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英語のPLを渡されて、1行目から手が止まった。TOEICの勉強はしてきたのに、と悔しくなりますよね。
英文PLを読むのに先に要るのは、TOEICの点数ではなく会計の単語です。一般の英語と会計の英語は使う単語が違い、僕の場合、TOEICの勉強を重ねても会計の単語は身につきませんでした。
僕も似たところでつまずきました。TOEICは大学時代に730点前後で伸び悩み、大学院では英語で書かれた会計の論文が思うように読めませんでした。流れが変わったのは、会計の単語を覚えたころからです。
経理歴18年で、2026年時点で東南アジアの海外子会社を担当し、毎月英語のPLを読んでいます。そのとき一番効いているのは、大学院時代に英文会計の検定と論文で覚えた科目名です。
この記事で書くのは、次のことです。
- 英文PLで押さえておきたい3つの科目名と、そのうち1つが意識されにくい理由
- TOEICが730点で止まり、大学院で795点に届くまでにやったこと
- BATICが2022年度で終わったあとに、会計の単語を覚える方法
読み終えると、英文PLを前にして「英語を勉強し直すか、会計の単語から入るか」を自分で決められます。
英文PLは3つの科目名から読む
英文PLを読むとき、まず押さえておきたいのは売上原価・売上総利益・販管費の3つの科目名です。PL(損益計算書)は、会社が1か月や1年でいくら稼ぎ、いくら使ったかを上から順に並べた表です。売上原価・売上総利益・販管費が分かると、売上から営業利益までの流れを英語のままたどれます。
「海外子会社の月次管理」の記事では、PLの科目の英語は種類が限られていると書きました。種類が限られていても、初めて見る単語の意味は分かりません。僕が英文PLで「パッと見て何の科目か分かる」と助かっている科目名を紹介します。
売上原価(COGS)
COGSはCost of Goods Soldの略で、売上原価のことです。売れた商品や製品を作る・仕入れるのにかかった費用を指します。
COGSのように頭文字だけで書かれる科目は、単語を知らないと何の行か見当がつきません。英文PLで最初に覚えておきたい略語の1つです。
売上総利益(Gross profit)
Gross profitは売上総利益、つまり売上から売上原価を引いた利益です。「粗利」と呼ばれることもあります。
売上原価・売上総利益・販管費のうち、僕が一番意識されにくいと感じているのが売上総利益です。僕の担当している管理の収支報告では、営業利益と税引前利益しか報告しないことも多くあります。報告の様式に出てこない利益なので、ふだん売上総利益を気にする機会がなく、意識している人は少ないと思います。
売上総利益を見ると、売上に対して売上原価がどれくらいの割合かが分かります。営業利益が下がったときに、原因が原価側にあるのか、販管費側にあるのかを切り分ける手がかりにもなる行です。
販管費(SG&A)
SG&AはSelling, General and Administrative expensesの略で、販売費及び一般管理費(販管費)のことです。営業担当の人件費や広告費、本社部門の経費などがまとめて入ります。
営業利益は、売上総利益から販管費を引いた利益です。COGS・Gross profit・SG&Aの3つが読めれば、PLの上半分の流れを英語のままつかめます。
TOEIC730点で止まった大学時代
大学時代のTOEICは、730点前後で止まりました。TOEICを受け始めたのは大学に入ってからで、きっかけは父の勧めです。父は仕事で海外に行くことがあり、英語を勉強し直そうとしていたようで、最初の2回ほどは一緒に受けに行っています。
勉強は、TOEICの市販の問題集で文法問題をひたすら繰り返すやり方でした。単語は『速読速聴・英単語』で覚えています。長文の中で単語を覚える教材で、読む練習と単語の暗記が一度にできると思って選びました。
問題集と『速読速聴・英単語』を繰り返して、大学3〜4年のころに730点前後まで取れました。新卒の就職活動で出したのも、730点前後の点数です。英語の勉強は、会計士の勉強と並行して続けていました。
ただ、730点前後に届いてからは、勉強を続けても点数が伸び悩みました。
大学院で英語の会計論文が読めなかった
大学院で英語の会計論文が思うように読めなかった理由は、単語でした。大学院に入ると、英語で書かれた論文を読まされることが多くなります。英語はそこそこ勉強してきたつもりでしたが、会計の英語は一般の英語とは別物でした。
論文には、会計の用語に限らず難しい単語が多く出てきました。会計でよく出る単語くらいは頭に入れておかないと、1本読むのに時間ばかりかかって、内容も入ってきません。
会計の辞書も買いましたが、載っていない用語が多くありました。電子辞書でも見つからないことが多く、最後はネットの英辞郎(アルクが提供しているオンラインの英和・和英検索サービス)を使っていました。
論文でつまずいて、もう少し違う切り口で勉強しなければと思い、何か資格はないかと探して見つけたのがBATICです。大学院の授業で必要とされる部分を勉強できると考えました。
BATICの公式テキストで会計の単語を覚えた
会計の単語は、BATICの公式テキストと公式問題集で覚えました。BATIC(国際会計検定)は、東京商工会議所が2001年から2022年まで実施していた検定です。英語力と国際会計の知識を同時に測る試験です。
僕は2007年12月に受験し、1回目で825点、Accounting Manager Levelの称号を取りました。翌月の2008年1月にはTOEICも受けて、795点(リスニング400・リーディング395)でした。730点前後から、ここで初めて伸びました。
BATICには、米国公認会計士(USCPA)を目指す前段という意味もありました。USCPAは2008年2月に4科目を受けましたが、勉強法を確立できないまま修士論文と並行させてしまい、4科目とも不合格でした。
795点までの間に続けていたのは、次のことです。
- 『速読速聴・英単語』を大学時代から繰り返す
- BATICの公式テキストと問題集で会計の単語を覚える
- 通学の電車で、『CNN English Express』(朝日出版社の月刊の英語学習誌で、CNNのニュースを教材にしている)付属のCDを聞き流す
通学の電車に乗っている時間が長く、乗っている間はひたすら聞き流していました。いま考えると効果は薄めだったかもしれませんが、耳が英語にある程度なじんだとは思います。
どれが一番効いたのかは、正直に言うと分かりません。ただ、2026年時点で実務に一番直接生きているのは、BATICの勉強です。
英文PLで効いているのは科目名
英文PLを読むときに効いているのは、行を見た瞬間に「これは売上原価の行だ」と分かることです。海外子会社の担当になって、毎月英語のPLが届くようになりました。
月次の仕事は、PLを整理して見込との差を説明し、日本側に報告することです。流れは海外子会社の月次管理とは?現役担当が実務の流れと失敗談を解説に書きました。見込との差を説明するには、どの行が動いたのかを先に特定する必要があります。
科目名で止まっていると、数字を見る前に単語の意味を調べる時間が入ります。1行ずつ調べていては、大学院で論文が読めなかったときと同じで、時間ばかりかかって中身が入ってきません。

英文PLで科目名を見て手が止まらないのは、大学院で必死に単語を覚えたおかげだと思っています。
いまから会計の単語を覚えるなら
いまから会計の単語を覚えるなら、公式テキストと担当先の明細から入れます。どちらも僕が実際にやってきた方法です。
BATICは、2022年度の第44回試験で終了しています。これから検定を目標に勉強することはできません。一方で、東京商工会議所のお知らせによると、2026年9月時点で公式テキストと公式問題集は引き続き購入できます。
1つ目は、大学院時代にやった方法で、BATICの公式テキストで単語を拾うことです。試験は受けられなくても、英文会計の単語をまとめて覚える教材として使えると思います。
2つ目は、海外子会社の担当になってからやっている方法で、担当先の明細から覚えることです。僕は明細の科目をPLの順番に並べ替え、日本語の科目名と並べた一覧を作っています。一覧を作る過程で、BATICで一度見た科目名と担当先の表記が結びつきました。担当先の明細から入れば、覚える単語は自分の仕事で使うものだけに絞れます。
どちらの場合も、TOEICの点数を上げるのは後回しで構いません。英文PLを読むことが目的なら、先に会計の単語を覚えたほうが近道だと、僕は自分の遠回りから考えています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 経理にTOEICは何点必要ですか?
A. 何点あれば足りるという基準は、僕には書けません。僕が新卒の就職活動で出したのは730点前後です。海外子会社の英語のPLを読む場面では、点数より先に会計の単語が効きました。
Q2. BATICはいまから受けられますか?
A. 受けられません。2022年度の第44回試験で終了しています。公式テキストと公式問題集は2026年9月時点で購入できるので、会計の単語を覚える教材としては使えると思います。
Q3. 英文PLの科目名は、辞書で調べれば足りますか?
A. 僕は大学院時代に会計の辞書を買いましたが、載っていない用語が多く、電子辞書でも見つからないことがよくありました。英辞郎まで使って調べていた経験から、よく出る科目名は辞書に頼る前に覚えてしまうほうが速いと感じています。
まとめ:英文PLを読むのに先に要るのは会計の単語
- 英文PLは、COGS(売上原価)・Gross profit(売上総利益)・SG&A(販管費)の3行から読む
- 売上総利益は、営業利益と税引前利益だけを報告する様式では見慣れないので、意識して探す
- 僕のTOEICが730点から795点に上がった時期は、BATICで会計の単語を覚えた時期と重なる
- BATICは2022年度で終了したが、公式テキストは購入でき、担当先の明細と合わせて単語を覚える教材として使える
英文PLを読むのに先に要るのは、TOEICの点数ではなく会計の単語です。次に英語のPLを開いたら、まず3つの科目名を探してみてください。
追伸
BATICのように、取ってから何年もたって効いた資格は、ほかにもあります。取った時点では効くと思っていなかった資格を実名と取得年で並べたのが資格は、自信がなかったから取った|経理歴18年で効いた資格と効かなかった資格です。