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経理業務をこれから行いたいと考える方の中に、今から簿記を学習する価値はあるのか、と疑問に感じている人もいると思います。簿記の学習の必要性について「経理実務ができれば簿記はいらない」「AIの普及で簿記は不要になる」等、否定的な意見を目にすることも珍しくないです。
- 実務経験があれば簿記の知識はいらない?
- 簿記の知識が必要な仕事はAIに置き換わる?
- 簿記資格は経理のキャリアアップに役立たない?
僕自身、学生時代に簿記の学習を始めて以降、「簿記は社会人になったら役に立たない」等、否定的な意見を何度も受けました。
ただ実際、簿記1級を保有した後に経理で15年以上働いた上で、簿記の知識がなかったら対応できなかったと感じることが多くありました。
理由として、実務経験に基づいて定型的な業務ができても、経理には頭の中に基礎知識がないとできない、イレギュラーな事態への対応や、分析および判断を要する業務があるからです。特に、経理の決算業務ではイレギュラーが頻発します。
この記事でわかること
- 「簿記はいらない」と言われる主な理由がいかに誤解であるか
- 簿記知識が、AI時代におけるあなたの市場価値とキャリアアップに不可欠な理由
- 簿記の知識が、真の業務効率化や自動化を実現するためにどれほど重要か
簿記は、単なる資格ではありません。あなたの抱える疑問や不安が解消され、簿記がいかに経理実務において不可欠なスキルであるかが明確にわかるでしょう。
簿記を持っていない経理担当者のリアルな現状と将来性
今の経理業界では、資格の有無よりも「何ができるか」という実務遂行能力が、ぶっちゃけ一番重視されています。 まずは、資格なしでも現場で通用する理由や、採用されるためのポイントを整理してみましょう。
- 資格がなくても実務は回せる?現場のリアルな声
- 未経験・無資格から採用されるための突破口
この記事を読み進めることで、資格がないことへの過度な不安が消え、今やるべきことが明確になりますよ。
資格がなくても実務は回せる?現場のリアルな声
実際の経理現場では、簿記の知識よりも「会計ソフトの操作」や「Excelの正確性」の方が圧倒的に使われます。
もちろん仕訳の基礎は必要ですが、今の時代はソフトが自動で仕訳を提案してくれるので、完璧な暗記は不要だったりするんです。
現場で重宝されるのは、資格マニアよりも「ミスなく入力できる人」や「期限を絶対に守る人」です。
私が今まで見てきた中でも、簿記を持っていないけれど業務スピードが神レベルで早い人はたくさんいました。
- 会計ソフト(マネーフォワードやfreeeなど)の自動連携機能を使いこなす。
- 定型業務のフローを理解し、ルーチンワークを完璧にこなす。
- 不明点があればすぐに上司や顧問税理士に確認する素直さを持つ。
- 社内の領収書精算などで、他部署の社員と円滑にコミュニケーションを取る。
結局のところ、実務*「慣れ」と「確認の徹底」でなんとかなる部分が非常に多いのが現実です。
未経験・無資格から採用されるための突破口
資格がない状態で内定を勝ち取るには、「ポテンシャル」と「事務処理スキルの高さ」をいかにアピールできるかが鍵になります。
企業側も「資格はないけど、この人ならすぐ仕事を覚えてくれそう!」と思えば、積極的に採用に動いてくれます。
特に人手不足の中小企業やスタートアップでは、即戦力に近い事務スキルがあれば、簿記の有無は二の次になるケースも多いです。
「簿記を持っていない」ことをマイナスに捉えず、他の武器を前面に押し出す戦略が、非常に効果を発揮します。
| アピール項目 | 具体的な内容 | 評価されるポイント |
| ITリテラシー | Excel(VLOOKUP, ピボット)の活用 | 業務効率化への期待感 |
| 正確性とスピード | 前職での事務ミスゼロの実績 | 経理適性の証明 |
| コミュニケーション | 営業や接客での折衝経験 | 他部署との連携スムーズ化 |
- Excelスキルを証明するために、具体的な関数名を挙げて実績を伝える。
- 「なぜ経理なのか」という志望動機に、資格取得への意欲を付け加える。
- 前職で培った「数字に対する責任感」を具体的なエピソードで話す。
- 「まずは実務を覚え、並行して勉強する」というガッツを見せる。
参考:doda「経理に資格は必要?未経験から経理になる方法」 https://doda.jp/guide/shikaku/004.html
まずは、「資格がないから無理」というメンタルブロックを外すことから始めてみましょう。
簿記がいらないと言われる主な理由に反論

経理実務者の中には、「簿記はいらない」という意見を耳にして、学習をためらっている方もいるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?
ここでは、そう言われる主な理由を一つずつ検証し、その誤解を解き明かしていきます。
- 理由①「 簿記知識が必要な業務はAIに取って代わられる」
- 理由② 「簿記の知識は仕事で役にたたない」
- 理由③「簿記はキャリアアップの役にたたない」
- 理由④ 「簿記が必要な仕事は外注できる」
- 理由⑤ 「必要な知識は実務だけで学べる」
これらの理由がいかに簿記の重要性を見過ごしているか、詳しく見ていきましょう。
理由①「 簿記知識が必要な業務はAIに取って代わられる」
近年の技術の進歩により、AIや自動化ツールの出現によって、簿記や会計業務の一部は自動化される可能性があります。しかし、完全に代替されるわけではありません。
たしかに、AI技術はデータの処理や仕訳の自動化において高い精度を持つようになってきました。ただし、AIは複雑な判断や分析が求められる場面ではまだ限定的であり、人間の専門知識や経験が必要とされます。また、法律や規制の変更にも迅速に対応する必要があり、人間の専門家の役割は依然として重要です。
AI技術の進化は目覚ましく、経理業務の一部が自動化されるのは事実です。
しかし、AIが代替するのはあくまで定型的な入力作業や仕訳処理であり、簿記の深い知識が求められる判断業務や戦略立案までは及びません。
例えば、以下のような業務は依然として人間の専門知識が必要です。
- 複雑な会計処理の判断
- 財務諸表の分析と経営への提言
- 税務戦略の立案
- イレギュラーな取引への対応
AIはあくまでツールであり、それを使いこなし、価値を最大化するには、簿記の知識という羅針盤が不可欠なのです。

単純作業しかできない経理だと、AIに置き換えられるかも。
この時に、知識ゼロからAIやネットで調べながら経理業務を行うのは、教本を見ながら車の運転を行うようなもので、周りのスピードについていけず、危険です。
また、ネット上にはうその情報も交じっており、それらを見極める力を持っていないと、簡単に誤った方向に進むこととなります。そのような人材には単純作業しかまかされず、AIによる自動化で真っ先に置き換えられることとなります。
- 単純作業:AIが対応して自動化
- 分析/判断:人間が専門知識を持って対応
AIによる自動化の進展は、確かに簿記業務に影響を与えますが、簿記の基礎知識や専門性は依然として重要です。AIによる単純作業の自動化と人間の判断の組み合わせにより、より効率的な業務遂行が期待されます。
理由② 「簿記の知識は仕事で役にたたない」
「簿記の知識は実務で使わない」という意見も聞かれますが、これは簿記の本質を理解していないからかもしれません。
簿記は単なる記録の技術ではなく、会社の経済活動を数値で表現し、その状況を把握するための共通言語です。
簿記の知識があれば、以下のようなメリットがあります。
- 取引の意味を正確に理解できる
- 勘定科目の選択に迷いがなくなる
- 財務諸表が読めるようになる
- 経営状況を数字で説明できるようになる
簿記は、経理業務の土台となる知識であり、実務のあらゆる場面でその真価を発揮します。

簿記の知識は経理にとっての共通言語です。経理部内の会話でも共通言語がないと成り立ちません。
例えば、会社の収益性を把握するためには、その会社の損益計算書や貸借対照表を読み解く必要があります。さらに予算策定や資金調達の判断においても、売上・仕入他、様々な財務データを考慮する必要があります。簿記の知識がないと、これらの業務において的確な分析ができず、結果的に仕事の品質や成果に影響を及ぼす可能性があります。
- 簿記は経理業務の基本言語
- 財務分析のベースとして簿記や会計の知識が必要
このように、簿記や会計の知識は、経理業務において重要な役割を果たします。正確な情報の把握や分析能力は、業績向上や効率的な経営の実現につながります。
理由③「簿記はキャリアアップの役にたたない」
経理は、営業の販売実績のようにわかりやすい数値で評価されづらい職種のため、資格を取っても役に立たないという意見もあります。たしかに、営業などのようにわかりやすい指標のない経理は、スキルアップしても評価されづらいと考えるのもわかります。
ただ、「簿記2級」以上の取得は、社内でのキャリアアップや転職の際のアピールポイントとして大きく寄与します。それは、簿記の知識やスキルが求められる幅広い職業や業種で役立つからです。
キャリアアップにおいて、簿記の知識が不要というのは大きな誤解です。
むしろ、簿記は経理職としての市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げるための強力な武器となります。
例えば、以下のようなキャリアパスを目指す場合、簿記の知識は必須です。
- 管理会計や財務分析のスペシャリスト
- CFO(最高財務責任者)などの経営層
- 監査法人や税理士事務所への転職
- M&Aや事業再生などのコンサルタント
一生この会社で、今のポジションでいい」と思えるなら問題ないですが、キャリアアップを狙うなら、どこかで資格と向き合う時期が来るかもしれません。
- 大手企業の経理部では、簿記2級が「最低限の共通言語」とされている。
- 管理職(マネジャー)以上を目指す際、財務諸表を読み解く理論的背景として資格が求められる。
- 不況によるリストラ時、資格がないと他社への潰しが効きにくいリスクがある。
- 資格手当(月3,000円〜10,000円程度)を15年逃すと、数百万円単位の差になる。
参考 マイナビエージェント「経理の平均年収・給料事情」 https://mynaviagent.jp/knowledge/accounting/01.html
「今は不要でも、将来の保険として持っておく」というスタンスが、長期的には一番コスパが良い考え方と言えるでしょう。
簿記の知識は、あなたの経理キャリアを次のステージへと押し上げるためのパスポートのような存在と言えるでしょう。
企業において、会計処理や税務申告の複雑化を背景に、簿記の知識を持つ人材を求める需要が高まっています。僕も転職サイトに登録して、経理求人の案件を確認していますが、「簿記2級取得者優遇」や「簿記2級要」という記載をよく見ます。簿記2級の取得は、これらの企業への就職や社内での昇進のチャンスを広げることとなります。

会社から(昇進の為)簿記2級を求められた後、焦っている同僚を見かけます。
一例として、大手企業や金融機関、公共団体などでも財務管理や予算編成において簿記の知識を持つ人材が重要視されています。実際、僕が勤めている大手メーカーでは、簿記2級保有は管理職昇進への要件とされているくらい重要視されています。
必要になったら取得すればいい、と考えている方もいるかもしれませんが、現在の簿記2級は少なくとも約3ヶ月~半年ほどの学習が必要となります。ネット試験が導入されて受験できる回数は増えましたが、問題の難易度の変動が大きく、「一回の受験で確実に合格できる」とは言えない難易度の試験です。
- 転職の際の要件・アピール材料(経理の場合、簿記2級〜は応募に必須の案件も有り)
- 社内昇進のための要件
以上のように、簿記2級の取得は、キャリアアップにおいて重要な要素となります。幅広い職業や業種で求められる簿記の知識やスキルを持つことで、就職や昇進の機会を拡大し、自身のキャリアをより一層発展させることができます。
さらに、実際に昇進して管理職になった場合、より多くの業務に関わることとなります。例えば自分で実務を担当したことのない業務を含めて管理することとなった場合、経理部内の別業務のメンバーに内容を確認しながら業務を進めることが必須です。
簿記の一通りの知識がないと、他業務の話を聞いても理解できない可能性があります。経理部内での信頼を得るためにも、経理の共通言語としての簿記は、身に着けておくことをおすすめします。
理由④ 「簿記が必要な仕事は外注できる」
簿記の知識が必要な業務は、会計処理業務は経理業務の外注サービス、申告業務は税理士や会計士など専門家に外注すればいいのでは、という意見があります。
確かに、経理業務の一部をアウトソーシングする企業は増えています。
しかし、外注できるのは主にルーティンワークであり、企業の根幹に関わる会計処理や財務管理は、社内で専門知識を持つ人材が担うべきです。
外注に頼りすぎることには、以下のようなデメリットも存在します。
- コストの増加
- 情報漏洩のリスク
- 社内ノウハウの蓄積が困難
- 経営判断の遅れ
簿記の知識を持つ人材が社内にいれば、外注先とのスムーズなコミュニケーションが可能になり、より効果的な連携が実現できます。
専門家に業務を外注する際にこちらの理解が高ければ的確な指示や判断を行うため、費用と時間を節約し、効果的な業務遂行ができるからです。
実際に、多くの企業や組織が、簿記や税務申告の外部委託を行っています。しかし、外部委託先との円滑なコミュニケーションや業務の品質管理をするためには、自身が簿記の基礎知識を持つことが重要です。また、専門家に依存せずに自分で業務を遂行する場合にも、簿記の理解は欠かせません。

簿記や税法の知識がないと、会計の専門家との会話についていけないです。
例として、簿記の知識がないまま専門家に業務を外注すると、適切な報告書やデータの提供ができなかったり、専門用語の理解やコミュニケーションの際に誤解が生じる可能性があります。
僕が子会社立ち上げの際に初めて税務申告を税理士に相談した際は、こちらの税務管理についての理解不足もあり、相談開始~資料提供し、資料作成に至るまで2ヶ月以上かかりました。
もし、自身が簿記の基礎知識を持ち、業務の流れや必要な情報について理解している場合、専門家とのやり取りがスムーズになり、正確な業務遂行が可能となります。
- 必要な情報開示ができ、依頼をスムーズに行える
- こちらの要望を的確に伝えられる
まとめると、専門家に外注する前に自分自身で簿記の基礎知識を身につけることは重要です。それによって、的確な指示や判断ができ、業務の品質を確保するだけでなく、費用と時間を節約することもできます。
理由⑤ 「必要な知識は実務だけで学べる」
確かに、前任者から業務内容を引き継ぐことで、実務を行うことは可能です。そしてもちろん、
実務経験を通じて知識を習得することはもちろん重要ですが、実務だけで簿記の体系的な知識を網羅することは非常に困難です。
実務で得られる知識は断片的になりがちで、以下のような課題があります。
- 特定の業務に偏った知識になりやすい
- イレギュラーな事態への対応力が養われにくい
- 全体像を把握するのが難しい
- 体系的な学習機会が少ない
簿記を学習することで、実務で触れる個々の取引がなぜそのように処理されるのか、その根拠を理解できるようになります。
これにより、応用力や問題解決能力が格段に向上するでしょう。
仕訳等は実務経験で学ぶことができる一方で、簿記の基礎的な理論や法則、規則を学ぶことで、実務の幅を広げることができます。経済産業省の調査によると、実務での経験に加えて簿記の資格を持つ人材が求められており、特に上位の資格を持つ者ほど、高い就職や昇進の機会があります。
例えば、実務経験のみで簿記の知識を得ている場合、特定の業務やタスクに特化してしまい、広範な業務に対応する能力が制限されます。しかし、簿記の基礎知識を習得することで、財務諸表の読み方や会計処理の方法、税務に関する知識など、より広い視野で業務に取り組むことができます。
また、簿記の資格取得は実務経験の裏付けとなり、信頼性のある経験者としての評価を得ることができます。
- 業務経験を経理知識として転換でき、活用の幅が広がる。
- 突発的な事態に対応できる知識のベースとなる
- 業務経験の外部への裏付けとなる
上記のように、実務で学ぶ簿記の知識は重要ですが、それは簿記の一部分に過ぎません。簿記の体系的な理解と基礎知識を学ぶことで、実務においてより深い理解と効率的な業務遂行が可能になります。
簿記なしで評価を爆上げするための必須スキル3選
それでも、どうしても今は簿記を勉強する気に慣れない、という方もいるかもしれません。
もし今、簿記を持っていないのであれば、他の分野で「代わりがいない存在」になれば良いだけです。 現場で「あの人がいないと仕事が回らない!」と言わせるための、最強の武器を3つ紹介します。
- Excel・ITツールを使いこなす「効率化の鬼」になる
- 現場とのコミュニケーション能力が最強の武器になる
- 経営視点を持つ「ビジネス会計」の思考法
これらを身につけるだけで、「簿記2級持ってるだけの人」よりも圧倒的に重宝されるようになります。
Excel・ITツールを使いこなす「効率化の鬼」になる
経理の実務において、Excelを爆速で使いこなせるスキルは、簿記1級よりも価値が出る場面が多々あります。
複雑な集計を数秒で終わらせる数式を組めれば、チーム全体の残業を減らすことができ、上司からの評価はうなぎ登りです。
特に、VLOOKUP関数、IF関数、ピボットテーブルの3つは、経理の三種の神器と言っても過言ではありません。
「資格はないけど、Excelのことならアイツに聞け」という状態を作れば、あなたの社内地位は爆上がりします。
- ショートカットキーを使いこなし、マウスを使わずに作業を完結させる。
- パワークエリを学習して、データの整形作業を全自動化する。
- 会計ソフトとExcelの連携をスムーズにし、二重入力を徹底的に排除する。
- マクロ(VBA)の基礎を学び、ボタン一つで帳票を出力できるようにする。
「実務のスピード感」で圧倒的な差をつけることが、無資格者が現場で生き残るための最短ルートです。
現場とのコミュニケーション能力が最強の武器になる
経理はデスクワーク中心と思われがちですが、実は他部署との調整業務がめちゃくちゃ多い仕事です。
営業部の経費精算のミスを指摘したり、未回収金の確認をしたりと、「相手に嫌われずに動いてもらう力」が求められます。
資格試験では測れないこの「コミュ力」が高い人は、経理として優秀だと見なされます。
「あの人が言うなら、すぐに資料を出そう」と思われる関係性を築ければ、決算のスピードも劇的に早まります。
- 専門用語を振りかざさず、誰にでもわかる言葉で会計のルールを説明する。
- 相手のミスを責めるのではなく、一緒に解決策を考えるスタンスを取る。
- 日頃から他部署の人と雑談し、仕事をお願いしやすい雰囲気を作っておく。
- 急ぎの依頼に対しても、笑顔で柔軟に対応する「神対応」を意識する。
「人間力」で仕事を円滑に進めることは、AIや資格ホルダーには真似できない、あなただけの強みになります。
経営視点を持つ「ビジネス会計」の思考法
簿記の仕訳(右・左)を覚えるよりも、「その数字が経営にどう影響するか」を考えるクセをつけてください。
「今月の経費が多いですね」と言うだけでなく、**「この経費が増えたことで、利益率が◯%下がっています」**と言える人は、経営層から重宝されます。
これはビジネス会計的な思考であり、細かい仕訳のルールを知らなくてもトレーニング次第で身につきます。
数字の裏にある「ストーリー」を読み解く力が、あなたの価値を「ただの事務員」から「参謀」へと引き上げます。
- 自社の損益計算書(PL)を眺め、どの経費が一番インパクトを与えているか分析する。
- 競合他社の決算書と比較して、自社の強みと弱みを数字で把握する。
- 「もし自分が社長なら、この数字を見てどう動くか」を常にシミュレーションする。
- キャッシュフロー(お金の流れ)の重要性を理解し、資金繰りに敏感になる。
「数字を分析し、提案に変える力」を持てば、資格の有無なんて誰も気にしなくなります。
簿記を持っていない人が今すぐ検討すべきキャリアパス
「資格がないから不安…」と立ち止まっている時間はもったいないです。 今のあなたの状況に合わせて、次に進むべき具体的なルートを提案します。
- 実務経験を積んで「経験者枠」を狙う戦略
- 簿記以外の資格(FPやMOS)で差別化を図る方法
- 結局、あとから簿記を取るならどのタイミング?
自分に合った道を選んで、着実にステップアップしていきましょう。
実務経験を積んで「経験者枠」を狙う戦略
中途採用市場において、「簿記2級保持・実務なし」よりも「簿記なし・実務3年」の方が圧倒的に強いです。
まずは今の会社で、決算業務や申告書の補助など、「履歴書に書ける実績」をどん欲に作りにいってください。
一通りの年次サイクルを経験してしまえば、あなたは立派な「経理経験者」として市場から評価されます。
「資格がないから…」と遠慮せず、責任のある仕事をどんどん引き受けることが、将来の年収アップに直結します。
- 月次決算の早期化に貢献し、その具体的な短縮日数を実績として残す。
- インボイス制度や電子帳簿保存法への対応など、法改正対応の実績を作る。
- 経理ソフトのリプレイス(入れ替え)プロジェクトに積極的に参画する。
- 税務調査の立ち会い補助など、レアな経験を積めるチャンスを逃さない。
「実務で何を実現したか」というエピソードこそが、転職時の最強の武器になります。
簿記以外の資格(FPやMOS)で差別化を図る方法
「簿記はどうしても苦手…」という人は、他の資格で専門性をアピールするのも手です。
例えば、MOS(Excel)なら実務に直結しますし、FP(ファイナンシャルプランナー)なら個人の税金知識も身につきます。
これらの資格は、簿記とは違った角度から「数字に強いこと」を証明してくれるため、経理キャリアとの相性も抜群です。
「簿記は持ってないけど、ITと税金にはとびぬけて詳しい人」という独自のブランディングを狙いましょう。
- MOSを取得して「ITに強い経理」としてのポジションを確立する。
- FPを学び、従業員の給与相談や社会保険の手続きにも対応できるようにする。
- ビジネス会計検定を通じて、経営層と同じ視点で数字を語れるようになる。
- まずは難易度の低い資格から始めて、成功体験を積み上げる。
参考:MOS公式サイト「試験のメリット」 https://mos.odyssey-com.co.jp/about/merit.html
自分の得意分野を活かせる資格をチョイスすることで、学習のモチベーションも維持しやすくなります。
結局、あとから簿記を取るならどのタイミング?
もし「やっぱり簿記を取ろうかな」と思ったら、「実務で仕訳のイメージが湧くようになった今」が最大のチャンスです。
未経験の時に参考書を読むより、毎日ソフトで仕訳を叩いている今のあなたの方が、内容の理解度が10倍違います。
「あ!これ、あの時に入力したあの伝票のことか!」と点と点が繋がる感覚は、実務経験者だけの特権です。
無理に1級を目指す必要はありません。まずは「日商簿記3級」をサクッと取って、自分に自信をつけることから始めてみませんか?
- ネット試験(CBT方式)を利用して、自分の好きなタイミングで受験する。
- YouTubeの無料講義動画(「ふくしままさゆき」さんなど)を移動中に聴き流す。
- 完璧主義を捨てて、合格ラインの70点を目指す「省エネ合格」を狙う。
- 合格したら、すぐにSNSや履歴書に記載して、自分の市場価値をアップデートする。
「実務を覚えた後に資格を取る」という順番は、実は最も学習効率が良い最強のハック術なんです。
よくある質問と回答

Q1: 簿記の知識がないと、経理の仕事はできないのですか?
A1: いいえ、簿記の知識が全くなくても、経理の仕事に就くことは可能です。
しかし、それは主に記帳補助やデータ入力といった定型的な業務に限られることが多いでしょう。
簿記の知識がない場合、以下のような制約が生じる可能性があります。
- 業務の全体像が把握しにくい
- 仕訳の意味が理解できず、ミスに繋がりやすい
- イレギュラーな処理に対応できない
- キャリアアップの機会が限られる
簿記は経理の基礎であり、深い知識があれば、より専門的な業務や責任のあるポジションへとステップアップできます。
Q2: 簿記の知識なしで、経理の効率化や自動化は実現できますか?
A2: 簿記の知識がなくても、RPAツールの導入やクラウド会計ソフトの活用によって、一部の業務効率化は可能です。
しかし、真の効率化や自動化には、簿記の知識に基づいた業務フローの最適化が不可欠です。
簿記の知識があれば、以下のようなメリットがあります。
- 既存業務の問題点を的確に洗い出せる
- 自動化すべきプロセスを正確に判断できる
- システム設定の最適化提案ができる
- 導入後の運用トラブルにも対応しやすい
簿記は、効率化や自動化の戦略を立て、それを実現するための設計図のような役割を果たすのです。
Q3:経理未経験ですが、簿記2級まで必須でしょうか
A3:未経験から転職するには簿記2級までの学習は必須、と考えていた方がいいです。理由としては、実際に取得できるかどうかは別としても、簿記2級までの学習を避けたいというような感覚の方は、あまり経理(特に財務会計分野)は向いていないからです。
月次締め業務も決算業務も、経理業務は制度の理解を前提とした数値の理解と地道な作業の連続です。もし、答えが決まっている簿記の学習を嫌がっているようでは、経理となった時につらさしか感じられず、力を発揮できないからです。
以下に、簿記の級数と経理未経験者の就職における目安を示します。
| 簿記の級数 | 就職のしやすさ(経理未経験者) | 担当できる業務の範囲(初期) |
| 簿記3級 | 基礎知識として評価される。中小企業の補助業務など。 | 入出金管理、伝票整理、仕訳入力の補助など。 |
| 簿記2級 | 多くの企業で高く評価される。幅広い経理業務に対応可能。 | 月次決算、試算表作成、売掛金・買掛金管理など。 |
| 簿記1級 | 非常に高く評価される。即戦力として期待される。 | 年次決算、連結決算、税務申告など。 |
まずは簿記3級から始めて、経理の基礎を固め、自信がついたら簿記2級を目指すのが現実的なステップと言えるでしょう。
まとめ:簿記知識は必要!早々に学習を始めよう
ここまで、「簿記はいらない」と言われる主な理由に反論し、簿記知識が経理実務においていかに不可欠であるかを解説してきました。
簿記は、経理業務の根幹を支える羅針盤であり、あなたのキャリアを豊かにするパスポートです。
- AI時代においても、簿記の深い知識は人間の強みとなる
- 実務のあらゆる場面で簿記の知識は不可欠
- キャリアアップを目指すなら簿記は強力な武器
- 真の効率化には簿記の体系的な理解が必須
簿記の学習は、あなたの経理人生に確かな基盤と広がりをもたらします。
さあ、今日から簿記の学習を始めて、経理のプロフェッショナルとしての道を切り拓きましょう。
まずは、自分のレベルに合った簿記検定試験の学習から始めてみることを強くおすすめします。
簿記の資格取得は、あなたの経理キャリアを確実に後押ししてくれるはずです。
資格取得後に業務に活用するために、効率的に学習を行い、簿記検定に合格しましょう。
働きながらの簿記2級の取得には、通信教育での学習がおすすめです。おすすめの通信講座であるスタディングの活用方法は【口コミ有】スタディングで簿記2級に合格!初心者でも短期間で合格できる方法を解説で紹介しています。