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働きながら公認会計士試験に合格する人は、実際にいます。僕が18年働いているメーカーの経理でも、仕事を続けながら合格した同僚が2人いました。
一方で僕自身は、大学3年から大学院2年まで4回受験し、すべて短答式で不合格でした。勉強に使える時間は、学生だった僕のほうがずっと多かったはずです。
「社会人から目指すのは無謀なのでは」と、踏み出す前から気持ちが引けていませんか。この記事では、近くで見てきた2人から分かったことと、働きながら受けるなら押さえておきたい試験の仕組みをまとめます。読み終えるころには、自分の生活で挑戦できるかを具体的に考えられるはずです。
この記事でわかること
- 働きながら公認会計士に合格した同僚2人の、その後のキャリア
- 2人を見て、合否を分けるのは勉強時間の多さだけではないと感じた理由
- 年2回の短答式と、2年間の免除制度を使った受け方
働きながら合格した同僚が、僕の周りに2人いる
公認会計士試験に働きながら合格した同僚は、2人とも同じ会社の経理にいました。ただし、合格したあとの道は正反対です。
1人目は、本社経理の同僚です。研修で顔を合わせたことがあり、業務でもやり取りをしてきました。合格後も会社に残り、いまは連結決算を担当する課長になっています。
2人目は、中途入社で経理に来た同僚です。もともとは理系のエンジニアだったと聞いています。入社してから働きながら公認会計士の資格を取り、そのあと会社を辞めて、監査法人で会計士として働いています。
同じ「社会人合格者」でも、1人は会社に残って資格を経理の仕事に活かし、もう1人は資格を使って職場ごと変えました。公認会計士は監査法人に行くための資格だと思われがちですが、事業会社の経理に残るという選択肢もあります。
2人を見て、合否を分けるのは勉強時間だけではないと思った
2人を近くで見て感じたのは、飛び抜けた人だけが受かる試験ではないということです。同時に、2人とも仕事の中身を理解する力は確かでした。
本社経理の同僚は、研修や業務で接していて、特別な人に見えたわけではありません。それでも働きながら合格しています。僕はこの同僚を見て、仕事と並行して勉強を続ければ届く試験なのだと受け取りました。
元エンジニアの同僚は、入社したときから仕事ができる人でした。経理は未経験だったはずですが、数年で経理業務の中身をきちんと理解していました。
印象に残っているのは、決算の時期に本社から急に会計処理の相談が来たときのことです。繰延税金資産(将来の税金の支払いが減る効果を資産として計上するもの)に関する案件で、前もって準備できる種類の仕事ではありませんでした。その同僚は、突然の依頼にもその場で対応していました。正直に言うと、僕より仕事ができると感じていました。
一方で、学生時代の僕は、2人より勉強時間を取れる立場にいながら短答式を4回とも突破できませんでした。勉強時間が多いほど有利なのは確かです。ただ、働きながら合格した2人を見ていると、時間の多さだけで決まる試験ではないと思うようになりました。僕の受験の詳しい経緯は、公認会計士試験の難易度|4回受験して短答落ちした経験から解説にまとめています。
働きながら受けるなら、年2回の短答式と2年の免除を使う
公認会計士試験には受験資格の制限がなく、年齢・学歴に関係なく誰でも受けられます。働きながら受ける人がまず押さえておきたいのは、短答式試験が年2回あることと、合格した部分に2年間の免除があることです。
試験は、マークシートの短答式と、記述式の論文式の2段階です。
| 区分 | 試験科目 | 令和9年試験の日程 |
|---|---|---|
| 第Ⅰ回短答式 | 企業法・管理会計論・監査論・財務会計論 | 令和8年12月13日(日) |
| 第Ⅱ回短答式 | 同上 | 令和9年5月23日(日) |
| 論文式 | 監査論・租税法・会計学・企業法・選択科目1科目 | 令和9年8月20日(金)〜22日(日) |
受験手数料は19,500円です。出願は令和7年試験からインターネットのみになり、郵送では受け付けていません。
働きながら受ける人にとって大きいのは、次の2つの免除です。
- 短答式に合格すると、合格発表の日から2年を経過する日までに行われる短答式が免除される
- 論文式で審査会が認める成績を取った科目は、合格発表の日から2年間、論文式でその科目が免除される
つまり、短答式に一度合格すれば、論文式に複数回挑戦できます。公式Q&Aの例では、令和6年に短答式に合格した人は、令和6年・7年・8年の論文式を短答式なしで受けられます。年末の12月と、決算期に近い5月のどちらの短答式を狙うかは、自分の繁忙期と重ならない側を選べます。経理の場合、3月決算の会社なら5月は決算と重なりやすいので、12月を本命にする考え方もあります。

経理で働いている人が、受ける前に決めておきたいこと
経理で働きながら受けるなら、勉強を始める前に「合格したあと、会社に残るのか、監査法人へ移るのか」を一度考えておくことをすすめます。同僚2人の道が分かれたように、どちらを選ぶかで、資格の使い方も、勉強を続ける理由も変わるからです。
会社に残る場合、本社経理の同僚は連結決算の課長として、会計の専門知識が直接活きる仕事を担当しています。僕の会社の例ではありますが、社内に残っても資格を活かす道はあります。監査法人へ移るなら、年収や働き方も含めて、仕事の環境そのものが変わります。どちらを選んでも、合格までに数年単位の勉強が必要な点は変わりません。
講座を選ぶときは、教材の中身より先に、自分の1週間で回るカリキュラムかどうかを見てください。校舎に通えるのか、オンラインだけで完結するのか、質問する手段があるのかは講座ごとに違います。CPA会計学院は個別のカリキュラムとオンライン教材の両方を用意しているので、資料を自分の1週間に当てはめてみると判断が早くなります。
\働きながらの学習の進め方も載っています/
よくある質問
Q. 社会人でも公認会計士試験に合格できますか?
合格できます。僕が働いているメーカーの経理でも、働きながら合格した同僚が2人いました。1人は会社に残って連結決算の課長に、もう1人は監査法人へ移っています。
Q. 公認会計士試験に受験資格はありますか?
受験資格の制限はありません。年齢・学歴・国籍に関係なく受験できます。受験手数料は19,500円で、出願はインターネットのみです。
Q. 短答式に合格したら、翌年もまた短答式から受けるのですか?
短答式に合格すると、合格発表の日から2年を経過する日までに行われる短答式が免除されます。そのため、論文式で不合格でも、翌年は論文式から受けられます。
Q. 経理で働いていると有利ですか?
実務で見ている取引や決算の流れが、会計の理解を助ける場面はあると思います。ただ、経理経験だけで合格できる試験ではなく、僕自身は学生時代に4回とも短答式で不合格でした。
まとめ
- 働きながら公認会計士試験に合格する人は実際にいる。僕の会社の経理でも2人が合格し、1人は社内に残り、1人は監査法人へ移った
- 2人を見て、合否を分けるのは勉強時間の多さだけではないと感じた
- 短答式は年2回(12月・5月)あり、合格すると合格発表から2年を経過する日までの短答式が免除される。繁忙期と重ならない回を選べる
- 受ける前に、合格後に会社に残るか監査法人へ移るかを考えておくと、勉強を続ける理由がはっきりする
働きながら合格した同僚2人を見てきた立場から言えば、社会人からの挑戦は無謀ではありません。まずは、12月と5月のどちらの短答式なら自分の繁忙期を避けられるかを確かめてみてください。
追伸
働きながら受けるなら、科目合格制の税理士試験も比較の候補に入ります。迷っている方は、公認会計士と税理士の違い|両方挑戦した現役経理が解説もあわせて読んでみてください。