決まります。
苦手意識は、具体的な計画と効果的なテクニック、そしてモチベーションを維持する工夫によって、必ず乗り越えることができます。
このセクションでは、苦手意識を克服し、学習を成功に導くための具体的な方法を3つのステップでご紹介します。
あなただけの勝利の方程式を、ここから見つけ出しましょう。

  • 具体的な学習計画の立て方
  • 理解を深めるための勉強テクニック
  • モチベーションを維持するコツ

この戦略を手にすれば、簿記学習は苦しいものではなく、自己成長を実感できる過程に変えられるはずです。

具体的な学習計画の立て方

行き当たりばったりの学習は、挫折への近道です。苦手意識がある人ほど、ゴールまでの道のりを明確に示す「学習計画」という名の羅針盤が必要になります。

計画を立てることで、日々のやるべきことが明確になり、学習の進捗も可視化できるため、モチベーションの維持にも繋がります。効果的な学習計画を立てるためのポイントは以下の通りです。

  • 目標を具体的に設定する:「6月に簿記3級試験に合格する」というように、明確で期限のある目標
  • 学習時間を確保する:1日に必要な学習時間(例:平日1時間、休日3時間)を現実的に見積もり、スケジュールに組み込む
  • 全体を細分化する:試験範囲全体を章や単元ごとに分け、「今週はこの章を終わらせる」といった小さな目標(マイルストーン)を設定
  • インプットとアウトプットのバランスを考える:テキストを読む時間と、問題を解く時間の配分を計画に盛り込みましょう。理想的な比率は「3:7」とも言われています。

計画通りに進まなくても、自分を責める必要はありません。定期的に計画を見直し、柔軟に修正していくことが成功の鍵です。

クロマル
クロマル

ゴールである試験日から逆算して学習計画を立てるのがポイントです

理解を深めるための勉強テクニック

苦手な人がやりがちなのが、理解しないままの丸暗記です。これでは応用力が身につかず、すぐに忘れてしまいます。

大切なのは、一つひとつの処理の「なぜ?」を考え、腹の底から納得すること。そのための、理解を深めるテクニックをいくつかご紹介します。

  • 図やイラストを活用する:勘定科目の関係性やお金の流れを、自分で図に描いてみましょう。
    文字情報だけでなく視覚的に捉えることで、複雑な関係性も直感的に理解できます。
  • 誰かに説明してみる:学習した内容を、友人や家族など、簿記を知らない人に説明するつもりで話してみましょう。うまく説明できなければ、それはまだ自分が理解できていない証拠です。
  • 身近な例に置き換える:
    「コンビニでジュースを買った」という日常の出来事を、「(借方)消耗品費 150円 / (貸方)現金 150円」のように仕訳に変換してみる。自分ごととして捉えることで、知識がより定着しやすくなります。

理解度をセルフチェックする方法

理解度レベル確認方法
低いテキストを読んでも意味が分からない
中くらい例題は解けるが、少しひねられると解けない
高いなぜその処理になるのかを自分の言葉で説明できる

これらのテクニックを駆使して、「わかる!」という瞬間を一つでも多く積み重ねていきましょう。

ただ、簿記の特有のルールは特有なため、具体例に落とし込んでも理解しづらい部分があるかもしれません。そういった場合は、一度で完全に理解しようとせず、そういうもの、として学習を先に進める意識も重要です。一連の流れを学習することで初めて理解できるルールもあるからです。

モチベーションを維持するコツ

簿記の学習は、時に孤独で地道な戦いです。特に苦手意識があると、モチベーションを保ち続けるのは簡単ではありません。

しかし、ちょっとした工夫で、学習意欲の炎を燃やし続けることは可能です。モチベーションを維持するためのコツをご紹介します。

  • 目標を細かく設定し、達成感を味わう:「今日は問題集を5ページ進める」といった小さな目標を立て、クリアするごとに自分を褒める。小さな成功体験の積み重ねが、大きな自信に繋がります。
  • 学習仲間を見つける:SNSや資格予備校などで、同じ目標を持つ仲間を見つけましょう。
    励まし合ったり、情報を交換したりすることで、一人ではないという心強さが得られます。
  • 学習環境を変える:いつも同じ場所で勉強していると、マンネリ化してしまいます。
    たまにはカフェや図書館など、場所を変えて気分転換を図るのも効果的です。
  • 合格後の自分を想像する:資格を取得して、経理として活躍している自分、キャリアアップしている自分を具体的にイメージしてみる。

疲れたときには、無理せず休むことも大切です。自分なりのリフレッシュ方法を見つけ、学習と上手に付き合っていきましょう。

簿記が苦手な人でも、適切な計画を立て、効果的な学習法を実践することで、克服することができます。焦らず、着実にスキルを向上させましょう。

独学だとモチベーションを保ちづらい、という方は、専門学校を利用して学習ペースを保つのも手段の一つです。僕のおすすめは、通信講座の利用です。簿記2級におすすめの通信講座については、【口コミ有】スタディングで簿記2級に合格!通信講座で初心者でも合格できる方法を解説で解説しています。

簿記のスキルが活きる職業とは

苦労して簿記を学んだ先には、どのような活躍の舞台が待っているのでしょうか。
簿記のスキルは、経理や会計といった専門職はもちろんのこと、実は非常に多くの業種・職種で役立つ、汎用性の高いビジネススキルです。
お金の流れを理解する力は、あらゆるビジネスの根幹を成すため、あなたのキャリアの可能性を大きく広げてくれます。
ここでは、簿記のスキルが具体的にどのような職業で活かせるのか、その多様なキャリアパスをご紹介します。

  • 経理・会計職での活躍
  • 資格を活かしたキャリアパス
  • 簿記スキルが役立つ他業種での仕事

あなたの未来のキャリアプランを描く上で、きっと新たな発見があるはずです

経理・会計職での活躍

簿記の知識が最も直接的に活かせるのが、企業の経理・財務部門や会計事務所です。これらの職種は、まさに簿記のプロとして、企業の経済活動を支える重要な役割を担います。

日々の取引の記録から、月次・年次の決算業務、税金の申告まで、その業務は多岐にわたります。簿記のスキルレベルに応じて、活躍の場は広がっていきます。

  • 日商簿記1級レベル:大企業の連結決算や、複雑な会計処理にも対応できる高度な知識を持つスペシャリストとして評価されます。
  • 日商簿記3級レベル:基本的な経理業務(伝票起票、仕訳入力、経費精算など)を担当できます。あらゆる企業で必要とされる基礎知識。
  • 日商簿記2級レベル:商業簿記に加えて工業簿記の知識も身につくため、製造業の原価計算など、より専門的な業務にも対応可能です。企業の経理・財務職では、このレベルの知識が求められることが多い

会計事務所や税理士事務所では、クライアント企業の記帳代行や決算支援、経営アドバイスなどを行い、企業の成長を外部から支える役割を担います。

資格を活かしたキャリアパス

簿記の資格は、それ自体がキャリアのゴールであるだけでなく、より難易度の高い専門資格へのステップアップの土台となります。

簿記の学習で得た知識は、多くの会計系上級資格の基礎となるため、将来的に専門家を目指す人にとって、簿記は避けては通れない道と言えるでしょう。

簿記からのステップアップとして考えられる主なキャリアパスは、以下の通りです。

  • 税理士:
    税務のスペシャリストとして、税務申告の代理や税務相談に応じます。
    日商簿記1級に合格すると、税理士試験の受験資格が得られます。
  • 公認会計士:
    会計監査の専門家として、企業の決算書が適正であるかをチェックする「監査」を独占業務としています。
    簿記1級の学習範囲は、公認会計士試験の会計学と多くが重複しています。
  • 中小企業診断士:
    企業の経営課題を診断し、助言を行う経営コンサルタントの国家資格です。
    試験科目の「財務・会計」では、簿記の知識が必須となります。

これらの資格を取得することで、独立開業や、より専門性の高いキャリアを築くことが可能になります。

簿記スキルが役立つ他業種での仕事

簿記のスキルは、経理や会計の専門職以外でも、強力な武器となります。

なぜなら、企業の財務状況を読み解く力は、どんな職種においても、より的確な意思決定を可能にするからです。[4]

例えば、以下のような職種で簿記の知識を活かすことができます。

  • 営業職:取引先の決算書を読むことで、その企業の経営状況や支払い能力を把握し、より踏み込んだ提案やリスク管理ができます
  • 経営企画・管理職:自社の財務データを分析し、経営戦略の立案や予算策定、業績管理を行う上で、簿記の知識は不可欠です
  • 金融業界(銀行・証券会社など):融資先の審査や、投資先の企業価値を分析する際に、財務諸表を正確に読み解く能力が求められます。
  • コンサルタント:クライアント企業の経営課題を解決するために、財務分析を通じて問題点を的確に把握し、具体的な改善策を提案します。

このように、簿記はあらゆるビジネスパーソンにとっての「共通言語」であり、キャリアの選択肢を広げるためのパスポートのような役割を果たしてくれるのです。

簿記を学ぶことによる将来的なメリット

簿記の学習は、時に地道で根気のいる作業ですが、その先には大きなリターンが待っています。単に資格が取れるというだけでなく、あなたのキャリアや収入、さらにはビジネス全体を理解する力に、計り知れないほどの好影響を与えてくれるでしょう。
ここでは、簿記を学ぶことで得られる、具体的な将来のメリットについて掘り下げていきます。このメリットを知ることで、学習へのモチベーションがさらに高まるはずです。

  • キャリアアップにつながる
  • 資格取得で収入アップ

キャリアアップにつながる

簿記のスキルは、あなたの市場価値を高め、キャリアアップの可能性を大きく広げる力を持っています。多くの企業で求められる普遍的なスキルであるため、社内での昇進や、より良い条件の企業への転職において、強力なアピールポイントとなります。

  • 昇進・昇格に有利:管理職や経営層を目指す上で、自社の経営数値を理解できる能力は必須です。
    昇格要件に簿記資格の取得を課している企業も少なくありません。
  • 転職市場での高い需要:経理・財務職はどんな企業にも必要な部門であるため、簿記資格を持つ人材は常に需要があります。特に日商簿記2級以上は、実務能力の証明として高く評価されます。
  • 職種の選択肢が広がる:経理職だけでなく、営業や企画、コンサルティングなど、多様な職種でその知識を活かすことができ、キャリアチェンジの際にも有利に働きます。

簿記は、あなたのキャリアプランに確かな土台と、未来への新たな道筋を与えてくれる羅針盤のような存在なのです。

資格取得で収入アップ

簿記資格の取得は、具体的な収入アップに直結する可能性があります。多くの企業では、資格手当や一時金の支給対象として簿記検定を定めており、若干ではありますが収入にプラスをもたらしてくれます。

また、より専門性の高い職務に就くことで、基本給そのものが向上することも期待できるでしょう。

  • 資格手当による収入増:企業によっては、~数千円程度の手当が支給されるケースがあります。
  • 専門職としての高待遇:経理・財務のスペシャリストや、公認会計士・税理士といった上級資格を取得すれば、一般の事務職と比較して高い収入水準を目指すことができます。
  • 副業や独立開業の道:簿記の知識を活かして、個人事業主の記帳代行を請け負ったり、将来的には会計事務所として独立開業したりするなど、自らの力で収入を得る道も開けます。[25]

簿記資格とキャリア・収入の関連性

資格レベル期待できるキャリア収入アップへの影響
日商簿記3級一般企業の事務職、経理アシスタント社会人としての基礎知識。直接的な収入増よりキャリアの土台作り。
日商簿記2級企業の経理・財務担当者、会計事務所スタッフ転職に有利。資格手当や専門職としての給与アップが期待できる。
日商簿記1級大企業の経理、上級資格への挑戦(税理士など)高度専門職としての高い評価。大幅な収入アップの可能性。[20]

簿記を学ぶことは、自身のスキルをお金という具体的な価値に換えるための、確かな一歩となるのです。

簿記も含めた経理におすすめの資格については、【未経験~経理担当必見】実務に役立つ経理資格取得のおすすめ優先順位を現役経理が紹介します!で解説しています。

簿記の向き・不向きを自己診断する方法

ここまで簿記に向いている人・いない人の特徴を見てきましたが、「じゃあ、実際のところ自分はどうなんだろう?」と客観的に知りたくなった方もいるのではないでしょうか。
そこで、ご自身の適性を手軽にチェックできる自己診断リストをご用意しました。
この診断は、あなたの隠れた才能や、今後意識すべき課題を見つけるためのヒントを与えてくれます。
結果に一喜一憂するのではなく、これからの学習戦略を立てるための貴重な参考資料として活用してください。

  • 自己診断結果に基づくアドバイス
  • 簡単な自己診断チェックリスト

簡単な自己診断チェックリスト

以下の10個の質問に対して、自分に当てはまると思うものに「はい」、そうでないものに「いいえ」で直感的に答えてみてください。「はい」の数を数えて、次のアドバイスに進みましょう。

質問リスト

  1. パズルやクイズを解くのが好きだ。
  2. 細かい数字の間違い探しなどが苦にならない。
  3. 日記や家計簿など、コツコツ記録を続けることが得意だ。
  4. 決められたルールや手順に従って作業を進めることに抵抗がない。
  5. 物事を学ぶとき、まず全体像や仕組みから理解しようとする。
  6. 知らない言葉が出てきたら、意味を調べないと気が済まない。
  7. どちらかといえば、物事を大雑把に捉えるより、論理的に考える方が好きだ。
  8. 数字が並んでいるのを見るだけで、頭が痛くなることはない。
  9. 一度決めた目標は、時間がかかっても達成したいと思う方だ。
  10. 企業のニュースや経済の動きに興味がある。

あなたの「はい」はいくつありましたか?

自己診断結果に基づくアドバイス

診断結果をもとに、あなたのタイプと今後の学習に向けたアドバイスをお伝えします。これはあくまで一つの目安であり、あなたの可能性を限定するものではありません。

自己診断結果とアドバイス

「はい」の数あなたのタイプアドバイス
8個以上【天性の簿記マイスタータイプ】あなたは簿記を学ぶ上で非常に高いポテンシャルを秘めています。論理的思考力と継続力を兼ね備えており、学習はスムーズに進む可能性が高いでしょう。自信を持って、まずは簿記3級、そして2級、1級へとステップアップを目指してください。あなたの強みを活かせば、会計のプロフェッショナルへの道も夢ではありません。
5〜7個【バランスの取れた努力家タイプ】あなたは簿記の適性を十分に持っています。得意な部分と少し苦手な部分があるかもしれませんが、持ち前の努力で十分にカバーできるでしょう。特に「いいえ」と答えた項目が、あなたの今後の課題です。例えば、計画性が課題なら学習計画を丁寧に立てる、単調な作業が苦手ならゲーム感覚を取り入れるなど、意識的に対策を講じることで、飛躍的に成長できるはずです。
4個以下【苦手意識克服チャレンジタイプ】今は簿記に対して苦手意識があるかもしれません。しかし、決して向いていないわけではありません。大切なのは、あなたの「苦手」を直視し、それを克服するための戦略を立てることです。この記事で紹介した「苦手な人も成功する勉強法」をぜひ実践してみてください。小さな「できた!」を積み重ねることで、苦手意識は自信へと変わっていきます。一人で難しい場合は、スクールや通信講座の利用も有効な選択肢です。

どのような結果であれ、最も重要なのは「簿記を学びたい」という今のあなたの気持ちです。その気持ちさえあれば、道は必ず開けます。

簿記は学ぶことができるスキルであり、初めは難しく感じるかもしれませんが、継続的な学習と実践によって向上させることができます。自分の目標と興味に合わせて、簿記の学習を検討しましょう。

簿記と向き合う上で重要な考え方

簿記の学習を成功させるためには、テクニックや知識と同じくらい、「心構え」、すなわちマインドセットが重要になります。特に、苦手意識を持っている方にとっては、このマインドセットが学習継続の鍵を握ると言っても過言ではありません。
壁にぶつかったとき、心が折れそうになったとき、あなたを支えてくれるのは、強靭な精神力です。
ここでは、簿記という長い旅路を乗り越えるために不可欠な、2つの重要なマインドセットについてお話しします。
この心構えを胸に刻むことで、あなたの学習はより確かなものになるでしょう。

  • 根気強さと継続は力なりー簿記学習の心構え
  • 失敗を恐れずチャレンジし続けること

スキルは後からついてきます。まずは、簿記の習得者のマインドをインストールすることから始めましょう。

根気強さと継続は力なりー簿記学習の心構え

簿記の知識は、まるでレンガを一つひとつ積み上げていくように、地道な努力の積み重ねによって築かれます。一気に高く積み上げようとすると、その土台は非常にもろいものになってしまいます。

特に学習初期は、成果が目に見えにくく、焦りや不安を感じるかもしれません。しかし、ここで踏ん張れるかどうかが、最初の大きな分かれ道です。

  • すぐに結果を求めない:「ローマは一日にして成らず」の言葉通り、簿記の習得には時間がかかります。
    日々の学習の積み重ねが、やがて大きな力になることを信じましょう。
  • 毎日少しでも触れる:たとえ15分でも良いので、毎日簿記に触れる習慣をつけましょう。
    学習を完全に中断してしまうと、再開するのに大きなエネルギーが必要になります。
  • 他人と比較しない:SNSなどで他の学習者の進捗を見ると焦るかもしれませんが、人にはそれぞれのペースがあります。比較するべきは、昨日の自分です。

「継続は力なり」という言葉は、まさに簿記学習のためにあると言っても良いでしょう。毎日の小さな一歩が、合格というゴールへと繋がっています。

失敗を恐れずチャレンジし続けること

簿記の学習において、「間違うこと」は決して悪いことではありません。むしろ、間違いは「自分の理解が不十分な点」を教えてくれる、最高の教師です。

多くの人は失敗を恐れるあまり、問題演習を避けたり、分からない問題を放置したりしがちです。しかし、それでは成長はありません。

  • 間違いは学びのチャンスと捉える:
    なぜ間違えたのか、その原因を徹底的に分析し、同じ間違いを繰り返さないようにすることが重要です。
    間違えた問題こそ、あなたの弱点を強みに変える宝の山です。
  • 完璧主義を捨てる:
    最初から100点を目指す必要はありません。
    70点の合格ラインを超えることを目標に、まずは全体を網羅することを優先しましょう。
  • どんどん問題に挑戦する:
    テキストを読んでいるだけでは、本当に理解しているかは分かりません。
    インプット学習を終えたら、勇気を出して問題演習にどんどんチャレンジしましょう。

失敗は成功の母。何度も間違い、その度に立ち上がる強さこそが、あなたを合格へと導く原動力となるのです。

簿記に向いていないと感じたらどうするべき?

簿記の学習を進める中で、どうしても「自分には合わない」「これ以上続けるのは苦痛だ」と感じてしまうことがあるかもしれません。
努力を重ねても苦手意識が拭えないとき、無理に学習を続けることだけが正解ではありません。
大切なのは、その気持ちと正直に向き合い、自分にとって最善のキャリアパスを再考することです。
ここでは、簿記に向いていないと感じたときに考えたい、2つの選択肢についてお話しします。
立ち止まることは、後退ではなく、新たな道を見つけるための重要な一歩です。

  • 別のスキルアップを目指すべきか
  • 簿記以外のキャリア形成

あなたの人生の主役は、あなた自身です。簿記という一つの選択肢に縛られる必要はありません。

別のスキルアップを目指すべきか

もし簿記の学習が苦痛で仕方ないのなら、それはあなたの興味や適性が別の分野にあるというサインかもしれません。

世の中には、あなたの価値を高めるスキルが簿記以外にも無数に存在します。
無理に苦手なことを続けるよりも、自分の「好き」や「得意」を伸ばす方が、結果的にキャリアを豊かにする可能性が高いです。

  • 自分の興味・関心を探る:あなたが時間を忘れて没頭できることは何ですか?
    IT、語学、デザイン、マーケティングなど、他の分野に目を向けてみましょう。
  • 市場のニーズを調査する:今後、社会でどのようなスキルが求められるかを調べてみるのも良いでしょう。
    将来性のある分野でスキルを磨くことは、キャリアの安定に繋がります。
  • 簿記の学習経験を活かす:たとえ途中でやめたとしても、簿記を学んだ経験は無駄にはなりません。
    物事を論理的に考えたり、計画を立てたりする力は、他の分野でも必ず役立ちます。

簿記から一度離れてみることで、本当に自分がやりたいことが見えてくる場合もあります。勇気ある方向転換も、立派な戦略の一つです。

簿記以外のキャリア形成

「簿記は苦手だけど、数字や経営に関わる仕事には興味がある」という方もいるかもしれません。

その場合、簿記の専門家(経理など)を目指すのではなく、簿記の基礎知識を活かしつつ、別の専門性を掛け合わせるキャリア形成が考えられます。

簿記はあくまでツールの一つと捉え、自分の得意分野と組み合わせることで、独自の強みを持った人材になることができます。

  • 営業職+簿記:財務諸表が読める営業担当者として、説得力のある提案を行い、大型契約を獲得する。
  • ITエンジニア+簿記:会計システムの開発プロジェクトなどで、経理部門と現場をつなぐブリッジ役として活躍する。
  • マーケター+簿記:マーケティング施策の費用対効果を、財務データに基づいて正確に分析し、事業の収益向上に貢献する。

表:簿記知識と他スキルの組み合わせキャリア例

組み合わせスキルキャリア例強み
語学力外資系企業の経理、国際財務報告グローバルな環境で活躍できる会計人材
コミュニケーション能力IR(投資家向け広報)、経営企画会社の財務状況を分かりやすく説明し、ステークホルダーとの良好な関係を築く
データ分析スキル財務アナリスト、FP&A財務データを深く分析し、経営の意思決定をサポートする

簿記の知識は、様々なキャリアの「土台」や「付加価値」となり得ます。自分だけのキャリア方程式を組み立ててみましょう。

まとめ

この記事では、簿記に苦手意識を持つ学習者が、その壁を乗り越え、成功を掴むための具体的な戦略について解説してきました。
簿記は「向き不向き」で決まるものではなく、「正しい学び方」と「強い心構え」があれば、誰にでもマスターできるスキルです。

  • 苦手意識の原因を知り、具体的な戦略で克服する: 簿記が苦手な人には共通点がありますが、それらは学習計画や勉強法の工夫で乗り越えられます。自分に合った戦略を見つけることが、克服への第一歩です。
  • 簿記スキルは多様なキャリアを開く鍵: 簿記は経理だけのスキルではありません。営業、企画、コンサルなど、あらゆるビジネスシーンで役立つ汎用性の高い武器となり、あなたのキャリアの可能性を大きく広げます。
  • 重要なのは「継続する力」と「失敗を恐れない心」: 簿記学習は時に地道な道のりですが、諦めずにコツコツと続けること、そして間違いを恐れずに挑戦し続けるマインドセットが、あなたを合格へと導きます。

簿記の「得意な人」と「苦手な人」の比較と克服法

特徴得意な人苦手な人克服のためのアプローチ
思考論理的、体系的感覚的、抽象概念が苦手図解や身近な例でイメージを掴み、ルールの「なぜ?」を考える
作業細かく丁寧、反復が得意単調な作業が苦手、飽きっぽい学習にゲーム要素を取り入れたり、勉強場所を変えたりして気分転換を図る
計画性計画的、持続力がある計画が苦手、諦めやすい学習計画を細かく立て、小さな成功体験を積み重ねてモチベーションを維持する

もしあなたが今、簿記の壁の前で立ち尽くしているのなら、この記事で紹介した勉強法やマインドセットを、一つでも良いので試してみてください。

あなたのその小さな一歩が、苦手意識という高い壁を打ち破り、未来のキャリアを切り拓くための大きな力となるはずです。

よくある質問

Q1: 簿記が向かないと感じたら、他のキャリアに転向すべきですか?

A1: 簿記が向かないと感じた場合、他のキャリアに転向することは一つの選択肢です。ただし、自分に合った分野やスキルを見つける前に、自己診断やキャリアカウンセリングを受けてみることをおすすめします。

Q2: 簿記向きの人と向かない人の違いは何ですか?

A2: 簿記向きの人は論理的思考力があり、細部に注意を払える傾向があります。一方、向かない人は数学や計算が苦手で、単調な作業が苦痛と感じることが多いです。

Q3: 簿記を学ぶことにどのようなメリットがありますか?

A3: 簿記を学ぶことで、経理・会計職でのキャリアチャンスが広がり、資格取得による収入アップの機会があります。また、簿記のスキルは他の業種でも役立つことがあります。

Q4: 簿記が向かないと感じたときの対処法は?

A4: 簿記が向かないと感じた場合、勉強方法を変えてみましょう。それでも向かないと感じた場合は、他のスキルや分野に挑戦することを検討しましょう。自分の興味や強みに合った新しいキャリアパスを模索することが重要です。

Q5: 簿記を学ぶ上でのマインドセットは何ですか?

A5: 簿記を学ぶ上でのマインドセットは、根気強さと継続の重要性、失敗を恐れずにチャレンジし続ける姿勢が大切です。また、自己啓発と成長への意欲も重要です。