経理の将来性は?ベテラン経理が語る「生き残る」ための秘訣

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経理の将来性は?ベテラン経理が語る「生き残る」ための秘訣

経理という職業について、未来はどうなるのだろうと不安を抱えていませんか?AIの台頭やデジタル化が進む中、経理の仕事がなくなるとの声も耳にします。

  • AIの進化で経理の人材は必要なくなる?
  • 簿記の知識はいらなくなる?
  • Excelや各システムの知識は無駄になる?

しかし、経理歴15年以上の実務経験を持つ僕は、そのような変化の中でも経理の価値は間違いなくあると感じています。ただし、価値ある経理人材になるためには、常に学習を続ける必要があると考えます。この記事では、AI時代における経理の将来性と、経理職が直面している課題について深掘りします。

経理職としての実績を基に、AIや自動化技術が経理業務に与える影響、将来的に必要とされるスキル、さらには経理の業務がどのように進化していくかについて詳細に解説していきます。読者の皆様には、経理業務の最新トレンドと、それに対応するための具体的な方法をお届けします。

この記事でわかること

  • AI時代に「なくなる経理」と「なくならない経理」の違い
  • 将来の経理に必須となるITスキルとデータ分析力
  • 未経験からでも経理として活躍するための具体的なロードマップ

経理の仕事は、変化に対応し、常にスキルをアップデートすることで、むしろその価値を高めることができます。

この記事を読み終えた後には、きっとあなたのキャリアに対する視界が大きく開けているはずです。

経理とは何か?

経理の仕事は、会社の財政状況を正確に把握し、健全な経営を支える羅針盤のような存在です。日々の取引記録から決算書の作成まで、その業務は多岐にわたります。ここでは、経理の具体的な業務内容と、会社におけるその重要な役割について深掘りしていきます。

  • 経理の業務内容
  • 経理の役割とは何か?

それでは、経理の具体的な仕事内容から見ていきましょう。

経理の業務内容

経理の業務は、企業の経済活動を記録し、報告する一連のプロセスです。

日常的な現金の出入りから、月次・年次の決算業務まで、企業の「お金」に関するあらゆる情報を管理します。

主な業務内容は以下の通りです。

  • 現預金管理
  • 伝票処理
  • 売掛金・買掛金管理
  • 給与計算
  • 固定資産管理
  • 月次・年次決算業務
  • 税務申告

これらの業務を通じて、企業の経営状況を明確にし、適切な経営判断をサポートしています。

経理の役割とは何か?

経理は、企業の経営状態を「数字」という共通言語で可視化し、意思決定の基盤を提供する重要な役割を担っています。

単に帳簿をつけるだけでなく、予算策定や資金繰り計画にも深く関わります。

経理の果たす主な役割は以下の通りです。

  • 企業の財政状況の正確な把握
  • 経営判断に必要な情報提供
  • 税務申告を通じた企業の社会的責任の遂行
  • 資金繰りの計画と管理
  • 内部統制の強化による不正防止

経理は、企業の透明性を確保し、ステークホルダーからの信頼を得る上でも不可欠な存在と言えるでしょう。にとっても、この基本を理解することが、経理の将来性を考える上での出発点となります。

分析や管理について学ぶならば、ビジネス会計検定の学習が最適です。ビジネス会計検定に興味を持った方は、【合格者が解説】ビジネス会計検定2級挑戦者必見!難易度と勉強法!を参照ください。

経理の将来性は本当になくなる?AI時代の変化と現状を徹底解説

AI技術の台頭により経理不要論が囁かれていますが、実際には単純作業が自動化される一方で、人間にしかできない高度な業務の価値が相対的に高まっています。

  • なぜ「経理は将来性がない」と言われるのか?その根拠と誤解
  • AIやRPAが得意な「消える業務」と、人間にしかできない「残る業務」
  • 【結論】単純な記帳業務は消えるが、高度な管理・判断業務の需要は急増する

テクノロジーの進化が経理の仕事にどのような影響を与えているのか、まずはその実態を正しく理解しましょう。

なぜ「経理は将来性がない」と言われるのか?その根拠と誤解

経理の仕事がなくなると言われる最大の理由は、クラウド会計ソフトやAIによる自動仕訳の精度が劇的に向上したことにあります。

特にオックスフォード大学の研究論文において、経理事務員が「コンピューターに代わられる確率が高い職業」の上位に挙げられたことが大きなインパクトを与えました。

  • 領収書のスキャンによる自動データ化技術の普及
  • 銀行口座やクレジットカードとのデータ連携による自動仕訳
  • RPA(ロボットによる業務効率化)による定型業務の自動化

しかし、これは「作業」がなくなるだけであり、数字を読み解き経営判断を支援する役割としての経理の重要性はむしろ増しています。

AIやRPAが得意な「消える業務」と、人間にしかできない「残る業務」

AIは大量のデータを高速で処理し、一定のルールに基づいた定型業務をミスなく遂行することを得意としています。

一方で、企業の個別の状況に応じた会計判断や、他部署との円滑なコミュニケーションが必要な業務は、依然として人間にしかできません。

経済産業省のDXレポートでも指摘されている通り、デジタル技術を使いこなす側に回ることが、これからの経理には求められています。 https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

テクノロジーを敵ではなく味方として活用する視点が、今後のキャリア形成には不可欠です。

結論】単純な記帳業務は消えるが、高度な管理・判断業務の需要は急増する

これからの時代、単に「正しく記帳する」だけの経理担当者は、残念ながら市場価値が低下していくことは避けられません。

しかし、算出された数字から経営の課題を発見し、財務戦略を立案できる人材は、どの企業からも強く求められています。

  • キャッシュフローを最大化するための資金繰り管理
  • 節税対策や内部統制の構築といった専門的知見の発揮
  • 事業部門の数値を分析し、利益率向上の施策を提案する

これからは、作業者としての経理から、ビジネスパートナーとしての経理へと脱皮することが、将来性を確保する鍵となります。

将来性のない経理と、引く手あまたな経理を分ける「決定的な違い」

市場から見放される経理と必要とされ続ける経理の差は、単なる知識量ではなく、変化に対する姿勢と業務の定義にあります。

  • 市場価値が停滞する「作業特化型」の経理担当者の特徴
  • 年収が上がり続ける「課題解決型(戦略的経理)」へのシフト
  • DX化(デジタル化)をチャンスに変えられるかどうかが分岐点

自分がどちらのタイプに属しているか、あるいはどちらを目指すべきかを明確にしていきましょう。

市場価値が停滞する「作業特化型」の経理担当者の特徴

作業特化型の経理担当者は、決められたルールに従ってルーチンワークをこなすことを目的としてしまいがちです。

AIの進化により、マニュアル化できる業務の価値は限りなくゼロに近づいていくため、このタイプは将来的な不安が拭えません。

  • 「今までこうしてきたから」という理由で、非効率な作業を続けている
  • 会計ソフトへの入力作業そのものが仕事だと思っている
  • 法改正やITツールの導入に対して、保守的で消極的な態度をとる

現状維持を望む姿勢は、激変する現代のビジネス環境においては最大のリスクとなることを自覚する必要があります。

年収が上がり続ける「課題解決型(戦略的経理)」へのシフト

一方で、企業の利益に貢献する「課題解決型」の経理は、希少性が高く高い年収を提示されるケースが目立ちます。

彼らは単に決算を締めるだけでなく、数字の裏側にある経営課題を見抜き、具体的な改善アクションを提案できる能力を持っています。

  • 部門別の損益を分析し、不採算事業の早期発見に貢献する
  • ITツールを駆使して経理業務を効率化し、会社全体のコストを削減する
  • 金融機関との交渉を円滑に進め、有利な条件での資金調達を実現する

自社のビジネスモデルを深く理解し、経理の視点から企業価値の向上にコミットできる人材こそが、真のプロフェッショナルです。

DX化(デジタル化)をチャンスに変えられるかどうかが分岐点

現在、多くの企業が取り組んでいる**デジタルトランスフォーメーション(DX)**は、経理にとって最大のチャンスです。

面倒な手作業をシステムに任せ、空いた時間を付加価値の高い業務に充てられる体制を自ら構築できる人は、どの組織でも重宝されます。

  • インボイス制度や電子帳簿保存法に対応したシステム導入の主導
  • BIツールを活用した経営情報のリアルタイムな可視化
  • クラウド会計と外部サービスのAPI連携による自動化の推進

デジタル化を「仕事が奪われる脅威」ではなく「自分をアップグレードする手段」と捉えられるかどうかが、キャリアの明暗を分けます。

経理として一生困らない将来性を手に入れるための資格ロードマップ

経理のキャリアにおいて、資格はあなたの実務能力を客観的に証明し、信頼を獲得するための最も強力な武器となります。

  • 【Step 1】市場価値の土台を作る「日商簿記2級・1級」の再評価
  • 【Step 2】数字を経営に活かす力を証明する「FASS検定」や「ビジネス会計検定」
  • 【Step 3】圧倒的な専門性で差別化する「USCPA(米国公認会計士)」や「税理士」
  • 【補足】経理実務×ITスキルの掛け合わせが最強の生存戦略になる理由

段階的にステップアップすることで、どのような市場環境でも通用する盤石なキャリアを築いていきましょう。

【Step 1】市場価値の土台を作る「日商簿記2級・1級」の再評価

日商簿記は、経理としての基礎体力を測る上で、今も昔も最も信頼される資格です。

特に2級は「連結会計」などの高度な内容が含まれるようになり、上場企業への転職においても必須の条件とされることが多くなっています。

  • 企業の財務状況を読み解くための「共通言語」を習得できる
  • コスト感覚を養う工業簿記の知識は、メーカー等の管理職でも重宝される
  • 1級に挑戦することで、公認会計士や税理士レベルの深い専門性を養える

簿記の知識は、単なる仕訳のルールではなく、ビジネスの収益構造を理解するための強力なフレームワークとなります。

【Step 2】数字を経営に活かす力を証明する「FASS検定」や「ビジネス会計検定」

簿記で基礎を固めた後は、より実務的な運用能力や、数値を分析する能力を証明する資格へ進むのが賢明です。

「FASS検定」は経済産業省の普及促進事業の一環として開発され、経理の実務遂行能力を客観的に評価する指標として注目されています。

これらの資格を取得することで、単なる計算担当者から数字を使いこなす人材へとステップアップできます。 https://www.bass-net.jp/ (ビジネス会計検定試験)

【Step 3】圧倒的な専門性で差別化する「USCPA(米国公認会計士)」や「税理士」

さらに高いステージを目指すなら、国家資格や国際資格を取得することで、市場価値を爆発的に高めることが可能です。

特にUSCPAは、英語と会計の両面で専門性を証明できるため、グローバル企業や外資系企業への転職で圧倒的な強みを発揮します。

  • 税理士資格により、税務のスペシャリストとして独立やコンサルも視野に入る
  • USCPA取得で、世界基準の会計知識と英語力を同時にアピールできる
  • 難関資格への挑戦プロセスそのものが、高い問題解決能力の証明になる

こうした高度な資格は、景気に左右されない強固なキャリアを築くための最高の保険となります。

【補足】経理実務×ITスキルの掛け合わせが最強の生存戦略になる理由

資格に加えて、ITリテラシーを掛け合わせることで、あなたの将来性はさらに揺るぎないものになります。

会計ソフトを使いこなすだけでなく、ERPの導入やBIツールの運用ができる経理は、市場で極めて希少な存在です。

  • Excelの関数やマクロ、VBAを駆使した業務効率化スキルの習得
  • SQLなどを用いたデータベースからの直接的なデータ抽出と分析
  • 電子帳簿保存法等のITが絡む法規制への深い理解と対応力

「会計のプロ」でありながら「ITにも強い」というポジションを確立できれば、AI時代を生き抜く最強の生存戦略となります。

資格取得を通じたスキルアップが、あなたの将来性を保証する3つのメリット

資格取得は単に知識を増やすだけでなく、あなたのキャリアにおける信頼性と選択肢を劇的に広げてくれます。

  • 最新の会計基準や法改正に対応できる「自己研鑽の証明」になる
  • 転職市場での「客観的な指標」となり、年収アップの交渉力が強まる
  • 難難度の高い仕事に挑戦する自信がつき、キャリアの選択肢が広がる

具体的にどのようなメリットがあるのかを深掘りし、学習へのモチベーションを高めていきましょう。

最新の会計基準や法改正に対応できる「自己研鑽の証明」になる

経理の世界は、インボイス制度や電子帳簿保存法の改正など、常にルールがアップデートされています。

資格試験の学習を通じて最新の知識を体系的に学ぶ姿勢は、変化に対応し続けるプロ意識の高さとして評価されます。

  • 法改正の背景まで理解することで、会社に最適な対応策を提案できる
  • 常に学び続ける姿勢(リスキリング)は、AI時代に最も求められる素養である
  • 正しい法的根拠に基づいた判断は、企業のコンプライアンス遵守に直結する

「昔の知識」で仕事を続けるリスクを回避し、常に最前線のプロとして認識されることが重要です。

転職市場での「客観的な指標」となり、年収アップの交渉力が強まる

転職や昇進において、資格はあなたの実力を初対面の相手に伝えるための最も効率的な名刺となります。

特に実務経験に裏打ちされた資格は、採用側にとっての採用リスクを低減させるため、好条件での内定に繋がりやすくなります。

  • 履歴書に特定の資格があるだけで、書類選考の通過率が格段に上がる
  • 資格手当の支給や、資格保有を条件とした昇格規定がある企業も多い
  • 「できるはず」という主観ではなく、「証明されている」という客観的な強みになる

dodaの調査等でも、資格保有者が年収アップを実現しているデータが多く示されており、確実なリターンが見込める投資と言えます。 https://doda.jp/guide/shikaku/

難易度の高い仕事に挑戦する自信がつき、キャリアの選択肢が広がる

資格取得という成功体験は、あなた自身の自己効力感を高め、よりレベルの高い業務へ挑戦する原動力になります。

自信を持って仕事に取り組めるようになれば、社内の花形プロジェクトへの参画や、CFO候補としてのキャリアも見えてきます。

  • 複雑な会計処理にも動じず、論理的に説明できる自信が身につく
  • 経理以外の部署からも頼られる存在になり、社内での影響力が高まる
  • 「いつでも転職できる」という精神的な余裕が、より良い仕事に繋がる

資格はあなたを縛るものではなく、あなたのキャリアの自由度を最大限に高めてくれるチケットなのです。ことで、変化の激しい時代でも経理として確固たる地位を築けるでしょう。

経理職が直面する課題

経理の仕事は、常に変化する外部環境に適応していく必要があります。グローバル化の進展や税制の頻繁な改正、そして企業の社会的責任の増大は、経理職にとって避けて通れない課題です。

ここでは、経理職が直面する主要な課題について掘り下げていきます。

国際会計基準への対応

経理職の最大の課題の一つは、複雑化・グローバル化する国際会計基準への適応であり、この対応力が企業の国際競争力と経理担当者自身のキャリア発展に直結しています。2024年2月には東証が、英文開示の義務化を発表しました(適用は2025年4月から)

>>プライム市場における英文開示の拡充に向けた上場制度の整備について

日本企業の国際展開に伴い、IFRS(国際財務報告基準)採用企業は年々増加しています。

IFRS適用により、従来の日本基準とは異なる会計処理が必要となり、特に「のれん」の非償却や収益認識基準の違いなど、経理担当者に新たな知識とスキルが求められています。

企業のグローバル化が進む中で、国際会計基準(IFRS)への対応は多くの経理部門にとって喫緊の課題となっています。ただ、日本国内の会計基準との違いを理解し、適切に財務諸表を作成するためには、高度な専門知識が求められます。

IFRSへの対応における主な課題は以下の通りです。

  • 基準の複雑性: IFRSは原則主義であり、適用にあたっては企業の判断が大きく影響するため、専門的な解釈が必要です。
  • システムの改修: IFRSに対応するためには、会計システムや関連システムの大規模な改修が必要となる場合があります。
  • 人材育成: IFRSに精通した経理人材の育成や確保が急務となります。
  • 情報開示の拡充: IFRSでは、詳細な情報開示が求められるため、開示資料作成の負担が増加する可能性があります。

グローバルに事業を展開する企業にとって、IFRSへの適切な対応は、投資家からの信頼を得る上でも不可欠な要素と言えるでしょう。

税制改正への継続的な適応

日本の税制は、毎年のように改正が行われ、その都度、経理部門は対応を迫られます。

法人税、消費税、所得税など、多岐にわたる税制の変更点を正確に理解し、適切に税務処理を行うことは、経理の重要な業務の一つです。

税制改正への適応における主な課題は以下の通りです。

  • 情報収集の継続性: 最新の税制改正情報を常にキャッチアップし、その内容を正確に理解する必要があります。
  • 実務への落とし込み: 改正内容を自社の会計システムや業務プロセスにどのように反映させるかを検討し、実行に移す必要があります。
  • リスクマネジメント: 税制改正への対応が遅れると、過少申告加算税などのペナルティを受けるリスクがあります。
  • 専門家との連携: 複雑な税制改正の場合、税理士などの専門家と連携し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

税制改正への迅速かつ正確な対応は、企業のコンプライアンスを維持し、適切な納税を行う上で不可欠な要素です。

内部統制・コンプライアンス強化

企業不祥事が社会問題となる中、企業の内部統制やコンプライアンスの強化は、経理部門にとってますます重要な課題となっています。

経理は、企業の不正防止の最前線に位置し、適切な会計処理を通じて企業の健全性を保つ役割を担っています。

内部統制・コンプライアンス強化における主な課題は以下の通りです。

  • 不正リスクの評価: 企業内に潜む不正リスクを定期的に評価し、対策を講じる必要があります。
  • 統制活動の設計と運用: 業務プロセスの中に適切な承認や検証の仕組みを組み込み、運用する必要があります。
  • IT統制の強化: 会計システムのセキュリティ強化やアクセス管理など、ITを活用した統制も重要です。
  • 倫理意識の醸成: 従業員全体のコンプライアンス意識を高めるための教育や啓発活動も重要です。

強固な内部統制とコンプライアンス体制は、企業の信頼性を高め、持続的な成長を支える基盤となります。的成長を支える基盤」としての役割へと進化することが期待されています。

経理で働く際の注意点とリスク

経理の仕事は、企業の「お金」を扱うため、非常に重要でやりがいのある仕事ですが、その一方で、細心の注意を要し、様々なリスクも伴います。

正確性や機密性の確保、そして責任の重さについて理解しておくことが不可欠です。

ここでは、経理で働く際の注意点と、それに伴うリスクについて詳しく解説します。

  • 経理で働く際の注意点
  • 経理で働くうえでのリスクについて

まずは、経理で働く際に特に意識すべき注意点から見ていきましょう。

経理で働く際の注意点

経理業務は、会社の財産を管理し、外部に報告する役割を担うため、常に高いプロ意識が求められます。

特に以下の3点については、常に意識しておく必要があります。

  • 正確性
  • 機密性
  • 責任の重さ

正確性

経理の数字は、企業の経営判断の根拠となるだけでなく、税務申告や投資家への情報開示にも使用されます。

そのため、いかなる小さなミスも許されません。

  • 計算ミスや入力ミスがないか、常にダブルチェックを徹底する。
  • 証拠書類との照合を怠らない。
  • 不明な点はすぐに確認し、曖昧なままにしない。

正確な数字を提供することが、経理の最も基本的な責任です。

機密性

経理は、企業の財務情報や従業員の給与情報など、極めて機密性の高い情報を扱います。

これらの情報が外部に漏洩することは、企業にとって甚大な損害をもたらす可能性があります。

  • 情報の持ち出しや私的な利用は厳禁。
  • パスワード管理を徹底し、安易に教えない。
  • 機密情報を含む書類は適切に保管・廃棄する。

情報の取り扱いには最大限の注意を払い、守秘義務を遵守することが求められます。

責任の重さ

経理の仕事は、会社の財政状況を左右する重要な責任を伴います。

一つ一つの業務が、企業の存続や社会からの信頼に直結することを常に意識する必要があります。

  • 自身の業務が全体に与える影響を常に考える。
  • 不正や不備を発見した場合は、速やかに報告・対処する。
  • 法令遵守の意識を高く持ち、倫理的に行動する。

この責任感を持ち続けることが、経理としてのプロフェッショナリズムを保つ上で不可欠です。

経理で働くうえでのリスクについて

経理の仕事は、その性質上、特定の業務リスクを伴います。

これらのリスクを事前に認識し、適切に対処することで、自身や企業を守ることができます。

ここでは、経理が直面する可能性のあるリスクについて解説します。

内部統制の不備

企業内の内部統制が不十分な場合、経理部門は不正や誤謬のリスクにさらされます。

これは、経理担当者自身の問題だけでなく、会社全体のガバナンスの問題とも言えます。

  • 承認プロセスが不明確である。
  • 権限の分離が徹底されていない。
  • 定期的な監査やチェック体制が不十分である。

内部統制の不備は、不正会計や横領などの重大な問題を引き起こす温床となる可能性があります。

職場トラブル

経理部門は、会社の「お金」を扱う部署であるため、他部署との連携が不可欠です。

時には、予算や経費に関する意見の相違から、職場トラブルに発展する可能性もあります。

  • 経費精算や予算申請に関するルールが不明確。
  • 他部署とのコミュニケーション不足。
  • 経理のルールに対する理解不足。

円滑なコミュニケーションと、明確なルール設定により、これらのトラブルを未然に防ぐ努力が必要です。

粉飾決算

最も重大なリスクの一つが、粉飾決算への関与です。

経営層からの圧力や指示により、意図的に財務諸表を操作することは、経理担当者にとって倫理的にも法的にも許されない行為です。

  • 虚偽の取引を記録するよう指示される。
  • 不適切な会計処理を行うよう強要される。
  • 重要な情報を隠蔽するよう求められる。

このような状況に直面した場合は、毅然とした態度で拒否し、必要であれば外部の専門家や内部通報制度を利用するなど、適切な対処をとることが極めて重要です。

粉飾決算が発覚すると、企業の信用が失墜し、経営に大きな影響を与える可能性があります。

クロマル
クロマル

「引当」や「未収計上」「未払計上」処理は、判断がからむため、粉飾につながる可能性が他の処理より高いです。監査法人のチェックも厳しいため、特に疑いを招かないような会計処理やエビデンスの整備が求められます。

経理になるための手順とプロセス

経理の仕事に興味を持ち、これからそのキャリアを築いていきたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

経理のキャリアパスは、未経験から始める場合と、すでに経理経験がある場合で、そのアプローチは異なります。

ここでは、経理未経験から経理になるための具体的な手順と、経理内で希望の業務に就くためのプロセスについて解説します。

  • 経理未経験から経理になる手順
  • 経理内で希望の業務に就くために必要なプロセス

それでは、まず経理未経験から経理になるための手順から見ていきましょう。

経理未経験から経理になる手順

経理未経験からでも、着実にステップを踏むことで経理職への道は開けます。

重要なのは、基礎知識の習得と、実務経験を積むための機会を見つけることです。

社内異動で経理になるには

現在の会社で経理部門への異動を希望する場合、まずは社内での実績を積み、経理への熱意を示すことが重要です。

  • 簿記の資格取得: 日商簿記3級、2級は経理の基礎知識を証明する上で非常に有効です。
  • 経理関連業務への関心を示す: 業務で経理と関わる機会があれば、積極的に情報収集や協力を申し出る。
  • 異動希望の意思表示: 上司や人事部に、経理部門への異動希望を明確に伝える。
  • 社内研修の活用: 経理関連の社内研修があれば、積極的に参加する。

社内での信頼と実績は、異動の大きなチャンスとなるでしょう。

転職で経理になるには

未経験から他社で経理職を目指す場合は、基本的な経理知識があることをアピールし、ポテンシャルを示すことがカギとなります。

  • 簿記の資格取得: 日商簿記2級以上の資格は、転職市場でのアピールポイントになります。
  • 経理補助やアシスタントからのスタート: 最初から専門性の高い経理職ではなく、経理補助やアシスタントとして経験を積むことを検討する。
  • 経理専門の転職エージェントの活用: 経理職に特化したエージェントは、未経験者向けの求人情報やキャリアアドバイスを提供してくれます。
  • 中小企業やベンチャー企業も視野に入れる: 大企業に比べて、未経験者を受け入れる可能性が高い場合があります。

未経験であっても、明確な目標と準備があれば、経理への転職は十分に可能です。

経理の転職ならば、MS-JAPANがおすすめです。詳細は、MS-Japan利用ガイド:経理転職のステップ別解説を参照ください。

経理内で希望の業務に就くために必要なプロセス

経理部門に配属された後も、自身のキャリアプランに沿って希望する業務に就くためには、戦略的なアプローチが必要です。

専門性を高め、実績を積むことが、キャリアアップへの近道となります。

  • 専門知識の深化: 特定の会計分野(税務、原価計算、国際会計など)に興味を持ち、関連する資格取得や学習を進める。
  • 実務経験の積み重ね: 現在の業務で成果を出し、信頼を得ることで、より責任のある業務を任されるチャンスが増えます。
  • 上司や先輩とのコミュニケーション: 自身のキャリアプランや希望する業務について、積極的に上司や先輩と話し合う。
  • 社内研修やOJTの活用: 新しいスキルや知識を習得するための機会を積極的に利用する。
  • 外部研修やセミナーへの参加: 業界のトレンドや最新情報を学び、自身のスキルアップに繋げる。

自身のキャリアに対する明確なビジョンを持ち、積極的に行動することで、経理としての専門性を高め、理想のキャリアを実現できるでしょう。

経理未経験の方が経理業務を希望する際に一番アピールになる資格は、やはり簿記2級、およびMOS(Excel)です。簿記2級の学習には、安価である通信制の専門学校がおすすめです。スタディング簿記講座を活用した学習法については、【口コミ有】スタディングで簿記2級に合格!通信講座で初心者でも合格できる方法を解説を参照ください。

Mosの学習については、【3ヶ月で合格】独学でMOS Excelマスター!効率的勉強法で解説しています。問題集だけでも合格は可能ですが、講義を使用するとしたらUdemyの講座がおすすめです。【経理に必要なExcel技術を習得】Mos試験合格にはUdemyのエクセル兄さんの講座が最適!を参照ください。

経理になるための道は多様ですが、基本的な知識の習得、関連する資格の取得、そして自分のキャリア目標に合わせた戦略的なアプローチが重要です。これらの手順とプロセスを理解し実行することで、経理への道が開けます。

まとめ:変化を恐れず、資格を武器に将来性豊かな経理キャリアを歩もう

AI時代の到来は、経理の仕事を「作業」から「創造的な提案」へと進化させる絶好の機会です。

単に数字を入力するだけの時代は終わりましたが、数字を武器に経営を支えるプロフェッショナルの需要は、今後さらに高まっていくでしょう。

  • AIが得意な定型作業は自動化に任せ、人間は「判断」と「分析」に集中する
  • 簿記やFASS、USCPAなどの資格取得を通じて、客観的な専門性を磨き続ける
  • ITリテラシーを掛け合わせることで、希少価値の高い「DX人材」を目指す
  • 現状維持を捨て、常に学び続ける姿勢を持つことが、最大の将来性保証になる

あなたの将来性を決めるのは、テクノロジーの進化ではなく、あなた自身の学びと行動です。

まずは日商簿記2級の復習や、FASS検定への申し込みなど、小さな一歩から始めてみましょう。

今すぐ資格試験の公式サイトをチェックして、自分自身の市場価値を高めるための第一歩を踏み出してください!

簿記2級のおすすめ教材及び学習については、スタディングで簿記2級に一発合格の記事で解説しています。

経理の将来性に関するよくある質問(Q&A)

経理のキャリアに関して、多くの人が抱く不安や疑問について、現場の視点から回答します。

  • Q1. 未経験から経理を目指すのは、将来性の観点から見て今でもアリですか?
  • Q2. 大手企業と中小企業、どちらの経理の方が将来的なスキルが身につきますか?
  • Q3. 40代・50代のベテラン経理でも、今からスキルアップは可能でしょうか?
  • Q4. 経理以外のスキル(英語やIT)はどの程度重要視されますか?

現在の立ち位置から、一歩踏み出すためのヒントとして活用してください。

Q1. 未経験から経理を目指すのは、将来性の観点から見て今でもアリですか?

結論から言えば、大いにアリです。

ただし、昔のように「座って入力するだけ」の仕事を求めて目指すのであれば、将来性は厳しいと言わざるを得ません。

  • 簿記2級を早急に取得し、基礎知識があることを証明する
  • 前職までの「ITスキル」や「営業力」を経理実務と掛け合わせる
  • AIにはできない「改善提案」への意欲を面接でアピールする

未経験者だからこそ、デジタルネイティブな視点で経理の非効率を改善できる人材は、企業にとって非常に魅力的です。

Q2. 大手企業と中小企業、どちらの経理の方が将来的なスキルが身につきますか?

どちらが良いかは、あなたがどのようなキャリア像を描くかによって大きく異なります。

大手企業は業務が細分化されていますが、高度な連結決算や税務の深い知識が身につきやすく、中小企業は一人で経理全般を回す広範な経験が積めます。

  • 大手:特定の領域のスペシャリストや、グループ全体のガバナンス管理を学べる
  • 中小:経理だけでなく、総務・労務・法務まで含めた経営管理のプロを目指せる
  • どちらにせよ、その環境で「どれだけ効率化を主導したか」の実績が重要になる

将来的にコンサルやCFOを目指すなら中小、より専門性を極めるなら大手が、スキル形成の近道になります。

Q3. 40代・50代のベテラン経理でも、今からスキルアップは可能でしょうか?

年齢に関わらず、スキルアップは十分に可能ですし、むしろ必須と言えます。

長年の経験で培った「数字の違和感に気づく力」や「社内調整力」は、若手にはない圧倒的な強みです。

  • 最新のITツールやクラウド会計の仕組みを毛嫌いせず、積極的に触れてみる
  • 経験に最新の法改正(インボイス等)の知識を上書きし、頼られる存在であり続ける
  • 若手への教育や、組織全体の業務フロー改善に経験を活かす

「経験×新しい技術」を組み合わせたベテランは、組織の要としてこれからも重宝され続けます。

Q4. 経理以外のスキル(英語やIT)はどの程度重要視されますか?

現代の経理において、これらのスキルはもはや「あれば望ましい」ではなく「必須に近い」ものになっています。

特にITスキルがない経理担当者は、自動化の波に飲み込まれてしまうため、最優先で習得すべきです。

  • IT:業務効率化の根幹であり、DXを推進するために不可欠なスキル
  • 英語:グローバル化が進む中、海外子会社の管理や英文会計の需要に対応するため
  • コミュニケーション:経営陣や他部署に数字の背景を説明し、動かすために必要

これらのスキルを掛け合わせることで、あなたの市場価値は代替不可能なレベルまで高まります。