税理士試験の教材と模試|通信講座に足した問題集と、質問できなかった理由

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税理士試験の教材と模試|通信講座に足した問題集と、質問できなかった理由

税理士試験は独学でいけるのか。

私は通信講座を取っています。それでも第76回の机の上には、講座のほかに市販の問題集と、3社ぶんの模試が並びました。

この記事は、経理歴18年・簿記1級の私が、2026年8月の第76回(簿記論・財務諸表論)に向けて実際に使った教材の記録です。講座を取っていても自分で足すことになったものと、その理由を、合格体験記ではない形で書きます。

税理士試験で、実際に机の上にあった教材

第76回に向けて手元にあったのは、次の5種類でした。

用途 使ったもの
通信講座スタディング 税理士講座(簿記論・財務諸表論)
理論つながる会計理論(ネットスクール)
個別問題ネットスクールの教科書・問題集シリーズ
過去問税理士試験過去問ヨコ解き問題集(簿記論・財務諸表論)
直前期各社の模試・直前予想問題集(第3節で書きます)

このうち、いちばん手が伸びたのは財務諸表論の問題集でした。理由ははっきりしていて、簿記論のほうが計算問題の量が多く、私の力ではまだ最後まで解き切れなかったからです。解けるところから手が動くので、自然と財務諸表論に寄りました。

もう1つ、買い方にも癖があります。テキストはKindle、問題集は紙で買っています。通勤に持ち歩く冊数を減らすためです。テキストは読むだけなので画面でよく、問題集は手を動かすので紙でないと使えない、という分け方になりました。

なお、TACの『計算問題の解き方』『総合問題の解き方』も持っていますが、第76回に向けては開いていません。買ったまま使っていない教材がある、というのも実際のところです。

通信講座を取っていても、市販の問題集を足した

まず、私にとってスタディングが「独学」なのか「講座」なのかを書いておきます。

私の感覚では、講座です。何万円もかかっている時点で独学とは呼べない、というのが素直なところでした。ただ、いつ何をやるかの日程は決まっていません。決まった日程で進むのが講座だとすれば、そこは自分で組み立てているので、半分独学・半分講座という言い方がいちばん近いと思っています。

その講座を取ったうえで、なぜ市販の問題集を足すことになったのか。

いちばん大きかったのは、論点ではなくペースがわからなかったことです。周りの受験生の様子を聞く機会がないので、「ここまで勉強しているけれど、本当にこれで間に合うのか」がずっと分かりませんでした。講義は基本的に車の中で聞いていて、聞くだけで終わる日も少なくありません。演習をやっていなくて大丈夫なのか、という不安に答えてくれる人がいない。それが独学のしんどいところだと思います。

ここで、講座にはQ&Aチケットという質問できる仕組みがついていました。ところが私は、第76回が終わるまで一度も使っていません。

使わなかった理由は3つあります。

  1. そもそも使うという発想に至らなかった
  2. 解答を読んで流れを理解して「なるほど」で済ませていたので、どこが分からないのかがはっきりしておらず、聞くに聞けなかった
  3. 「これで間に合うのか」という漠然とした不安は、聞いても漠然とした答えしか返ってこないと分かっていた

2つ目が本体だと思っています。質問できる仕組みがあっても、自分の分からなさを質問の形に変換できないと使えません。これは講座派か独学派かに関係なく起きることで、私は市販の問題集を足すことで埋めようとしました。手を動かせば、分からない場所が問題番号として出てくるからです。

足した過去問集の使い方も、少し変わっています。問題と解答を横に並べて見られるように、本を物理的に2つに割きました。そのうえで解答のほうに矢印を書き込んでいます。この使い方の詳細は、簿記1級から税理士試験に進んだときの話と一緒に別の記事に書きました。

簿記1級は税理士試験にどこまで通用する?簿記論で沈んだ1級保有者の勉強法

模試は3社ぶん、自宅で受けた

「公開模試を受けなかった」という書き方は、私の場合は正確ではありません。会場には行かなかったけれど、自宅受験で3社ぶん受けています。昨年も今年も受けました。

受けたのは次の形です。

  • 自宅受験の模試(1科目5,000円) … TAC(簿記論・財務諸表論)/大原(財務諸表論のみ)/LEC(簿記論・財務諸表論)
  • 問題集の形をした模試 … 中央経済社の直前予想問題集(3社ぶんの模試が入っているもの)/ネットスクールのラストスパート模試

印象に残っているのはLECの簿記論です。去年も今年も非常に難しく、解説講義で講師が「受験生がひっかかる論点をまとめた」と話していました。難易度が高いこと自体に意図がある模試だと分かってから、点数の受け止め方が変わりました。

ただ、自宅受験には自宅受験の弱点があります。2時間を自分で計っても、その2時間が守られません。家で受けている以上、途中で話しかけられれば止まります。結果として、時間を計って最後まで走り切る感覚だけが身につかないまま本試験に行きました。教室で受ける模試の価値は問題の中身ではなくここにあるのだと、終わってから分かりました。

模試をたくさん受けたこと自体は間違っていなかったと思っています。消化しきれていたかは別の話ですが、少なくとも「本試験の形式に触れた回数」は増えました。

これから税理士試験を始める人が、教材を揃える順番

ここまでが私の実物です。そのうえで、同じ順番でもう一度やるかと言われると、変えるところがあります。

  1. 講座か独学かを先に決めて、教材の中心を1つにする

私は講座を中心に置きながら、市販の問題集を足しました。この形自体は悪くないと思っています。ただ、中心がどれかを決めずに買い足すと、使わない教材が残ります。実際に開いていない問題集が手元にあります。

  1. 過去問を早い段階で入れる

私はAランクの論点から順に潰す形に切り替えました。全部やろうとしていたのをやめ、まず総合問題が解けるようになるための「型」を作るほうを優先した形です。この判断自体は良かったのですが、過去問集は全ジャンルを網羅していません。網羅されていない部分は、別の問題集などで自分で埋める必要があります。

  1. 「どこが分からないか」を書き出す習慣を、質問できる仕組みより先に作る

これが第2節の結論です。Q&Aチケットのような仕組みは、分からなさを言葉にできて初めて使えます。逆に言えば、分からない場所を問題番号で言えるようになった時点で、講座のサポートは急に役に立ちます。

  1. 直前期の模試は、1回でいいので時間を守れる場所で受ける

自宅受験は安くて手軽です。ただ、時間の感覚だけは自宅では育ちませんでした。

働きながらどう時間を作るかについては、別の記事に書いています。

税理士試験と社会人の勉強時間|スキマ時間で増やせるのはインプットだけ

まとめ

第76回に向けて私が使ったのは、通信講座1つ、理論の本1冊、市販の問題集、過去問集、そして3社ぶんの模試でした。

講座を取っていても、市販の教材を足すことになりました。足した理由は「講座の中身が足りない」ではなく、自分の分からなさを質問の形にできなかったからです。分からない場所を特定する作業を、問題を解くことで代用していた、という言い方が正確だと思います。

まだ合格していないので、この記事は合格法ではありません。ただ、教材を揃える段階で迷っている人には、実際に何が机の上に並んだかのほうが役に立つ場面があると思って書きました。

よくある質問

Q. 税理士試験は独学で合格できますか?

私は通信講座を使っているので、完全独学については答えられません。ただ、講座を取っていても市販の問題集と模試は足すことになりました。「講座だけで完結する」「市販教材だけで完結する」のどちらも、私の場合は成り立ちませんでした。

Q. 公開模試は会場で受けたほうがいいですか?

内容だけを見るなら自宅受験でも同じ問題が解けます。ただ、私は自宅受験で2時間を守り切れませんでした。時間を計って最後まで走る練習をしたいなら、1回は会場で受ける価値があります。

Q. 通信講座と市販の問題集、どちらを先に買うべきですか?

先に中心を決めるほうが大事だと思います。私は講座を中心に置いて、あとから問題集を足しました。逆の順番でも構いませんが、両方を同時に買うと、開かない教材が出ます。

Q. 税理士試験の受験手数料はいくらですか?

1科目4,000円で、受験する科目数が増えるごとに上がり、5科目で10,000円です(令和8年度・第76回)。合格基準は各科目とも満点の60パーセントで、1科目ずつ受験できる科目合格制です。


ちなみに——通信講座そのものの中身については、別の記事で書いています。

【スキマ時間で合格!】スタディング活用法:税理士試験簿財科目合格のコツ