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経理の業務知識のベースとなるのが「簿記」です。日商簿記検定について、近年ネット試験(CBT)も始まり、3、2級はかなり受験しやすくなりました。しかし、簿記のネット試験を初めて受験するときに「何を持っていけばいいのか」等、戸惑いを感じる点が多くあると思われます。
特に、日程がある程度自由に設定できるネット試験は、持ち物や会場が従来の紙の試験とは異なります。その分、準備にも特有の注意点があります。
- 何を持っていけばいい?
- 試験室に持ち込めるのは?持ち込みNGは?
- 試験中の注意点は?
僕は長年の経理経験と、働きながら多くの資格試験を受験したこともあり、ネットでの資格試験も多く経験しています。
- 勉強する内容はネット試験と紙の試験で変わらず
- ネット試験特有の操作やは可能ならば事前にテストする(試験日に実力を発揮するため。)
この記事を読めば、以下のことがわかります。
- 簿記ネット試験のメリットと、忙しい中でも学習を継続できる理由
- 画像付きでわかりやすい!ネット試験の申し込みから受験までの具体的なステップ
- 試験当日の注意点と、合格を掴むための効果的な学習法
簿記ネット試験を上手に活用すれば、あなたのキャリアは確実に次のステージへと進むはずです。
簿記ネット試験の基本情報

簿記検定の学習を始めたばかりの方にとって、ネット試験はまだ馴染みが薄いかもしれません。しかし、その利便性から近年注目度が高まっています。ここでは、簿記ネット試験の概要と、受験者が感じるメリットについて詳しく解説していきます。
- 簿記のネット試験(CBT)とは?
- 簿記ネット試験の利点
これらの情報を把握することで、ご自身の学習計画にどのようにネット試験を取り入れるべきかが見えてくるでしょう。
簿記のネット試験(CBT)とは?
簿記のネット試験、正式にはCBT(Computer Based Testing)方式とは、全国のテストセンターに設置されたパソコンで受験する形式の試験です。従来のペーパー試験とは異なり、指定された日時であれば比較的自由に受験日を選択できるのが大きな特徴です。
この試験方式は、受験者の利便性を大きく向上させています。
- 全国のテストセンターのPCで受験する
- 日程も自分で選択して受験できる
簿記ネット試験は、実際のビジネスで必要とされる簿記の知識を、より柔軟に評価するための新しい方法です。試験時間は以下の通りです。
- 簿記3級:60分
- 簿記2級:90分
簿記のネット試験全体については、簿記ネット試験とは?徹底解説で不安解消!の記事で解説しています。
簿記ネット試験の利点
簿記のネット試験には、従来のペーパー試験にはない多くの利点があります。これらは、忙しい社会人や学生にとって、学習を継続し、目標達成を後押しする重要な要素となり得ます。
主な利点は以下の通りです。
- スケジュールの柔軟性: 自身の学習ペースや都合に合わせて、受験日時を決定できます。
- 合否の迅速な確認: 試験終了と同時に結果が分かり、すぐに次のステップへ進めます。
- 学習モチベーションの維持: 短期間で成果を確認できるため、学習意欲を高く保ちやすいです。
- 再受験のしやすさ: 不合格の場合でも、期間を空ければすぐに再チャレンジできます。
これらの利点は、まるで目標への羅針盤のように、あなたの学習を正しい方向へ導いてくれるはずです。は、時間や場所の制約が少なく、受験者にとってより便利で快適な試験環境を提供します。
簿記のネット試験の申込み方法

簿記のネット試験を受験するためには、所定の手順で申し込みを行う必要があります。初めての方でもスムーズに手続きが進められるよう、ここでは具体的な申し込みステップと、注意すべきポイントを詳しく解説します。
- ユーザー登録から申込みまでのステップ(画面付)
- 簿記のネット試験申込み時の注意点
これらの情報を参考に、安心して申し込みを進めてください。
ユーザー登録から申込みまでのステップ(画面付)
簿簿記ネット試験の申し込みは、専用のCBT-SolutionsのWebサイトから行います。最初のステップとして、ユーザー登録が必要となります。
登録から申し込みまでの具体的な流れは以下の通りです。
CBTS受験者専用サイトからID新規作成を行ってください。
ID本登録、ログイン後、テストセンターおよび受験地の選択が可能となります。

試験会場と日時の選択: 都道府県や会場のタイプ、希望する日時を選んで予約します。

全ての申込手順の詳細は、簿記ネット試験とは?徹底解説で不安解消!で実際の画面付きで解説していますので、よかったら参照ください。
簿記のネット試験申込み時の注意点
簿記ネット試験の申込みの際、まず、申込み期限を厳守することが大切です。期限を過ぎると申し込みができなくなるので、早めに手続きを済ませることが重要です。
またネット試験にも休止期間(受験できない期間)があるので注意してください。申込時にも以下のように休止期間が表示されますので、受験日程を決める前に確認しておくといいでしょう。
ほかにも、簿記のネット試験を申し込む際には、いくつか注意すべき点があります。これらの点を見落とすと、希望通りの受験ができなかったり、思わぬトラブルに繋がったりする可能性があります。
特に以下の点に注意してください。
- 受験期間の確認: 級によっては受験できる期間が限られている場合があります。
- 希望日の予約状況: 人気のある会場や時間帯は、早めに埋まってしまう傾向があります。
- 支払い方法の確認: クレジットカードがない場合でも対応できるよう、コンビニ決済などの選択肢も確認しておきましょう。
- キャンセル・変更ポリシー: 一度申し込むと、キャンセルや日時変更ができない、または手数料が発生する場合があります。
- 個人情報の正確性: 登録する氏名や生年月日などは、本人確認書類と一致するように正確に入力しましょう。
これらの注意点を事前に把握しておくことで、スムーズに申し込みを完了させ、安心して試験に臨むことができるでしょう。

また、申し込み時に提供する個人情報は正確である必要があります。誤った情報を入力すると、後でトラブルの原因となることがあります。たとえば、メールアドレスを間違えると、試験に関する重要な情報が届かない可能性があります。
受験料の支払い: クレジットカード決済やコンビニ決済など、指定された方法で受験料を支払います。

支払まで完了したら、申込完了です。試験前日に来る連絡を確認の上、当日、時間に余裕をもって試験センターに行ってください。
試験当日の流れ

簿記のネット試験当日、どのような流れで試験が進むのかを知っておくことは、試験への不安を軽減し、集中力を高める上で非常に重要です。ここでは、試験のスケジュールと、試験開始前の確認事項について詳しく解説します。
- 試験のスケジュール
- 試験開始前の確認事項
当日の流れをイメージすることで、心の準備を整え、実力を最大限に発揮できるよう備えましょう。
試験のスケジュール
簿記のネット試験は、一般的なペーパー試験とは異なり、個人の予約時間に合わせて進行します。試験会場に到着してから、実際に試験が終了するまでの基本的なスケジュールを把握しておきましょう。
一般的なスケジュールは以下の通りです。
- 受付: 予約時間の15分前までには会場に到着し、受付を済ませます。本人確認書類の提示が必要です。
- 注意事項の説明: 試験官から試験に関する注意事項や操作方法の説明を受けます。
- 着席・試験開始: 指定されたPCに着席し、試験官の指示に従って試験を開始します。
- 試験中の休憩: 基本的に試験中の休憩はありませんが、緊急時は試験官に申し出てください。
- 試験終了: 制限時間になると自動的に試験が終了します。
- 結果表示: 試験終了後、すぐに合否結果が画面に表示され、スコアレポートが発行されます。
この流れを頭に入れておくことで、試験当日も落ち着いて行動できるはずです。

ネット試験の場合、5分前までに会場に入場していない場合は受験不可となるため、時間厳守が必要です。
試験開始前の確認事項
試験開始前に確認すべき事項はいくつかあります。まず、テストセンターのネット接続が安定していることを確認してください。不安定な接続は試験中のトラブルにつながる可能性があります。
次に、必要な持ち物(身分証明書、電卓など)が整っていることを確認します。万が一忘れ物があれば、試験の進行に影響が出る可能性があるため、テストセンターに到着する前に確認が必要です。
以下に持ち物を一覧でまとめます。
| 身分証明書(必須) |
| 電卓(そろばんは不可)(必須) |
| 筆記用具(必須) |
| マスク |
| 腕時計 |
| 上履き(テストセンター次第) |
| 予約完了メール(受験票が発行されないため、予備) |
最後に、試験環境のテストセンターへの経路を事前に確認しておきます。可能ならば、交通の便と試験環境がいいテストセンターを選べれば、当日気にすることが減って試験に集中しやすいです。
ネット試験での禁止事項

簿記のネット試験では、公正な試験実施のためにいくつかの禁止事項が設けられています。これらを遵守することは、すべての受験者にとって公平な環境を保つために不可欠です。違反行為は、試験の中止や失格に繋がる可能性がありますので、十分に注意しましょう。
- 試験中に避けるべきこと
ここでは、試験中に特に避けるべき行為について詳しく解説します。
試験中に避けるべきこと
試験中に避けるべき行為は、試験の公平性を保つ上で非常に重要です。意図的でなくても、不注意によって禁止事項に触れてしまう可能性もあります。
特に以下の行為は厳しく制限されています。
- 私語や周りの受験者とのコミュニケーション: 試験中の私語や、他の受験者とのアイコンタクトなども禁止です。
- 不適切な物品の使用: 携帯電話やスマートウォッチなどの電子機器、参考書やノートなどの持ち込みは禁止されています。
- 試験問題の持ち出しや撮影: 試験問題を外部に持ち出したり、スマートフォンなどで撮影したりすることは固く禁じられています。
- 不正行為: カンニングなどの不正行為は、発覚した時点で失格となります。
- 試験会場での飲食: 原則として、試験室内での飲食は禁止されています。
これらの禁止事項を理解し、試験中は試験官の指示に従って誠実に行動することが、合格への第一歩と言えるでしょう。
基本的な操作については、日本商工会議所のホームページで簿記初級の操作体験版が解けますので、一度試してみることをおすすめします。
試験後のフィードバック

簿記のネット試験は、試験終了後すぐに結果が判明するという大きな特徴があります。これは、受験者にとって次の行動を迅速に決定するための貴重な情報源となります。ここでは、合格基準と合格発表のタイミング、そして不合格だった場合の次のステップについて詳しく解説します。
- 合格基準と合格発表
- 不合格時の次のステップ
試験結果をどのように受け止め、次に繋げるか、そのヒントがここにあります。
合格基準と合格発表
簿記のネット試験における合格基準は、従来のペーパー試験と同様に定められています。試験終了後すぐに合否が判明するため、その場で達成感を味わうことも、次の目標を立てることも可能です。
各級の合格基準は以下の通りです。
| 級別 | 試験時間 | 合格基準 |
| 簿記3級 | 60分 | 70点以上 |
| 簿記2級 | 90分 | 70点以上 |
簿記試験の結果は、その場で発表されます。その点も、結果発表まで何月もかかる紙の試験とは違った、ネット試験の特徴となります。
ただ、合格にしても不合格にしても、解答が公表されないため、復習をしづらい点はデメリットです。
不合格時の次のステップ
不合格だった場合、落胆することなく次のステップを考えることが大切です。ネット試験の注意事項として、問題を持ち帰れず、解答ももらえないので、試験を自分で振り返りながら弱点を洗い出すことが必要となります。
- 問題を持ち帰れない
- 解答ももらえない
不合格だった場合の次のステップは以下の通りです。
- スコアレポートの分析: どの分野が弱かったのかを具体的に把握し、今後の学習計画に活かします。
- 弱点分野の重点学習: 特に点数が低かった分野や、理解が不足していると感じる箇所を重点的に学習します。
- 参考書や問題集の見直し: 新たな視点から参考書を読み込んだり、類似問題を繰り返し解いたりすることが有効です。
- 再受験の検討: 弱点克服の目処が立ったら、間を空けずに再受験を検討することで、知識の定着を図れます。
- 学習方法の再評価: 独学であれば、オンライン講座や予備校の利用も選択肢に入れてみましょう。
不合格は一時的なものであり、諦めずに努力を続ければ、必ず合格できるはずです。
簿記ネット試験のおすすめの学習法

簿記ネット試験の合格を目指す上で、効率的かつ効果的な学習法を選択することは非常に重要です。ここでは、試験対策の具体的なポイントと、独学と資格専門学校のどちらを選ぶべきかについて比較検討していきます。
- 試験対策のポイント
- 独学と資格専門学校の比較
あなたに合った学習法を見つけることで、合格への道のりはより確かなものになるでしょう。
試験対策のポイント
簿記ネット試験を効果的に準備するためには、いくつかの重要なポイントがあります。まず、試験の範囲をしっかりと把握することが必須です。目的地がわかれば、それに合わせて計画を立てることができます。
学習初期のうちに一度過去問を解くことも大切です。過去問を解くことは、試験の傾向と対策を理解する最良の方法です。最初の時点では解ける必要はなく、おおよその問題の分量や、どのような難易度の問題がでるのかを体感するのが目的です。学習初期にするかしないかで、その後の学習効率が全然違います。
その後、試験日から逆算して定期的な学習スケジュールを作り、計画的に学習することも効果的です。毎日少しずつでも学習することで、知識が着実に身につきます。できるだけアウトプットをメインとした学習計画を立ててください。
- 試験範囲を把握する
- 過去問を解く
- 過去問を解けるレベルになるような学習計画を組む
- アウトプットをメインで学習を行う

アウトプット:インプット=7:3程度を意識しておくといいです。意識しないと自然とインプットが多めになるためです。
簿記の学習方法については、【簿記1級合格者が説明】簿記初心者必見!効率的な勉強法とコツで解説しています。
独学と資格専門学校の比較
簿記の学習方法には、独学と資格の専門学校を利用するという二つの主要な選択肢があります。独学は、自分のペースで学べるという利点があります。
一方、資格スクールでは専門の講師から指導を受けることができます。これは、料理教室でプロのシェフから直接指導を受けるのに似ており、効率的な学習が可能です。また、スクールには同じ目標を持つ仲間がいるため、モチベーションの維持にも役立ちます。
結論として、独学と資格スクールのどちらを選ぶかは、個人の学習スタイルや環境によります。自分に合った方法を選んで、効果的に学習することが重要です。
| 学習方法 | 独学 | 資格スクール |
|---|---|---|
| 学習時間の自由度 | ◎ | △ |
| 費用の安さ | ◎ | △ |
| 質問のしやすさ | △ | ◎ |
僕は、忙しい社会人には専門学校の通信講座をおすすめします。理由は、限られた時間で自分で以下を行うより、専門学校を活用したほうが効率的に合格に近づけるからです。スタディングならば、市販の問題集数冊分の値段で講義・問題等がすべて手に入ります。
- 出題傾向分析
- 教材選び
- スケジュール立案・進捗管理
簿記の学習を進める上で、独学で挑むか、資格専門学校を利用するかは大きな選択です。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、ご自身のライフスタイルや学習スタイルに合わせて選択することが成功への近道となります。
両者を比較した表をご覧ください。
| 項目 | 独学 | 資格専門学校 |
| 費用 | 安価(テキスト代、問題集代のみ) | 高価(入学金、授業料など) |
| 学習の自由度 | 高い(自分のペースで進められる) | 低い(カリキュラムに沿って進む) |
| 質問環境 | なし(自分で調べる必要がある) | あり(講師に直接質問できる) |
| モチベーション | 維持が難しい場合がある | 周囲の受験生から刺激を受けやすい |
| 情報量 | 自分で収集する必要がある | 最新の試験情報や傾向が提供される |
| スケジュール | 自己管理が必要 | スケジュールが組まれているため管理しやすい |
費用を抑えたい、自分のペースで学習したいという方には独学が、体系的に学びたい、質問できる環境が欲しい、モチベーションを維持したいという方には資格専門学校が向いているかもしれません。どちらの道を選んだとしても、継続的な努力が何よりも重要です。
僕のおすすめは、スタディング通信講座の活用です。スタディング簿記講座については、【口コミ有】スタディングで簿記2級に合格!通信講座で初心者でも合格できる方法を解説をご覧ください。
まとめ
簿記のネット試験は、その利便性と柔軟性から、多くの経理実務者にとって魅力的な選択肢となっています。この記事では、ネット試験の基本情報から申し込み方法、当日の流れ、そして効果的な学習法まで、合格に必要な情報を網羅的に解説しました。
この記事で最もお伝えしたかった重要なポイントは以下の通りです。
- 簿記ネット試験は、CBT方式でほぼ毎日受験可能であり、試験結果がすぐに分かる利便性があります。
- 申し込みはCBT-SolutionsのWebサイトから行い、ユーザー登録から会場・日時選択、支払いまでを慎重に進める必要があります。
- 試験当日は、本人確認書類と電卓を忘れずに持参し、試験官の指示に従い、禁止事項を遵守することが重要です。
- 不合格の場合でも、スコアレポートを分析し、弱点克服のための学習を継続することで、次回の合格へと繋げられます。
- 効果的な学習法として、CBT形式に慣れること、時間配分と計算スピードの向上、そして独学と専門学校の比較検討を通じて自分に合った方法を選ぶことが大切です。
簿記の資格は、あなたの経理実務における羅針盤となることでしょう。このガイドを参考に、ぜひ簿記ネット試験に挑戦してみてください。まずは、CBT-Solutionsの公式サイトで試験の詳細を確認し、あなたの都合に合わせた受験日を検討することから始めてみましょう。