簿記資格は取るべき?現役経理が教える「損しないための判断基準」と学習法

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簿記資格は取るべき?現役経理が教える「損しないための判断基準」と学習法

経理の仕事に興味があるけど、簿記の資格がないから無理かな…」

「今、資格なしで経理をしているけど、このままでキャリアアップできるんだろうか…」

そんな風に、資格がないことで、一歩踏み出すことをためらったり、将来に漠然とした不安を感じたりしていませんか?

この記事は、そんなあなたのための「キャリアの羅針盤」です。
読めば、その不安は自信に変わり、あなたが今何をすべきかが、くっきりと見えてくるはずです。

【この記事でわかること】

  • 資格なしで経理になる具体的な方法と求められる能力
  • 「資格なし」で働き続けることのリアルなデメリット
  • 資格取得のメリットと、資格がなくてもプロとして活躍する道筋

資格の有無が、あなたの価値を決める全てではありません。
大切なのは、あなたに合った方法で専門性を高め、自信を持ってキャリアを歩んでいくことです。

僕自身、経理歴15年の経験の中で、簿記資格を持たない状態で経理に配属されてくる方も見てきました。その上で、簿記未経験の方が経理業務に慣れるのは、時間をかければ十分可能であると考えます。特に、Excelスキルを持った方は実務を行うスピードが速いことで、業務に慣れるのもスムーズです。

実務経験の重要性、他の関連スキルの習得、そして経理未経験から経理担当となるための戦略まで、現時点で簿記資格がないあなたが経理として成功するためのヒントが詰まっています。この記事を読むことで、簿記資格の有無に関わらず、経理の道を歩む自信と知識を得ることができるはずです。

経理の仕事と簿記資格の必要性

経理の仕事に興味があるけれど、簿記の資格を持っていない…」
そんな不安を抱えている方も、決して少なくないはずです。

まず結論からお伝えすると、資格がなくても経理のキャリアをスタートさせることは可能です。
しかし、簿記が経理業務の根幹をなす重要なスキルであることもまた事実です。
このセクションでは、経理の仕事内容と簿記が果たす役割について、その基本的な関係性から紐解いていきましょう。

  • 経理業務の概要
  • 経理業務と簿記の基本的な関係
  • 簿記が経理職で果たす3つの重要な機能

なぜ簿記が重要なのかを理解することが、あなたのキャリアプランを考える上での第一歩となります。

経理業務の概要

経理の仕事は、単にお金を数えたり、伝票を処理したりするだけではありません。会社の経済活動全体を正確に記録・管理し、経営陣や株主といった利害関係者に報告する、非常に重要な役割を担っています。
その業務は、日々の細かい作業から、月ごと、年ごとの大きなサイクルで動いています。

  • 年次業務: 一年の総仕上げである年次決算、貸借対照表や損益計算書の作成、税務申告など。
  • 日次業務: 現金の管理、預金の入出金確認、経費の精算、伝票の起票など。
  • 月次業務: 月末の勘定残高の確認、試算表の作成、月次決算報告など。

これらの業務を通じて、会社の財政状態と経営成績を正確に把握し、経営の羅針盤となる情報を提供することが、経理の使命なのです。

経理業務と簿記の基本的な関係

経理業務と簿記は、切っても切れない密接な関係にあります。

もし経理業務が「料理」だとすれば、簿記はその料理を作るための「レシピ」や「調理技術」に相当します。
日々の取引という食材を、簿記というルール(レシピ)に従って仕訳(調理)し、最終的に決算書という名の美しい料理を完成させるのです。

  • 簿記は経理の「共通言語」: 部署内はもちろん、監査法人や税理士など、外部の専門家と話す上でも簿記の知識は不可欠です。
  • すべての業務の土台: 伝票一枚の処理から、壮大な財務戦略の立案まで、すべての経理業務の根底には簿記の考え方が流れています。

簿記を理解しているかどうかで、日々の業務に対する理解度や、仕事の質は大きく変わってくると言えるでしょう。

簿記が経理職で果たす3つの重要な機能

簿記は、経理職において主に3つの重要な機能を果たしています。
これらの機能は、企業の健全な運営と成長に欠かせないものです。

  1. 記録機能:
    • 企業のあらゆる取引を、体系的に、漏れなく、正確に記録します。これにより、後から取引内容を追跡・検証することが可能になります。
  2. 測定機能:
    • 一定期間の利益や損失(経営成績)と、期末時点での資産や負債の状況(財政状態)を、金額として客観的に測定します。
  3. 伝達・報告機能:
    • 測定した結果を決算書という形でまとめ、経営者や株主、銀行、税務署などの利害関係者に伝達・報告します。

この3つの機能を通じて、簿記は会社の経済活動を「見える化」し、社会的な信頼を維持するための、まさに縁の下の力持ちとなっているのです

簿記資格がなくても経理になれるケース

「やっぱり簿記がないと経理は無理なのか…」と、肩を落とすのはまだ早いです。
結論として、簿記資格がなくても経理職に就くことは十分に可能です。

特に、未経験者を歓迎している求人では、資格の有無よりもポテンシャルや人柄が重視されることも少なくありません。
このセクションでは、資格なしで経理のキャリアをスタートさせる具体的な方法と、その際に求められる能力について解説します。

  • 未経験から経理に入る方法
  • 経理業務未経験でも求められる能力

資格がないからと諦める前に、あなたにできることを見つけていきましょう。

未経験から経理に入る方法

未経験から経理職を目指す場合、いくつかのルートが考えられます。
いきなり専門的な業務を任されることは少ないですが、アシスタント的な立場からスタートし、実務を通じてスキルを身につけていくのが一般的です。

  • 未経験者向けの求人に応募する:「未経験者歓迎」と明記されている求人では、入社後の研修やOJTが充実していることが多いです。
  • 派遣社員として経験を積む:まずは派遣社員として経理補助などの業務を経験し、それを足がかりに正社員を目指すという方法もあります。
  • 社内異動を希望する:現在、他の職種で働いている場合、社内の公募制度などを利用して経理部門への異動を希望するのも有効な手段です。

特に、人手不足の中小企業などでは、資格よりも意欲や人柄を重視して採用するケースも見られます。

クロマル
クロマル

僕が入社した時、「配属の第3志望で経理」とした人でも経理に配属されるほど、経理が不足していた時期でした。時期によりますが、学習意欲がある人は採用される可能性が高いです。

経理業務未経験でも求められる能力

資格がない分、それ以外の部分で「この人なら経理を任せられる」と思わせるアピールが必要です。
経理の仕事は、専門知識だけでなく、その人の持つ素養やスタンスも非常に重要視されます。

面接などでは、以下のような能力や資質を持っていることを、具体的なエピソードを交えてアピールすると良いでしょう。

  • 正確性と注意力: 細かい数字を扱い、ミスが許されないため、丁寧で慎重な作業ができること。
  • 誠実性と責任感: 会社のお金という重要な情報を扱うため、真面目で口が堅いこと。
  • コミュニケーション能力: 社内外の様々な人と関わるため、円滑な人間関係を築けること。
  • 学習意欲: 入社後に簿記などの専門知識を積極的に学んでいく姿勢。
  • 基本的なPCスキル: 特にExcelの基本操作は、多くの企業で必須スキルとされています。

これらのポータブルスキルは、どんな職種でも役立つあなたの強みとなります。

特に、経理に特化するならばこのスキルが重宝されると思います。

  • Excelスキル
  • 数値の理解力
  • 説明スキル

ただやはり、転職等で経理に就くには「簿記2級」を応募の条件とする企業も多いのが事実です。

クロマル
クロマル

経理業務でExcelは使わない日はないです。

簿記資格なしでも経理に強くなる方法

既に経理として働いているけれど、簿記資格は持っていない。そんな状況に、少し引け目を感じている方もいるかもしれません。

しかし、資格の有無が、経理としての優秀さを決める全てではありません。
日々の実務経験や、他のスキルを磨くことでも、あなたの市場価値を高め、経理のプロとして成長していくことは十分に可能です。

  • 実務経験を積むことの価値
  • 他の経理関連資格やスキルを身につける

資格がないことを嘆くのではなく、今ある環境でできることから始めていきましょう。

実務経験を積むことの価値

経理の世界では、何よりも「実務経験」が重視されます。

教科書で学んだ知識も大切ですが、実際に会社のルールに則って伝票を処理したり、予期せぬトラブルに対応したりといった経験は、何物にも代えがたいあなたの財産となります。
資格はなくても、豊富な実務経験を持つ人材は、多くの企業で高く評価されます。

実務で意識すべきこと:

  • 担当業務のプロになる: まずは任された業務(例:売掛金管理、経費精算など)を誰よりも正確に、効率的にこなせるようになりましょう。
  • 業務の全体像を把握する: 自分の仕事が、会社のどの部分と繋がっているのかを常に意識することで、仕事の質が向上します。
  • 積極的に学ぶ姿勢: わからないことはそのままにせず、上司や先輩に質問したり、過去の資料を調べたりして、自ら学ぶ姿勢が大切です。

日々の業務の一つひとつが、あなたを成長させる貴重な学習機会なのです。

もう一つ極端な例を挙げます。

  • 簿記2級保有の経理未経験者
  • 簿記資格を持っていない経理歴10年のベテラン

どちらが即戦力となりやすいか、という視点で選ぶと、おそらく後者となるでしょう。
したがって、実務経験は、簿記資格を持たない人が経理スキルを高めるのに非常に役立ちます。

他の経理関連資格やスキルを身につける

簿記以外にも、経理業務の価値を高める資格やスキルはたくさんあります。
これらを身につけることで、簿記資格がないという弱点をカバーし、あなた独自の強みとしてアピールすることが可能です。

特に、現代の経理に必須のPCスキルや、特定の分野に特化した資格は、あなたの専門性を高める上で非常に有効です。

資格・スキル名特徴とメリット
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)経理業務に不可欠なExcelやWordのスキルを客観的に証明できます。業務効率化への貢献をアピールできます。
給与計算実務能力検定給与計算という専門分野に特化した知識を証明できます。労務や社会保険の知識も深まります。
FASS検定(経理・財務スキル検定)簿記のような知識だけでなく、資産・決算・税務・資金といった分野の実務スキルを測定します。
英語力(TOEICなど)外資系企業や海外取引のある企業では、英文の契約書を読んだり、海外拠点とやりとりしたりする際に非常に重宝されます。

これらのスキルと実務経験を掛け合わせることで、あなただけのユニークなキャリアを築いていくことができるでしょう。

Excelスキルを磨くならば、MOS資格を取得するのがおすすめです。学習方法については、【経理業務に役立つ】MOS通信講座の選び方と学習のコツで解説しています。

簿記を持っていない経理職のデメリット

簿記資格がなくても経理の仕事はできる、とお伝えしてきましたが、一方で、資格を持っていないことによるデメリットが存在するのも事実です。
この現実から目を背けず、正しく理解しておくことが、今後のあなたのキャリア戦略を考える上で非常に重要になります。

ここでは、特に「転職市場」と「社内でのキャリアアップ」という2つの側面から、資格がないことの不利点について解説します。

  • 転職市場での不利点を知る
  • 昇進やキャリアアップの影響

デメリットを知ることで、それを乗り越えるための具体的な対策が見えてくるはずです。

転職市場での不利点を知る

転職市場において、簿記資格は、あなたの経理スキルを客観的に、そして端的に示す「共通言語」として機能します。そのため、資格を持っていないと、書類選考の段階で他の候補者と比較された際に、不利になってしまう可能性があります。
特に、実務経験が浅い場合は、その傾向がより顕著になるかもしれません。

転職市場での具体的な不利点:

  • 応募できる求人が限られる: 「日商簿記2級必須」といった応募条件を設けている企業には、挑戦することすらできません。
  • 書類選考で不利になりやすい: 採用担当者は、毎日何十通もの履歴書に目を通します。資格という分かりやすいアピールポイントがないと、目に留まりにくい可能性があります。
  • 知識レベルを証明しにくい: 面接で「経理の知識はあります」と口で言うよりも、資格を持っている方がはるかに説得力があります。

昇進やキャリアアップの影響

社内での昇進や、より専門性の高い業務へのステップアップを考えた際にも、簿記資格の有無が影響してくることがあります。

日々の業務をこなす上では問題なくても、管理職になったり、財務分析や予算策定といった高度な業務に携わったりするためには、その土台となる体系的な会計知識が不可欠です。
資格は、その知識を持っていることの証明として、上司や経営層からの信頼を得る一助となります。

キャリアアップにおける影響:

  • 体系的な知識不足の露呈: 経験則だけでは対応できない、会計基準の変更や複雑な事案に直面した際に、壁にぶつかる可能性があります。
  • 昇進・昇格の要件: 企業によっては、管理職への昇進要件として、日商簿記2級以上の取得を定めている場合があります。
  • 専門業務への抜擢: 決算の主担当や、子会社の経理担当など、責任あるポジションへの抜擢において、資格保有者が優先される傾向があります。

長期的なキャリアを考えた場合、どこかのタイミングで資格取得を検討することは、賢明な自己投資と言えるでしょう。

簿記資格をとるメリットと検討ポイント

簿記資格取得のメリット

ここまで、簿記資格がないことのデメリットについて触れてきましたが、逆に、資格を取得することには、それを上回る多くのメリットが存在します。
もしあなたが、今後のキャリアに少しでも不安を感じているのであれば、資格取得は、その不安を自信に変えるための最も確実な一歩となるでしょう。

このセクションでは、資格取得の具体的なメリットから、学習を始める前に考えるべきこと、そしてどの資格を目指すべきかまでを、詳しく解説します。

  • 簿記資格取得のメリット
  • 資格取得前に検討すべきポイント
  • どの簿記資格を目指すべきか?

あなたにとって、今、資格取得が必要かどうかを判断するための材料を、ここで手に入れてください。

5.1 簿記資格取得のメリット

簿記資格を取得するメリットは、単に就職や転職に有利になるだけではありません。
学習を通じて得られる体系的な知識は、あなたに大きな自信を与え、日々の業務の質を格段に向上させてくれます。

  • 体系的な基本知識の習得: 実務で断片的に覚えてきた知識が、学習を通じて一本の線で繋がり、業務全体への理解が深まります。
  • 自信とモチベーションの向上: 専門知識を持っているという自信が、仕事への取り組み姿勢をより前向きにし、やりがいを感じられるようになります。
  • 客観的なスキルの証明: 自分の能力を誰にでも分かりやすく証明できるため、職場での信頼性が向上します。
  • キャリアアップ(選択肢拡大): 転職や昇進はもちろん、将来的に税理士などの上位資格を目指す道も開けてきます。

資格取得は、あなたの経理としての市場価値を飛躍的に高める、非常に効果的な自己投資なのです。

例えば、簿記資格を持っていることで、経理職に応募する際には優位性を持つことができますし、実務での決算処理や財務分析など、より高度な業務にも対応できるようになります。
したがって、簿記資格は、経理業務における専門性を高め、キャリアアップに貢献する重要な資格です。

資格取得前に検討すべきポイント

簿記資格の取得を決意する前に、いくつか考えておくべき点があります。
勢いで始めてしまい、途中で挫折してしまっては、時間もお金も無駄になってしまいます。

自分自身の状況を冷静に分析し、無理のない計画を立てることが、合格への第一歩です。

  • 学習時間の確保: 仕事やプライベートと両立しながら、毎日あるいは毎週、コンスタントに学習時間を確保できるか。
  • 費用の捻出: 独学であっても、テキスト代や受験料はかかります。スクールに通う場合は、さらにまとまった費用が必要になります。
  • 明確な目標設定: なぜ資格を取りたいのか?(転職のため、昇進のため、自信をつけたいなど)その目的を明確にすることで、モチベーションを維持しやすくなります。

これらの点を事前にクリアにしておくことで、学習をスムーズにスタートさせることができるでしょう。

どの簿記資格を目指すべきか?

「簿記資格」と一言で言っても、いくつかの種類がありますが、キャリアに活かすことを考えるのであれば、結論として、まずは「日商簿記検定」を目指すべきです。

日商簿記は、日本で最も知名度が高く、企業からの信頼も厚いため、就職・転職市場で最も高く評価されます。

レベル感こんな人におすすめ
3級経理の入門・簿記の学習が初めての方<br>・他職種だがビジネスの基礎を学びたい方<br>・まずは資格取得の成功体験を得たい方
2級実務で必須・経理として本格的にキャリアを築きたい方<br>・就職・転職で有利な資格が欲しい方<br>・財務諸表を読めるようになりたい方

もしあなたが経理未経験なら、まずは3級で基礎を固め、自信をつけることから始めるのが良いでしょう。
そして、経理としてのキャリアを本気で考えるなら、最終的には2級の取得を目標に設定することをお勧めします。

簿記の種類については、【3大簿記資格を徹底比較】日商・全経・全商の違いは?現役経理が教える簿記検定の種類別選び方で詳しく解説しています。

簿記資格取得のための勉強法とおすすめの学習リソース

資格取得を決意したら、次はいよいよ具体的な学習のスタートです。
働きながら、あるいは家事や育児と両立しながら合格を目指すためには、効率的な勉強法を知り、自分に合った学習スタイルを選ぶことが非常に重要になります。

このセクションでは、挫折しないための勉強法のコツから、独学とスクールのメリット・デメリット、そして具体的な学習教材まで、あなたの合格をサポートするための情報をお届けします。

  • 効率的な簿記の勉強法
  • 独学とスクールのメリット・デメリット
  • おすすめの学習教材やオンラインコース

あなたにぴったりの学習パートナーを見つけて、合格への道を歩み始めましょう。

効率的な簿記の勉強法

簿記の学習で最も大切なのは、インプット(理解)とアウトプット(演習)のバランスです。

テキストを読んでいるだけでは、本当に知識が身についたとは言えません。
実際に問題を解くことで、理解度を確認し、知識を定着させていくプロセスが不可欠です。

効率的な学習サイクル:

  1. テキストを読む(インプット): まずは各単元の内容を理解することに努めます。完璧に覚えようとせず、全体像を掴むことを意識しましょう。
  2. 基本問題を解く(アウトプット): テキストを読み終えたら、すぐにその単元の基本的な問題を解いてみます。
  3. 間違えた部分を復習: なぜ間違えたのかを分析し、再度テキストに戻って理解を深めます。
  4. 総合問題・過去問に挑戦: 学習が進んだら、本番さながらの総合問題や過去問題で、時間配分の感覚や実践力を養います。

このサイクルを繰り返し行うことが、合格への王道です。

まず、基本的な簿記の原則を理解し、実際の取引例を用いてそれを実践する演習を行うことが有効です。また、定期的な復習を行い、知識を定着させることも大切です。

このように、理論と実践を組み合わせた勉強法は、簿記の理解を深めるのに役立ちます。

独学と専門学校利用のメリット、デメリット

学習スタイルは、大きく分けて「独学」と「スクール(通学・通信)」の2つがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、ご自身の性格やライフスタイルに合わせて選びましょう。

最近では、通学と通信の良いところを併せ持った、質の高いオンラインコースも増えています。無料体験などを活用し、自分に合うか試してみるのも良いでしょう。

独学専門学校
時間自由日程に左右される
費用安い高額
疑問点自分で調べるすぐに聞ける
クロマル
クロマル

社会人には専門学校の通信講座がおすすめです。

学習日程を比較的自由に決められるので、時間のメリットが大きいです

おすすめの学習教材やオンラインコース

独学で始めるにしても、スクールを選ぶにしても、その教材やコースの質は非常に重要です。
ここでは、多くの受験生から支持されている、代表的なリソースをいくつかご紹介します。

市販テキスト(独学向け):

  • 「スッキリわかる」シリーズ(TAC出版): イラストや図解が豊富で、初心者でも直感的に理解しやすいと評判です。
  • 「みんなが欲しかった!」シリーズ(TAC出版): フルカラーで読みやすく、論点ごとに細かく分かれているため、隙間時間での学習にも向いています。

まずは書店でテキストを手に取ってみたり、オンラインコースの無料講座を視聴してみたりして、あなたにとって「分かりやすい」と感じるものを選ぶことが大切です。

オンラインコース(スクール):

  • スタディング: スマートフォンでの学習に特化しており、通勤時間などを有効活用したい社会人に人気
  • クレアール: 独自の「非常識合格法」を掲げ、学習範囲を合格点に必要な部分に絞っているのが特徴
クロマル
クロマル

スタディングの通信講座は忙しい社会人にぴったりです。

簿記2級のおすすめ教材については、以下の記事で解説しています。

>>【口コミ有】スタディングで簿記2級に合格!通信講座で初心者でも合格できる方法を解説

>>【スキマ時間活用】簿記2級に一発合格!1級合格者が勉強法を解説!

簿記資格がなくても活躍できる経理のキャリアパス

ここまで、簿記資格の重要性についてお話ししてきましたが、それでも「今は資格取得の時間が取れない」「資格よりも実務で評価されたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。

資格がないからといって、経理としてのキャリアを諦める必要は全くありません。
資格以外の方法で専門性を高め、自分だけのキャリアパスを築いていくことも十分に可能です。

  • 資格なしでも可能なキャリアパス
  • 資格なしでスキルアップする方法
  • ノンキャリアから経理プロになるためのアドバイス

あなたらしいやり方で、経理のプロフェッショナルを目指す道を探っていきましょう。

資格なしでも可能なキャリアパス

簿記資格がなくても、特定分野のスペシャリストとして活躍する道があります。総合的な会計知識よりも、特定の業務領域における深い知識と経験が評価されるキャリアパスです。

自社で導入している会計ソフト(SAP、勘定奉行など)を誰よりも使いこなし、社内のITサポート役も担います。

  • 買掛金・支払管理
  • 売掛金・債権管理
  • 給与計算・社会保険
  • 税務申告
  • 特定会計ソフト

一つの分野を極めることで、「この業務ならあの人に聞け」と言われるような、替えの効かない存在になることを目指しましょう

資格なしでもスキルアップする方法

資格取得以外にも、あなたの市場価値を高める方法はたくさんあります。
日々の業務にプラスアルファの視点を持つことで、あなたのスキルは着実に向上していきます。

  • Excelスキルの徹底強化:VLOOKUP関数やピボットテーブルなどを使いこなし、データ分析や資料作成の効率を劇的に向上させます。MOS資格の取得も有効です。
  • コミュニケーション能力の向上:他部署との連携を円滑にし、経費精算のルールなどを分かりやすく説明する能力は、非常に重宝されます。
  • 業界知識の深化:自社が属する業界の動向や特有の会計処理について詳しくなることで、より付加価値の高い経理業務が可能になります。
  • 情報収集の習慣化:会計や税務に関するニュースサイトを定期的にチェックし、法改正などの最新情報を常にキャッチアップする姿勢が大切です。

これらのスキルは、資格の有無にかかわらず、あなたの仕事ぶりを直接的に評価に繋げる力となります。

ノンキャリア(経理未経験)から経理になるためのアドバイス

資格や学歴といった「キャリア」がない状態から、現場で信頼される経理のプロになるためには、何よりも日々の仕事への取り組み姿勢が重要です。

目の前の仕事に真摯に向き合い、信頼を一つひとつ積み重ねていくことが、遠回りのようでいて、実は一番の近道なのです。

  • まずは「正確性」と「スピード」:任された業務を、ミスなく、そして期限内にきっちりと仕上げること。これが信頼の第一歩です。
  • 「なぜ?」を常に考える:ただ言われたことをこなすだけでなく、「なぜこの処理が必要なのか?」を考える癖をつけましょう。理解が深まり、応用力がつきます。
  • 小さな改善を積み重ねる:「このExcelの表、もっと見やすくできないか?」「この作業、もっと効率化できないか?」といった改善提案を積極的に行いましょう。
  • 感謝の気持ちを忘れない:教えてくれる上司や先輩、協力してくれる他部署の方々への感謝を忘れず、良好な人間関係を築くことも、プロの仕事の一部です。

あなたの真摯な仕事ぶりは、必ず誰かが見てくれています。

まとめ 簿記を持っていない場合はキャリア戦略が大事

この記事では、「簿記の資格を持っていない」という不安を抱える方に向けて、経理としてのキャリアを歩むための様々な指針を提示してきました。

資格がなくても経理のキャリアをスタートさせることは可能ですが、簿記が経理業務の根幹をなす「共通言語」であり、あなたのキャリアを力強く後押しする「武器」であることもまた事実です。

要点サマリー

  • 資格なしでも経理にはなれる: 未経験者歓迎の求人やアシスタント業務からスタートし、実務経験を積む道は十分にあります。
  • ただし資格には大きなメリットが: 簿記資格は、転職や昇進で有利になるだけでなく、体系的な知識と自信を与えてくれます。
  • 実務経験は最大の武器: 資格の有無にかかわらず、日々の業務に真摯に向き合い、専門性を高めていく姿勢が最も重要です。
  • 自分に合った道を選ぼう: 資格取得を目指すのか、特定分野のスペシャリストを目指すのか、あなたに合ったキャリアパスを戦略的に考えましょう。

もし資格取得を目指すなら、自分に合った学習法を選ぶことが挫折しないための鍵です。

学習方法メリットデメリットこんな人におすすめ
独学・費用を安く抑えられる
・自分のペースで学習できる
・モチベーション維持が難しい
・質問できる相手がいない
・コツコツ継続するのが得意な方
・費用を最小限にしたい方
スクール・効率的なカリキュラム
・講師にすぐ質問できる
・モチベーションを維持しやすい
・費用が高額になる
・学習ペースが決められている
・一人では勉強が続かない方
・最短で合格を目指したい方

経理は、簿記の有無にかかわらず、なってからも勉強を継続することが活躍するための必須要件です。現時点で簿記資格を持っていないからと物おじせず、経理へのキャリアを検討してみましょう。

簿記も含め、経理職におすすめの資格は以下の記事で解説しています。

>>【未経験~経理担当必見】実務に役立つ経理資格取得のおすすめ優先順位を現役経理が紹介します!