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「5年後のキャリアプランを教えてください」と面接で聞かれて、言葉に詰まったのではないでしょうか。あるいは同じ決算を何度も回すうちに、この先どこへ向かうのかが見えなくなったのかもしれません。経理は、キャリアの道筋が社内から見えにくい職種です。営業のように数字で順位が付くわけでもなく、上の席が空かなければ役職も動きません。
僕は経理歴18年、大手メーカーで原価計算を10年、収支管理を3年やったあと、国内子会社の管理を経て、いまは海外子会社を日本側から見ています。原価計算しか知らなかった時期に取った税法の資格が、9年後に子会社の税務を任されたときに効きました。就職活動のときは簿記1級を持っていたので、東証プライム上場の企業2社から内定をもらえています。
この記事では、経理のキャリアパスを3つに整理し、それぞれで求められるスキル・資格・年収の動き方をまとめました。読み終えると、面接でそのまま話せる形の言葉と、次に取る資格が1つ決まります。
先に結論を書きます。経理のキャリアは「役職で上がる」「専門で深める」「経理の外へ出る」の3方向です。そして、この3つのどれを選んでいても、会社を移るという選択肢が横断的に存在します。僕の周りで実際に一番多かったのは、経理のまま別の会社へ移った人たちでした。
経理のキャリアパスは3つしかない
経理のキャリアパスは、突き詰めると3方向です。どれを選んでも土台は同じ経理実務で、分かれるのは30代以降になります。

| キャリアパス | 何で評価されるか | 詰まりやすい点 |
|---|---|---|
| 役職で上がる | 部下の育成、部門の運営 | 上の席が空くかどうかに左右される |
| 専門で深める | 連結・税務・原価など特定分野の深さ | 会社にその分野の仕事があるかに左右される |
| 経理の外へ出る | 数字で事業を判断できるか | 経理としての実績がそのままでは通じない |
3つを並べて気づくのは、右の列がすべて自分の努力の外側にあることです。経理のキャリアが描きにくい理由は、能力より先に「会社にその仕事があるか」で決まる部分が大きいからだと僕は考えています。
そして、この表の右の列がどうにもならないと判断したときに出てくるのが、会社を移るという選択肢です。3つの道と並ぶ4つ目ではなく、どの道を選んでいても取れる横断的な手段なので、この記事では最後に別の節を立てて扱います。
だからこそキャリアプランは、「何になりたいか」より先に「いまの会社にどの道があるか」から確認したほうが早く進みます。
僕のキャリアが動いたのは、資格を取った9年後だった
資格に受かった日に、何かが起きたわけではありません。効いてきたのは9年たってからでした。
入社から10年ほど、僕は原価計算を担当していました。標準原価を組み、差異を分析し、月次で工場の数字を締める仕事です。10年やれば一通りできるようになりますが、社内から見ると「原価の人」で固定されます。次の担当が回ってくる気配はありませんでした。
そこで受けたのが税法能力検定です。2011年に法人税法2級と消費税法2級を取り、翌2012年に法人税法1級に合格しました。税務の担当ですらない時期です。原価計算しか知らない人間が、勤務時間の外で税法の問題集を開いていました。
- 法人税法能力検定1級: 学習期間半年、過去問5周
- 消費税法能力検定1級: 学習時間100時間・期間3ヶ月、過去問5周
- 試験の全体像は税法能力検定とはにまとめています
取った直後は、何も起きませんでした。担当は原価計算のままです。その後は収支管理へ移って3年、決算や連結の側を回していました。
税法の知識が実際に要ったのは、2021年に国内子会社の管理へ移ったときです。子会社の税務をゼロから立ち上げることになり、9年前に読んだ内容をそのまま使いました。消費税法1級に合格したのも、この担当になった2021年の2月です。
経験上、資格は「取ったら次が来る」道具ではありませんでした。話が来たときに手元にあるかどうかの道具です。取ってから使うまでに、9年空くこともあります。
勉強法はそれぞれの記事にまとめました。
資格の効果を大きく見積もりすぎていた話も書いておきます。新卒の就職活動のとき、面接で簿記1級について「すごいね」と言われたので、希望どおり経理に配属されたのも資格のおかげだと思っていました。ところが入社後の経理研修で「第3希望で経理になっちゃった」と話している同期がいて、配属は資格で決まっていたわけではないと気づきました。
簿記1級の効果を実感できたのは、面接の場だけです。資格が効く範囲は、思っているより狭いことがあります。
もっとも、僕は最初から資格に強かったわけではありません。簿記3級で30点を取って落ちています。合格点の半分以下でした。2021年には税理士試験の消費税法にも手を出しましたが、こちらは全く歯が立ちませんでした。うまくいった話だけを並べても参考にならないので、この2つも書いておきます。
3つのパスで、求められるものはこう違う
同じ経理でも、目指す方向によって伸ばすべきスキルは変わります。3つを順に見ていきます。
役職で上がる道
部門を運営する側に回る道です。経理課長、経理部長、その先にCFOがあります。
求められるのは会計の深さより、人と数字を同時に動かす力です。決算を締める能力は前提として見られ、評価されるのはその上のレイヤーになります。
- 決算スケジュールを組み、複数人で回す
- 監査法人や税理士との折衝を自分の名前で行う
- 予算を経営会議で説明し、その場で質問に答える
僕の周りで、この道を実際に上がっていった先輩が一人います。社内公募に手を挙げて本社の経理部門へ移り、基幹システムの導入担当になった人でした。導入が終わったあとに課長へ昇進し、会計システムの窓口のような立場になっています。
順番待ちで席が空いたわけではなく、誰もやりたがらない大きな仕事を一つ引き受けたことで動いた、という順番でした。ただし本人は「しんどい」とも言っていました。上がるということは、その分だけ引き受けるということでもあります。
ただし、この道は席の数で決まります。人が抜けなければ役職は空かず、実力があっても順番待ちになるのが実情です。経理部の中にある見えにくい序列については、経理カーストで詳しく書きました。
専門で深める道
連結決算、税務、原価計算、IFRSなど、特定の領域を掘り下げる道です。
こちらは席の数に左右されません。会社にその業務がある限り、深めた分だけ替えの利かない人になります。僕が税務側へ移ったのもこの道筋でした。
- 連結決算: 子会社が複数あり、資本関係が動く会社で価値が出る
- 税務: 申告書を自分で作れる人は、事業会社では希少
- 原価計算: 製造業に限られるが、他社へ移っても通用する
何年か一緒に働いた同期に、在職中から社会人大学院へ通っていた人がいます。そこで税理士試験の科目免除を得て会社を辞め、実家の税理士事務所を継ぎました。会社にいた頃は月80時間近く働いていた人だったので、いまのほうが穏やかにやれているだろうと思います。
この人の場合、深めた専門がそのまま次の場所の土台になりました。専門を深める道は、社内で評価されるためだけの選択とは限りません。
注意したいのは、その専門が自社にしか存在しない可能性です。社内の独自ルールに詳しいだけの状態は、専門性とは呼べません。経理として汎用的に評価されるスキルは経理に必要なスキルにまとめています。
経理の外へ出る道
経営企画、財務、IR、コンサルタントなど、経理の経験を持ったまま別の職種へ移る道です。
経理が持っている「会社のお金の流れを全部見ている」という視点は、外へ出ると武器になります。一方で、経理としての正確さはそのままでは評価されません。求められるのが、過去の数字を締める力ではなく未来の数字を作る力だからです。
- 経営企画: 予算・中期計画の立案、新規事業の採算性の判断
- 財務: 資金調達と資金運用。経理が過去を扱うのに対し、財務は未来を扱う
- IR: 決算の内容を投資家へ説明する
この道を選ぶなら、月次決算のなかで「なぜこの数字になったのか」を説明する経験を意識して増やしておくと、そのまま面接で話せる材料になります。
年収がどこで動くかを先に知っておく
年収がどの段階で動くのかを知らないままキャリアプランを立てると、努力の方向がずれます。
経理の年収が上がるタイミングは、大きく2つです。役職が付いたときと、扱う会社の規模が変わったときになります。資格を取った直後に給与が跳ねることは、僕の知る範囲ではほとんどありません。資格が効くのは、担当が変わって経験が増え、その経験で評価されるまでの時間を短くする部分です。
年代別・役職別の相場は経理の平均年収に数字を出しています。自分の現在地と比べてみてください。
キャリアが詰まったと感じる3つの壁
経理として何年か働くと、多くの人が同じところで止まります。僕が実際に見てきた壁は3つです。
決算が回せるようになった後に、次が無い
月次も年次も自分で締められるようになった時点で、担当業務としての伸びしろは一度なくなります。ここから先は、部下を持つか、専門を掘るか、外に出るかの分岐です。何もしなければ同じ1年を繰り返すことになるのは、経理という仕事の性質上どうしても起きます。
経理部の中での位置が固定される
同じ経理部でも、決算を締める人と伝票を処理する人では見られ方が違います。この構造は口に出されませんが、担当の割り振りにはっきり表れます。詳しくは経理カーストをご覧ください。
経理という仕事自体の将来が不安になる
会計ソフトの自動化やAIの進化を見て、この仕事は残るのかと考える人は多いはずです。僕の見方は経理の将来性にまとめました。結論だけ書くと、なくなるのは作業で、残るのは判断です。
18年やると、社外からは管理職候補として扱われる
自分がどの道を選ぶかとは別に、社外からどう見られるかという問題があります。これは実際に数字で確認しました。
僕は転職エージェントに1社だけ登録しています。すぐに動くつもりはなく、情報収集のためです。2024年4月から2026年3月までの2年間で、23件の求人紹介が届きました。その内訳がこうでした。
| 項目 | 内訳 |
|---|---|
| 管理職・課長候補・部長候補・CFO候補 | 13件 |
| リーダー候補・スタッフ | 10件 |
| 未経験可 | 1件 |
| 年収レンジ | 350万〜1,200万円 |
23件のうち13件、半分以上が管理職の求人でした。残りもリーダー候補や、上場企業で連結決算を担当するポジションが中心です。
これは考えてみれば当然で、経歴に18年と書いてある人に、担当者が一般スタッフの求人を送る理由がありません。経験年数がそのまま「マネジメントができる人」という前提に変換されます。
問題は、それが自分の希望と一致しているとは限らないことです。僕は管理職になるつもりがないので、届く求人と自分の向きが逆になっています。
ここから2つ言えます。
1つ目は、専門を深める道を選ぶなら、それを自分から書いておかないと伝わらないということです。職務経歴書に業務を並べただけでは、年数から逆算されて管理職候補の枠に入れられます。「連結決算を深めたい」「税務を専門にしたい」と明示して初めて、その方向の求人が来ます。
2つ目は、社内でも同じことが起きている可能性が高いということです。社外の担当者が経歴だけを見て管理職候補と判断するなら、社内で自分の希望を言っていない人も、同じように扱われているはずです。
年数が増えるほど、黙っていると役職の方向へ流されます。3つの道のどれを取りに行くかを決めるべきなのは、こういう理由からです。
面接でキャリアプランを聞かれたときの答え方
転職の面接で「キャリアプランを教えてください」と聞かれたとき、聞かれているのは夢ではありません。採用側が確かめたいのは、この会社で何年か働き続ける理由があるかどうかです。
答えるときは、次の3つを1セットにすると噛み合います。
- いま自分ができること(担当してきた業務を、期間と規模で言う)
- これから伸ばしたい領域(その会社に実際にある業務を選ぶ)
- その先に会社へ返せるもの
避けたほうがよいのは、「CFOを目指しています」のように役職名だけを置く答え方です。ポストの数は会社の事情で決まるため、相手が検証できません。
僕の経歴なら、次のように話します。
原価計算を10年担当し、標準原価の設定から差異分析まで一通り回してきました。その後は収支管理を経て子会社の管理へ移り、直近は海外子会社を日本側から見ています。次は連結側にも関わり、単体と連結の両方を見られる状態を作りたいと考えています。
期間と業務名が入っているので、相手は「では当社の連結決算はこの規模です」と話を進められます。ここまで具体化できていれば、面接は質問ではなくすり合わせの場になるはずです。
経理に特化した転職エージェントの使い方は、経理転職とMS-Japanの使い方にまとめています。
どの道を選んでいても、会社を移る選択肢は横にある
ここまで社内での3方向を書いてきましたが、実際に一番多く見てきたのは、経理のまま別の会社へ移った人たちでした。18年のあいだに辞めていった経理の同僚を思い返すと、他社への転職が最も多い動きです。
役職で上がる道も、専門で深める道も、経理の外へ出る道も、自社の中に席がなければそこで止まります。表の右の列に書いた「自分の努力の外側」がどうにもならないとき、場所を変えるという手段が残っている、という位置づけです。
移った先で何が変わったか
具体的に見聞きした範囲で書きます。会社名は伏せます。
- 地元へ帰るために移った同僚 — 勤務地を選べる形で転職し、移った先で新しい会計システムの導入を任されていました。必要とされている実感があるようで、楽しそうにやっています
- 移った先からさらに移った同僚 — 大手から大手へ渡っていける人ですが、最初の転職先で3年ほどで次を探しています。転職すればそれで解決というわけではないのだと、この人を見て思いました。ただ希望の勤務地では働けているようです
- 専門を深めて独立した同僚 — 在職中に社会人大学院へ通い、税理士試験の科目免除を得て退職しました。月80時間近く働いていた人なので、いまのほうが穏やかだろうと思います
一方で、移った先で海外赴任になった人もいます。同じ「転職」でも、その後に何が起きるかは人によって違いました。
辞めた人に共通していたのは、条件のほうでした
辞めていった人たちを思い返して、能力や意欲で説明できた例はほとんどありません。共通していたのは、勤務地を動かせないといった家庭の事情のほうでした。転職活動の初期から上司に伝えていて、周囲も薄々分かっていた、という形です。
残る人と辞める人の違いは、正直なところ僕には分かりません。残ると思っていた人が辞め、辞めると思っていた人がいまも一番きつい部署で頑張っています。
18年見てきて一つだけ思うのは、不満を口に出している人のほうが会社に残っている気がする、ということです。不満を言わない人ほど、ある日すっと辞めていきます。因果関係は分かりませんが、傾向としては何度も見ました。
エージェントに登録しておくと、自分の値札が見える
僕自身は転職活動をしたことがありません。ただ、経理職向けのエージェントには登録してあります。
登録して分かったのは、書いた内容の通りにしか声がかからないということでした。僕は資格のことをほとんど書かず、英語についても一切書いていませんでした。その状態で届いたのは、経理歴の長さに反応した求人だけです。希望地域を指定していたので、そのエリアの求人が何件か届きました。
転職するかどうかを決める前でも、登録だけしておくと自分の経歴がどう読まれるかが分かります。そして、書いていない資格は評価のしようがないということも、身をもって分かりました。
上がらない、という選び方もある
経理のキャリアの記事は、たいてい「どう上がるか」を前提に書かれています。ここでは逆の話を書きます。僕はいま、管理職の話を断る方向で動いています。
断る理由を並べたときに自分でも意外だったのは、そこに「向いていない」も「自信がない」も入っていなかったことです。入っていたのは配置の話でした。
断る理由は、気持ちではなく配置で組む
僕の担当は一人体制で、管理職になっても現業を引き取る人がいません。つまり管理業務が減った分ではなく、純増で乗ります。そこに調整と報告が加わると、業務量はおそらく1.5倍から2倍です。そして最初に落ちるのは、いま一番効いている「細かい数字の分析」でした。数字の整理をする人がいなくなり、結局それも自分がやることになります。
ここが実務的なポイントです。同じことを「自信がない」「向いていない」と言った瞬間に、話は「まずは一度やってみたら」で終わります。気持ちを理由にすると、相手には励ませば解決する問題に見えるからです。
配置の話に翻訳すると、反論の形が変わります。「引き取る人がいる」か「いない」かは事実の話なので、やる気の問題にすり替えられません。
同じ内容でも、伝わり方はこれだけ変わります。
| 気持ちで言う | 配置で言う |
|---|---|
| 責任を負うのが不安です | 手を付けたことのない領域まで、一次回答の窓口になります |
| 忙しくなるのが心配です | いまの業務を引き取る人がいないので、純増になります |
| 分析の仕事が好きなんです | 分析が落ちると、月次で数字の基準を整理する人がいなくなります |
右の列は、どれも「自分がどう感じるか」ではなく「会社で何が起きるか」を書いています。
断るのではなく、どの形で貢献するかを出す
もう一つ効いたのは、断って終わりにしないことでした。「やりません」ではなく「作業と交渉を切り分けてもらえるなら、この形でなら受けられます」という代案を一緒に出します。
断ると、相手には損だけが残ります。代案があれば、相手は選べます。上がらない選択をするときほど、相手にとっての損得で話すほうが通ります。
なぜこの選び方になったのか
もとをたどると、決算の時期に子どもが熱を出して途中で帰った翌朝、当時の部長から全員の前で叱責されたことがありました。そのとき「会社のために無理はしない、ただし自分の環境が脅かされるのも避ける」という線を引いています。10年以上前のことですが、いまも戻っていません。
上がらない選択は、意欲の欠如とは限りません。どこまで引き受けるかを先に決めているだけ、という場合があります。もし同じことを考えている人がいたら、理由を気持ちの言葉から配置の言葉に置き換えてみてください。通り方が変わります。
キャリアプランを立てるときにやりがちな失敗
最後に、計画そのものを壊してしまう失敗を3つ挙げます。
計画を細かく作りすぎる
3年後、5年後、10年後まで細かく決めると、1つずれた時点で全部を作り直すことになります。決めておくのは方向だけで十分です。僕自身、原価計算から税務へ移るとは10年前には考えていませんでした。
資格を取ること自体が目的になる
資格は担当を変える道具であって、取っただけでは何も起きません。取ったあとに「この資格を使う仕事をやらせてほしい」と言える場所があるかどうかを、受ける前に確認しておくべきです。どの資格から取るかは経理資格の優先順位にまとめました。
向いていない可能性を検討しない
経理を続ける前提だけで考えるのも危ないところです。数字を扱う仕事が自分に合っているかを一度立ち止まって考えたほうが、結果的に遠回りになりません。簿記に向いていない人に、僕が見てきた特徴を書いています。
よくある質問
Q. キャリアプランは何年先まで決めればいいですか
方向だけを決めて、具体的な行動は1年先までで十分です。経理の異動は会社の都合で決まる部分が大きく、3年より先を細かく決めても計画のほうが先に壊れます。決めるべきは「役職・専門・社外の3つのうちどれを取りに行くか」の1点です。
Q. 未経験から経理に入る場合、最初の目標はどこに置くべきですか
月次決算を1人で締められる状態です。そこまで到達すると、経理として一度は評価されるラインに乗ります。資格でいえば日商簿記2級が入り口になります。
Q. 資格を取れば年収は上がりますか
僕の経験では、取った直後には上がりません。上がるのは、その資格が要る仕事が回ってきて、経験として積み上がったあとです。僕の場合は資格から9年かかりました。順番としては、資格、担当変更、経験、年収の4段階をたどります。
Q. 経理から他職種に移るなら、何年目が適していますか
年次より、年次決算を通しで経験したかどうかで判断してください。1年分の決算を最初から最後まで見た経験があれば、経営企画でも財務でも話が通じます。
Q. 税理士や公認会計士を目指すべきですか
働きながらの場合、必要になってからで遅くありません。僕は税理士試験の法人税法に手を出して全く歯が立ちませんでした。実務との距離が近い試験から段階的に受けるほうが、途中でやめずに済みます。社会人の受験環境は社会人から目指す税理士試験にまとめました。
まとめ: 経理のキャリアは3つの道から1つを選ぶ
経理のキャリアは「役職で上がる」「専門で深める」「経理の外へ出る」の3つしかありません。3つとも土台は同じ経理実務で、分かれるのは30代以降です。
- 3つの道は、能力より先に「いまの会社にその仕事があるか」で決まる
- 僕のキャリアが動いたのは昇進ではなく、税法の資格に受かった時だった
- 資格は年収を直接は上げないが、担当が変わるまでの時間を短くする
- 面接では役職名ではなく、期間と業務名で話す
まずやることを1つだけ挙げるなら、3つの道のうちどれを取りに行くかを決めることです。決まれば、次に取る資格も、社内で希望を出す先も自動的に絞れます。